クロスウォーズアドベンチャー
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第12話:激怒
マグナモンとスパロウモンのデジクロス体であるマグナモンBMによる超高速移動でデジタル空間からギリギリのタイミングで脱出した大輔達。
しかし、飛び出した瞬間にダークナイトモンに槍を突きつけていたサイバードラモンに激突してしまい、吹き飛ばしてしまうのであった。
「あ…悪い…それからサンキューな、スパロウモン。クロスオープン!!」
吹っ飛ばしてしまったサイバードラモンに謝罪しながら大輔はマグナモンとスパロウモンを分離させた。
「大輔、無事だったか!あの金ピカ鎧のデジモンは何なんだ?」
「このマグナモンはブイモンですよタイキさん。」
「あ、確かに面影があるな」
タイキが駆け寄り、大輔にマグナモンのことを尋ねる。
大輔の説明にタイキは納得したが、マグナモンの姿を見たダークナイトモンは思わず驚愕してしまった。
「(マ、マグナモン…デジタルワールドの神々に仕える聖騎士集団・ロイヤルナイツの守りの要だと!?まさか、あのブイモンが変化した姿だと言うのか!?数々の変化に加え、ロイヤルナイツへの変化すら可能とする…本宮大輔が従えているブイモン…一体どれほどの力を秘めていると言うのだ…!?)」
ダークナイトモンは表情には出さないが驚愕している。
マグナモンのクロンデジゾイド合金の鎧は所々罅割れている状態ではあるが自分は愚か、リリスモン以上の力を感じられた。
まともに戦えば例え自分が万全の状態でも相手にさえならないだろう。
「ふう…それにしてもマグナモンとスパロウモンのデジクロス体のブーストモード…中々癖になるスピードだったぜ。なあ、スパロウモン」
「本当本当!!また一緒に飛ぼうねーっ!!」
「またマグナモンに進化出来る機会があればな」
「よう、本宮。相変わらずお前の周りは騒々しいな。そして幾度も幾度も起こるデジモンの大きな変化…お前は見ていて飽きん男だな」
「へ?あれ、キリハさんじゃないですか?何でここにいるんですか?あ、もしかしてキリハさんもスイーツゾーンの菓子を食いに来たんですか?美味いですよ。特にケーキは絶品でした」
「菓子目当てはグレイモンだけだ。俺はお前達を追ってきたのだ。また新たな力を手にしたようだな本宮大輔。随分とボロボロだが、凄まじい力を秘めていること位は分かる。益々お前を部下にしたくなったぞ」
「あ…はは……どうも…」
久しぶりの再会だが、相変わらずのキリハに思わず大輔は苦笑した。
「わーい、ただいまネネー!!」
「も…もういいわシュリモン!キリハ君を放して!」
スパロウモンの無事を確認したネネは指示を出し、シュリモンはキリハを放してダークナイトモンはゲートを閉じた。
「やれやれ…我が方のスパロウモンまで抱き込んでの脱出とは恐れ入る。おまけにロイヤルナイツの守りの要への変化まで可能とは」
「ロイヤルナイツ…?」
聞き覚えのないロイヤルナイツと言う単語にタイキ達がダークナイトモンを見上げた。
「ここにいる全員が聖騎士集団・ロイヤルナイツを知らないか…」
少しの間を置いて、ダークナイトモンはロイヤルナイツについての簡単な説明をする。
「ロイヤルナイツとはデジタルワールドの神々に仕える伝説の13体の聖騎士集団。その力は圧倒的であり、デジタルワールドでも伝説とさえ言われた魔獣すら簡単にあしらう程と言われている。マグナモンもそのうちの1体であり、強者揃いのロイヤルナイツの中でも際立って防御力に優れ、ロイヤルナイツの守りの要とも言われている。」
「ほう…デジタルワールドの神に仕えるデジモンか…ますます本宮大輔を部下にしたくなったぞ…」
「しつこいぞお前」
