ドリトル先生と日本の鉄道
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第八幕その六
「成功させてね、このお話」
「そのつもりだよ」
「それがいいね、しかし当時のドイツの兵器でもね」
「例えその時代がナチスが政権を握っていてもだね」
「軍事のものでも」
「いいものはいいとね」
そう認識してというのです。
「考えて展示しないとね」
「ナチスだから、戦争を連想させるから駄目となると」
「学問も止まるし民主主義でもないよ」
「そうだね、ああしたことを言う人達ってね」
「民主主義を声高に言うんだけれどね」
「全然民主的じゃないね」
「そうなんだよね、そうしたことも考えながらね」
そのうえでというのです。
「明日それぞれの部に行って来るよ」
「そうしてね」
王子も他の皆も先生に笑顔で応えました、そうして次の日先生は動物の皆とまずはプラモ部の部室に行きましたが。
そこに一人の小柄で痩せた茶色の髪の人がいて先生に挨拶をしてきました、お部屋の中にはロボットや戦車、軍艦に飛行機の完成して塗装されたプラモデルやディオラマが沢山飾られています。
そうしてです、先生も挨拶をしてからでした。
先生にです、その人は名乗りました。
「新垣慎太郎といいます」
「新垣君だね」
「大学では工学部の一回生です」
「工学部だね」
「はい、そうです」
こう名乗るのでした。
「宜しくお願いします、僕がプラモ部の中のドイツ軍好きです」
「そうなんだね」
「この部活はアニメファンと日本軍、自衛隊マニアの人がです」
「やっぱり主流だね」
「はい、僕は主流じゃないんですよ」
笑って先生に言うのでした、先生の今回のお話を聞いてから。
「お互いの趣味には干渉しないのがこの部活ですけれどね」
「プラモでもドイツ軍は人気だけれどね」
「それでもなんです」
「この部活ではだね」
「ドイツ軍よりも」
まさにというのです。
「ロボットアニメや日本軍なんですよ」
「そして自衛隊だね」
「そちらなんですよ」
「日本はロボットアニメも多いからね」
「そうです、それでお話をですね」
「うん、これからしていいかな」
「お願いします」
新垣君は先生に笑顔で応えました、そして先生のお話を聞くと唸って言いました。
「ドーラをですか」
「あの列車砲の動く模型をね」
「鉄道博物館にですか」
「軍事研究会の人と協力してで」
「凄いですね、あの列車砲の動く模型なんて」
それこそと言う新貝君でした、二人は今は部室のテーブルの席に向かい合って座ってそうしてお話をしています。
「それを造るなんて」
「僕は今考えているけれどね」
「僕一人でもやらせてもらいたい位ですよ」
「じゃあドーラのプラモもだね」
「フルスクラッチでも造ります」
「ドーラのプラモは売っていないかな」
「八条プラモから売ってますね」
すぐに答えた新垣君でした。
「確か」
「じゃあそれでだね」
「造らせてもらいます」
「そうするんだね」
「では」
さらに言う新垣君でした。
「そこから忠実に再現して」
「プラモ自体を改造もしていって」
「実物みたいなものを造りますから」
「軍事研究会の人や鉄道博物館の人達と一緒に」
「そうさせてもらいます」
新垣君は快諾してくれました、プラモ部はそうなりました。
先生は次は軍事研究会の部室に行きました、勿論この時も動物の皆も一緒ですが皆は至って静かです。
そして皆で、でした。
今度は軍事研究会の部室に入りました、部室には軍事に関する本が幾つもの本棚に整然と並べられています。
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