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カレーはスパイス

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第一章

               カレーはスパイス
 吉川明文と尾崎宏晶は尾崎の神託を受けてそのうえで今はインドネシアのバリ島にいた、そこでだった。
 二人で島のレストランに入ってガパオライスを食べていた、吉川はそうしつつ尾崎に対して言った。
「この島でもカレーが食えたな」
「はい、そうでしたね」
 その通りだとだ、尾崎は答えた。
「インドネシアでも」
「そうだったな」
「はい、ただです」
「それでもだな」
「日本のカレーとは違いますからね」
 尾崎はガパオライスの挽き肉と野菜に香草そして目玉焼きとご飯を共に食べながらそのうえで吉川に話した。
「日本のカレーの方が」
「この世界でもな」
「独特ですからね」
「元々海軍からだ」
 吉川もガパオライスを食べつつ述べた。
「日本のカレーははじまった」
「そうでしたね」
「日本のお米に合う様にだ」
「ルーが作られていって」
「独自の進化を遂げた」
 そうなったというのだ。
「だからだ」
「それで、ですね」
「他の国や地域のカレーと違う」
「この世界でもそうですね」
「日本のコメはジャポニカ米でだ」
 それでというのだ。
「他の国や地域ではインディカ米だ」
「そこが決定的ですね」
「文字通り決定的な違いだな」
「それでカレーにしても」
「日本のカレーは日本のカレーだ」
 洋食という日本の料理のジャンルの中に入っている、日本人はともかく海外の人達からはそう思われているのだ。
「あくまでな」
「左様ですね」
「そうだ、そしてガバオライスはな」
 二人が今食べているこの料理はというと。
「これはこれでな」
「美味しいですね」
「そうだな、これを食ってだ」
「後は、ですね」
「神託を果たしに行こう」
「さて、その神託ですが」
 尾崎は鮫のその顔を怪訝なものにさせて吉川に言った。
「果たして何か」
「それが問題だな」
「そうです、変な神託ですと」
「神託は神託だ」
 吉川は半魚人をさらに人間らしくさせた耳が鰭になっていていささか鱗が残っている青がかった顔で尾崎に返した。
「だからだ」
「そのことは、ですか」
「どういった神託でもだ」
「いいのですね」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「私はどういった神託でもな」
「受けてですね」
「ことを果たす」
「そうされますか」
「それだけだ、では食い終わったらギルドに行くぞ」 
 冒険者の仕事を依頼しているそこに素性を隠して偽の身分と名前で依頼を受けるというのだ・
「その依頼がだ」
「神託かも知れないですね」
「そうだ、だからだ」
 それでというのだ。
「ギルドに行くぞ」
「そうしますか」
「そうするぞ」
 こう話してだ、そしてだった。
 吉川は尾崎と共にバリ島のギルドに入った、するとそこにだった。
 妙な依頼があった、それはバリ島のある美食家の富豪からの依頼だった。
 その依頼を見てだ、吉川は言った。 
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