上機嫌でマグナモンを見遣るキリハを見てタイキが苛ただしげに言う。
「そんな凄いデジモンにブイモンが…えっと、マグナモンだっけ?鎧がボロボロで、今にも壊れそうだけど…大丈夫…?」
アカリはマグナモンの纏う鎧があまりにもボロボロなのが気になって尋ねる。
「そうだな、マグナモン。大丈夫なのかお前?」
元々ボロボロだった奇跡のデジメンタルを使用したアーマー進化のため、大輔も尋ねたが…。
「大丈夫……と言いたいけど…奇跡のデジメンタルは耐久限界をたった今……越えた」
「え?それってどういう…」
マグナモンの言葉にタイキが疑問符を浮かべた瞬間。
「…………………こういうことさ」
次の瞬間、マグナモンの鎧に大きな亀裂が入る。
【!?】
「マグナモンの鎧が!?」
次々にマグナモンの鎧が嫌な音を立て、かなりの勢いで崩壊していく。
崩壊し、鎧全体に無数の深い亀裂が入った瞬間、マグナモンはブイモンに退化し、黄金のデジメンタルはバラバラとなって崩れ落ちる。
「ふう…やっぱり1回限りか」
床に転がるデジメンタルの破片を拾いながらブイモンはぼやいた。
「1回限り?あの変化は1回が限度ということか?」
バラバラになったデジメンタルの破片を見て、キリハがブイモンに尋ねる。
「そうだよ、まあ…デジメンタルを使わなかったらあそこから脱出出来なかったから仕方ないけど」
「ふむ…しかし、1回限りとは言えあのロイヤルナイツに変化したと言うのは事実…君達の素晴らしい素質が分かるよ。まるで君は大きな可能性の塊だな本宮大輔君。それに…皇帝バグラモンが唯一恐れると言われるデジクロスの力…その力を操る6人のうち5人のジェネラルとその軍団が今ここで一堂に会している。しかも本宮大輔君達はデジクロスとは違う変化の力を有している…正に歴史的瞬間!!デジタルワールドの希望の未来を予感させるようではないかね!!」
「(……随分とわざと臭い言い方だな。これはスパロウモンが嫌うわけだぜ…)」
「薄ら寒い芝居は止めろ!!貴様とは組まんと言ったはずだ…!!」
キリハはダークナイトモンの言葉を芝居と称して一蹴し、それを聞いたダークナイトモンは溜め息を吐いた。
「付き合い悪いな君は」
「あなたはどう?タイキ君、大輔君。私はあなた達とこそ同盟を結びたいと考えていたわ。リリスモンの力は見たでしょう…?あれでも直接的な戦闘能力は三元士の中で一番低いと言われているわ。そしてその上には皇帝バグラモンが控えている…。」
「(あの馬鹿げた強さで三元士最弱なのかよ…確かに戦力アップは必要だ…ダークナイトモンのことが無けりゃあな)」
「バラバラに戦っていてはとても勝ち目のない戦いだわ。私達は協力して彼らと戦っていくべきだと思うの…」
「…確かに…ネネさんの言ってることは正しいですよね。ダークナイトモン…いや、スカルナイトモンやデッドリーアックスモンとの取り引きのことが無けりゃあ同盟もいいかなと思います。ネネさん…あんたの妹さんを助けるためにスカルナイトモンとデッドリーアックスモンと…一体どんな取り引きをしたんですか?」
「っ!!…スパロウモン…!?」
大輔がコトネやダークナイトモンと取り引きをしたことを知っていることにネネはスパロウモンに振り向く。
「ご…ごめん。ついうっかり喋っちゃった…」
秘密をついうっかり話してしまったスパロウモンは気まずそうに謝罪する。
「他にあんたの妹さんを助ける方法はないんですか?何だったら俺も一緒に探します。」
「妹?」
「(何の話だ…?)」
タイキとキリハが疑問符を浮かべながら大輔を見遣る。
大輔はタイキ達の視線に気付きながらも構わず言葉を続ける。
「上手く言えませんけど…凄え嫌な予感がするんです。スカルナイトモン達との取り引きが!!」
