転生とらぶる
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スーパーロボット大戦OGs
0008話
「アクセル、本当にパイロットコースでいいのか? 今ならまだ他のコースに変更出来るぞ?」
教官がそう声をかけてくるが、正直ありがた迷惑以外のなにものでもない。
「教官、他のコースに変更って。卒業式は明日ですよ? ちょっと無理があるんじゃないですか?」
と言うか、卒業式前日に志望コースを変更してもまだ間に合うってどんな学校だそれは。
まぁ、教官の言う事も分かる。俺もちょっと興味があって調べてみたんだが、今までの卒業していった主席は大抵参謀か4軍コースに進学していた。
それが、今期の主席である俺は使い捨てと言えばちょっと言い過ぎだろうけど、とてもエリートコースじゃないパイロットコースに進もうというのだから教官の成績とかにも影響があるんだろう。
こんな事ならユーリアと張り合わないで、3年になった時点で主席を明け渡しておけば面倒が無かったな。
まあ、主席と次席なんだしそう変わらないだろうけど。
教官に軽く礼をし、さっさと自分の部屋へと戻っていく。
翌日。今日は幼年学校卒業式だ。
正直、この3年間はそれなりに楽しかったし充実もしていた。
レベルも3年間で2上がったし、待望の精神コマンド「努力」も習得出来た。
経験値2倍で消費SPが8と低コストの精神コマンド、正直一番欲しかっただけにステータス表示で確認出来た時には思わず叫んでしまった。
スパロボでは覚える精神コマンドでそのキャラの性格を現していたと思うんだが、もしそうなら努力を覚えたのは納得だな。
ただ、自分の性格を分析するに熱血は覚える事が出来ないような気がする。
でも転生したという事を考えればツイン精神コマンドの魂は覚える可能性はある、か?
あ、ついでにシミュレータで敵を撃墜してもステータスの撃墜数は4のままだった。
どうやらシミュレータじゃなくて現実で敵機を撃墜するなりなんなりしなければ駄目らしい。
くそう、シミュレータで撃墜数が増えたらエースボーナスが判明したのに。
「アクセル」
声を掛けてきたのは、既に言うまでもなく男前の女。幼年学校の女生徒のうち7割を虜にしたとか噂されている皆のお姉様ユーリアだ。
「よ。卒業式日和って訳でもないが、いい天気だな」
「ああ。さすがに今日は遅刻していないみたいだな」
「卒業式の日くらいはな」
「それにしても、来週からはアクセルと一緒の教室じゃないとか。妙に違和感があるんだが」
「なんだかんだでこの3年間お互いが一番長く過ごしてきた相手だしな」
今日の卒業式が終わり1週間程の休みの後、俺達は幼年学校から士官学校へと進学する事になる。
もちろん、士官学校に入学後はそのコースが自分たちのクラスとなる。
そう考えると、ユーリアと一緒ではないってのは寂しいものを感じるな。
「そう言えば、ジーベルの事聞いたか?」
しんみりする空気を嫌ったのか、ユーリアが話を変える。
にしても、ジーベル? 3年に上がってからも絡まれてはいたが、軽くあしらっていただけで何か特筆すべき事はない。
「あの三下がどうした? とうとう士官学校からの入学拒否されたとか?」
「いや、聞いた噂だと参謀コースに入学決定したらしい」
……は?
正直、自分が前世の記憶を取り戻した時並に驚いた。
「いや、なんでそうなる?」
「さぁ? 私にも詳しくは分からん。最初に言った通り、噂で聞いただけだからな」
今までにも何度か言ったが、参謀コースは軍隊におけるエリートコースの1つだ。
少なくてもCクラスの成績で参謀コースに入るのは無理だろう。参謀コースの教官達だって、自分たちがエリートを育てているという意識はある。そこに1人だけ落ちこぼれを入れても利益が余りに少ない。
それなら最初からもっと有能な生徒を入学させる方が絶対にいい筈だ。
「正直、訳が分からないな。参謀コースの教官達は何を思ってジーベルを受け入れたんだ?」
他人を見下し、意味もなく自分の方が上だと思い込む。けど実際の能力は悪いとは言わないが、あくまでも平均レベル。その性格から協調性もない。
自意識過剰な道化。
それがジーベルを見た俺の印象だし、実際にそれ程間違ってもいない筈だ。
「だから言っただろう? あくまでも噂だと。……だが、良く考えてみるとジーベルは幼年学校でも1年の時にはA組だったんだ」
つまり何かイカサマ、か?
