天王寺動物園にて
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第一章
天王寺動物園にて
松尾日毬と小林千歳は今千歳が神託を受けた大坂にいた、それも大坂の天王寺動物園である。
千歳はそこにいる様々な生きもの達この世界にかいない者達やモンスターと呼ばれる者達も見てだった、共に観ている日毬に話した。
「私生きものが好きでして」
「動物園が好きか」
「はい、水族館も」
こちらもというのだ。
「好きでして」
「では今回の神託はだな」
「結構楽しんでいます」
千歳はマンモス達を手すりの上に立って見つつ日毬に話した。
「何かと。ですが」
「それでもだな」
「神託のことは頭に入れていますので」
それでというのだ。
「ご安心下さい」
「わかっている、千歳はそうした娘だ」
日毬はしっかりとした口調の千歳に真面目な声で応えた。
「だから私もだ」
「今回の神託では、ですね」
「安心している」
「真面目に取り組むとですね」
「そうだ、しかしこの動物園もいいものだな」
こちらの世界の天王寺動物園について日毬は述べた、彼女もマンモス達をサングラス越しに見ている。
「私は上野動物園によく通っていたが」
「東京だからですね」
「うむ、山の手線ですぐに行けたからな」
このこともあってというのだ。
「よく父上や母上に連れて行ってもらった」
「そうでしたか」
「特に兄上がお好きでな」
「ではパンダも」
「よく観た、懐かしい思い出だ」
「それは何よりですね」
「そしてこの世界の天王寺動物園もな」
日毬は千歳にさらに話した。
「いいと思う」
「ではこのままですね」
「動物園の中を観て回ろう」
「ここでの神託が気になりますが」
「それは何だろうな」
「そこがわからないですね」
千歳は首を傾げさせて述べた。
「どうも」
「全くだ、だがな」
「まずはですね」
「動物園の中を観て回ろう、そうすればだ」
「神託についてもですね」
「わかる筈だからな」
「そうですね、では」
「マンモスの次はな」
「クァッガを観ません?」
身体の前半分がシマウマで後ろの半分が茶色になっている馬だ、千歳達の世界ではかつてはアフリカに棲息していた。
「そうしません?」
「いいな、ではな」
「そちらに行きましょう」
二人で話してだ、そしてだった。
千歳は日毬と共にこちらの世界の天王寺動物園の中を観て回った、そうして夜は宿に入る前に大坂のお好み焼き屋に入ってだ。
千歳は大坂のお好み焼きを食べつつ日毬に言った。
「いやあ、こっちの天王寺動物園もです」
「いいものだな」
「そうですね」
「流石に危険なモンスターはいないと思ったが」
「それでもですね」
「ゴーゴンやキマイラもいてな」
「厳重に厳重を重ねて飼育されていて」
千歳はいか玉を食べビールを飲みつつ話した。
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