「これはまた嫌われたものだ…私は1人の紳士としてこのデジタルワールドの平和を取り戻したいだけだよ!そのためにこのネネや君達、他のジェネラルとも手を取り合いたいと思っている…」
ダークナイトモンの言葉にキリハは嘲笑を浮かべながら口を開いた。
「ふん!よく言う…!!スノーゾーンでそいつらとタクティモンが鉢合わせたのも貴様らのお膳立てじゃないのか…!?帳尻合わせに俺まで呼びつけておいてな…大方、XローダーかD-3X、コードクラウンに細工でもして…利用する駒として工藤タイキ達やそのデジモン達の実力を確かめたい…あるいは引き出したいと思ったのだろう。」
「(あ~…あの時か…でもタクティモンと戦わなかったら俺達はここまでパワーアップ出来なかったし…)」
チラリとD-3Xを見遣るが、例えキリハの言っていた通りだとしても、取り敢えず得た物は多かったので大輔は細工されたことは気にしないようにすることにした。
「全く、大した洞察力だ…いやはや、彼のようなジェネラルが敵に回るなど考えたくもない!なぁ、ネネ…。無礼は詫びよう。ま、確かに我々は善人の集まりではないよ。だが少なくとも理性的だ。なりふり構わずゾーンを侵略するバグラ軍とは違う…どうかね?私達が君達を戦力として利用するように君達も私達を利用すればいい。」
「お互いのことを疑い尽くすという信頼関係の築き方もあるわ。私はあなた達との腹の探り合い結構楽しんでいるのよ?」
「…そんな寂しい信頼関係なんて…俺は嫌だ。一緒に戦う相手を信じることさえ出来ない。いつ裏切られるかも分からないで、何時そうなるかで怖がらなきゃいけない関係なんて絶対に!そんな薄っぺらな信頼関係で…バグラ軍に勝てるなんて、俺は到底思えない!!」
「ふむ、交渉決裂か。残念だよ本宮大輔君…出来れば平和的なやり方で済ませたかったのだがね。まあ、かけておいた保険が無駄にならずに済んで良かったと思うとしよう。」
「え…!?」
「保険だと…?」
「ド…ドルルモン!!」
瓦礫を押しのけながら慌ててやってきたのはヒカリと共に風呂に入っていたはずのキュートモンであった。
「っ!キュートモン…!!今までどこにいたんだ!ヒカリと風呂に入ってたんじゃ…」
「た…大変キュ!ヒカリが…ヒカリが…!!」
「どうしたんだ!?ヒカリが…?」
「ああっ!!?」
「ヒカリちゃん!!?」
シャウトモンとアカリの声にドルルモンはすぐに向こうを見遣る。
「なっ…ヒカリちゃん!!」
ダークナイトモンの掌の上には拘束された意識を失っているヒカリが浮かんでいた。
「大輔君、君の大事な姫君だ。彼女を失いたくはないだろう?これを見てもまだ強情でいられるかな?」
「…人質なんて卑怯だぞ!!」
その言葉にタイキが叫ぶ。
ヒカリを拘束している魔法陣のような物は恐らく、いや確実に大輔が断ればヒカリの命を奪うものだろう。
「彼女を返すのと引き換えに…大輔君…あなたに私達の元に来て欲しいの。私達の目的のために、あなたが必要なのよ!安心して、彼女は眠っているだけ…あなたが従ってくれれば決して傷つけたりしないわ…!!」
「…っ!!」
大輔は人質に取られたヒカリを見つめると拳を握り締め、唇を噛み締める。
それにより爪が掌に食い込み、唇が切れ、手袋が血に染まり、口から血が流れる。
「…見下げ果てたぞっ!!」
ヒカリを人質に取り、無理やり大輔を従わせようというあまりにも非道極まりない行為にキリハは激怒し、グレイモンをリロードする。
リロードされたグレイモンだけでなく、流石の冷徹な戦略家であるメイルバードラモンも怒りを覚え、ダークナイトモン達に向かおうとする。
「女を人質に取って相手を屈服させようなど、戦士の風上にも置けぬっ…!!」
「今ここで我が炎に焼かれ、我が牙に砕かれるか…!!?」