「よう、そこにいるのはパイロットコースにしか行けなかった自称主席君と、宇宙軍に行く次席のユーリアじゃないか」
……噂をすればなんとやら。声のした方を見るまでもなくその声だけで誰だかわかってしまう自分が微妙に悲しい。
「残念だが、自称じゃなくて正式に主席だよ。その証拠に今日の生徒代表も務める事になってるしな」
別に主席という地位に拘っている訳じゃない。
ただ、それでもユーリアと共に切磋琢磨してきた結果なだけに、ジーベルのような奴に茶化されるのは正直我慢出来なかった。
「ほう。で、その主席は何故落ちこぼれのパイロットコースに行くんだろうな?」
ちなみに、言うまでもなくパイロットコースは落ちこぼれではない。ないのだが……ジーベルのような奴には何を言っても理解出来ないだろう。
「ジーベルっ!」
ユーリアの怒声が響くが、ジーベルの口元にはこちらを嘲笑するような笑みが浮かんでいるだけだ。
「ん? どうしたんだ? やっぱり恋人が落ちこぼれだと過保護になるのか?」
正直、学生どころか教官の中にも俺とユーリアが付き合っていると誤解している者は多い。だが、少なくても俺がユーリアに感じている感情はLoveではなくLikeだし、ユーリアにしてもそうだろう。
「と言うか、もしかしてお前が今まで俺に突っかかって来てたのって、俺とユーリアの仲を嫉妬してか?」
なんとなく思いつきを口に出すが、その効果は劇的なものがあった。
つい数秒前まで俺に向けて嘲笑していたその顔が真っ赤に染まり、ただでさえ釣り上がっている眼がさらに釣り上がる。
「うわ、マジか」
明らかに図星を指された感じだった。
ユーリアの方を見ると、こちらは予想外の展開に考えが付いていっていないらしい。
「と言うか、好きな相手に意地悪するってどこの5歳児だよ」
「ふ、ふざけるな!! 誰が誰を好きだというんだ! 全く、これだから低脳で無能な輩は困る」
捨て台詞? を吐き、卒業式が行われる体育館へと早足で去るジーベル。
「あー、悪い事したか?」
未だに立ち直っていないユーリアに悪い事をしてしまったかもしれないと思いつつ尋ねる。
「い、いや。ちょっと驚いただけだ。気にしないでくれ」
「そうか? それじゃあ、こんな所で話していて卒業式に遅刻しても馬鹿らしいしさっさと行くとするか」
まだまごついているユーリアを連れ、卒業生の待機教室へと向かう。
「私達がこの幼年学校に入学してから、既に3年が経ちました。その間、色々な教官達にお世話になり、あるいは生活を共にしてきた仲間達との絆を深める事が出来ました。そしてそれらの結果が、今日この日の卒業となります。この幼年学校を出て士官学校に入学し、私達の愛すべき故郷であるこの地球を護る為の守護者の一員として励む事をここに誓いたいと思います。今日、自分達は旅立ちます。後輩の皆も私達に負けないよう、幼年学校とは言え連邦軍の一員である事を忘れずに活躍してくれる事を希望します。卒業生代表、アクセル・アルマー」
これで卒業生代表の挨拶も終わりっと。
在校生や卒業生、教官、校長、理事や父兄等から拍手を貰いつつ自分の席に戻る。
と言うか、入学式の時もこんな感じだったよな。
そんなこんなで卒業式も終わり、体育館を退場する事に。
後は、各自で写真を撮るなり卒業パーティをするなりしてそのままここで解散って流れだ。
そう言えば、卒業式=第2ボタンってのは日本だけの風習なのだろうか?
少なくても、この世界ではそんな風習は無い。
「アクセル。これから皆で卒業パーティやろうという話になったんだがお前も行くよな?」
「ん? ああ。じゃあお邪魔するとするかね」
クラスメイトからの誘いに軽くOKを出す。
はてさて卒業パーティとはいうものの、まだ未成年だしアルコールはNGって分かってるといいんだが。
と言うか、幼年学校の卒業生が酒飲んで暴れたなんて事になれば、大問題で士官学校の入学も取り消しになる可能性が高い。
……腐敗臭がする政治家達が行っている犯罪に比べれば酒で酔っ払うぐらいはどうって事ないと思うんだがね。
ふとそんな思いが心の中から浮かんでくるが、まさか今の俺が腐った政治家達を全滅させる訳にもいかないだろう。
いや、現在の俺の能力でやってやれない事はないかもしれない。
だが、その時は間違いなく俺の生も終わりを告げる事になる。
そもそもこの世界に住んでる人達には悪いが、俺が一番大事なのはやっぱり俺自身なのだ。
他の人達の為の自己犠牲なんて、少なくても俺の柄じゃない。
そんな事は物語の主人公達に任せておけばいずれ解決してくれるだろうさ。
それでなくても、この世界はアインストに飲み込まれる運命にあるんだし。
「おーい、アクセル。皆行ってしまったぞ」
「っと、悪い悪い。じゃあ幼年学校最後のお楽しみだ。派手に楽しむとしようぜ」
いつの間にか立ち止まっていた足を動かし、友人達の下へと近づいていった。
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:7
PP:10
格闘:134
射撃:152
技量:144
防御:141
回避:169
命中:191
SP:198
エースボーナス:不明
成長タイプ:万能・特殊
空:A
陸:S
海:B
宇:A
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
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スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.4
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撃墜数:4
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