グレイモンとメイルバードラモンがダークナイトモンに突撃しようとするのを大輔が手で制した。
「キリハさん…止めて下さい…」
「彼女に俺に対しての人質の価値は低い!!お前が手を出せんのなら俺がこいつを…!!」
「止めて下さい!!!」
大輔はゴーグルを首にかけると勢い良くキリハに土下座して懇願する。
【!!】
「キリハさん、止めて下さい。お願いします…!!ヒカリちゃんは…ヒカリちゃんは…俺の大事な人なんですよ……っ!!」
「大輔…っ」
ゼンジロウが辛そうに大輔を見つめる。
大輔が少しだけ顔を上げると額を切ったのか、額から血が流れていた。
今までの勇ましい大輔の姿は何処にもなく、その痛々しい姿にアカリは無意識に涙を流す程であった。
「…あんた達、恥ずかしいと思わないの!?まだ小学5年生の大輔君にこんなことして!?」
「っ…」
アカリが非難するが、ネネはともかくダークナイトモンはどこ吹く風である。
「…止めろ、グレイモン、メイルバードラモン。本宮、お前も頭を上げろ」
「…すいません…」
止まってくれたキリハに礼を言うと大輔は額の血を拭って、立ち上がるとネネに向き直る。
「ネネさん、約束して下さい。俺がネネさんについて行けば、ヒカリちゃんを返してくれるんですよね…?」
「無論だとも!このダークナイトモン。騎士として一度交わした約束は…」
「うるせえ!俺はお前に聞いてるんじゃねえ…俺は今、ネネさんに聞いてるんだよ…!!!」
凄まじい形相でダークナイトモンを見上げ、睨み据える大輔。
「(っ!!この少年…まるで…地獄の鬼だ…!!)」
その凄まじい気迫はダークナイトモンを震え上がらせる。
「…約束するわ…言葉でこう言うことに意味はないのでしょうけど…命を懸けてもいい…」
「…………分かりました。約束…ですよ。」
「大輔っ!?その女の言うことを鵜呑みにするのか!!?」
「ドルルモン…」
「……」
止めようとするドルルモンを制したのはタイキとシャウトモンである。
「お前ら…」
「ドルルモン、ここは堪えてくれ。一番悔しいのは…一番腸(はらわた)が煮え繰り返っているのは…ヒカリを人質に取られた上に、あんな奴に無理やり従わされる大輔なんだ…」
握り締めたタイキの拳は怒りで震えていた。
「本宮…」
「すんません、キリハさん。キリハさんだってあの野郎に滅茶苦茶キレてたのに…俺の我が儘を聞いてくれてありがとうございます」
「…これでも紳士のつもりなんでな。淑女(レディー)の命が懸かった場面で俺も少々軽率だった…。それに、いずれお前には俺の部下になってもらう予定だ。上に立つ者として部下の頼みを聞き入れる度量も持っているつもりだ」
「キリハさん…」
「あら…ヒカリさんが羨ましいわ。あなたに突き飛ばされた淑女がここにもいるのだけど…」
「俺は出歯亀趣味の女を淑女とは呼ばん…!!」
そう言い捨てて、キリハはネネを視界から外す。
「そう…そうそう、あなたはタイキ君を仲間にしたいようだけど…あなた達の色は純粋過ぎて…混ざらないわ」
「貴様に言われる筋合いはない…!!」
「……大輔君、念の為にこれを着けさせてもらうわ。」
ネネは大輔の両腕にギロチンの刃がある手枷をはめた。
「何ですかこれは?」
「ダークナイトモンが作った手枷よ。私から20m以上離れるとこの刃が落ちて両腕を切り落とされるわ。大輔君には夢もあるんだし…腕を失いたくはないでしょ?くれぐれも無理に逃げようとは考えないでね」
「げえ…分かりましたよ。俺も両腕無くしたくないし…じゃあ、先にヒカリちゃんを返して下さいよ」
「…分かってるわ。ダークナイトモン!!ヒカリさんを解放して」
「そんなに睨まなくても良いではないかね。約束は守ると言っているだろう?」
ヒカリは解放され、賢がゆっくりと落ちていくヒカリを受け止めるのを確認したネネはXローダーを取り出す。
「リロード…オニスモン!!」
「でかっ!?」
現れた巨大な鳥型のデジモンを見てブイモンが驚く。
「な…何だありゃ、滅茶苦茶でけえぞ!!」
「オニスモン!古代のデジタルワールドを荒らし回ったとされる伝説のデジモンじゃ!!生き残りがおったとは…!!」
ジジモンがオニスモンの説明をすると大輔はブイモンにダークナイトモンに利用されないようにD-3Xを渡した。
中には当然だが、デジメンタルのデータも中には入っている。
「大輔…」
「それじゃあ行ってくる」
「ゾーン移動!!」
「…大輔!!」
「ん?」
ブイモンの声に大輔が振り返る。
「何かあっても俺達が必ず助け出す。逃げる時のために休んでろよ」
「そうする、誰かさんがふざけた真似しなきゃな…しばらくヒカリちゃんを頼んだぜ」
「私の目の前でするような話かね…」
「目の前でする話だよ。自分のしたことを振り返ってみろよ」
ダークナイトモンの言葉を一蹴する大輔は何時でも動けるようにするために体を休めようと横になる。
「ね…ネネ…!ぼ、僕ね!大輔達ってそんなに悪い奴らじゃないと思うんだ…そりゃあ、ブイモンにはボコボコにされちゃったけど…だからあまり仲が悪くようなことしないで…あいつらと一緒にコトネを助ける方法を探すことも出来るんじゃないかな?」
それを聞いたネネがスパロウモンと共にデジタル空間にいた大輔とブイモンを見遣る。
「(…そう…!私の傍以外にも…この子の居場所が…!)」
安堵の表情を浮かべるネネ、スパロウモンのために一芝居打つことにした。
「ネネ…?」
返事をしないネネにスパロウモンは不思議そうに見つめる。
「スパロウモン、降りなさい。あなたとはこれまでだわ。」
「(……?)」
目を閉じていた大輔はネネの言葉に反応して少しだけ目を開けるとネネ達を見遣る。
「…え…?な…何を言っているのネネ…?」
「前々から思っていたのだけど、大事な秘密を漏らしてしまったり、簡単に言いくるめられてしまったり…あなたは兵士として奔放過ぎるわ。これからの戦いには不要な…いえ、危険な存在ですらある。3人目のジェネラルを手に入れるため、どうしても戦力が必要だったからあなたを使っていたけど、ようやく切り捨てることが出来るわ。今までありがとう。これからは自由に生きなさい」
スパロウモンを降ろすとネネ達を乗せたオニスモンは飛び立った。
「そ…そんな…」
「お、おいっ!こりゃどういうこった!?あの女、何で急にお前のことを…」
「ど…どうして!?どうしよう!!?ネネが僕のこと要らないって…!!」
「…さあな…でもお前が話した時、俺達を向いたことが気になるな…」
ブイモンはネネの真意に頭を悩ませるが、その時背後から身動ぎする音が聞こえて振り返る。
「…んっ…」
「ヒカリ!!」
目を覚ましたヒカリに駆け寄るテイルモン。
「テイルモン…何で私はこんな所に…?」
「ヒカリさん…」
「賢君…大輔君は…?どうしてキリハさんが此処に?」
「それは…」
賢が言うべきかどうかで悩んでいたが、それよりも早くキリハが口を開いた。
「お前はダークナイトモンと天野ネネに本宮大輔の人質として利用されていたのだ。そして本宮大輔はお前を救うために自らダークナイトモン達の手に落ちた」
「え…?」
「キリハ!!」
「隠していても仕方あるまい。今までのことを彼女は知らなくてはならない」
それを聞いて動揺するヒカリ。
タイキがキリハに詰め寄るが、隠していてもバレることであるのは確かだ。
賢はようやく重たい口を開いて今までここで起きたことを全てをヒカリに伝えるのであった。
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