レーヴァティン
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第八十四話 ローマに戻りその十三
「けれどな」
「お金はな」
「俺達の場合手段だからな」
「それでやな」
「はじまったばかりって言ったんだよ」
今の様にというのだ。
「ここで金を貯めたからにはな」
「その金を使ってやな」
「これからも金を得られるよな」
「ローマ単位で言うと湯水の如く儲かるで」
「それならな、その金を使ってな」
「傭兵雇うか」
「いよいよな、しかもな」
ただ雇うだけでなく、というのだ。
「常備軍にする」
「そうしてくな」
「いつも俺達の戦力になってもらうぜ」
傭兵としての一定期間の採用ではなくというのだ。
「だからな」
「金は余計に必要やな」
「ああ、軍隊揃えて」
その常備軍をだ。
「あと政治での工作にもな」
「金使ってくな」
「政治は金っていうけれどローマの状況調べたらな」
「実際にやな」
「何かと必要なんだよな」
「工作にもな」
「ここ貴族の議会と平民の議会もあるけれどな」
この二つの議会も当然政治に関わっている、それもローマの政治上の最高権力者である護民官に次いで大きい。
「議会を味方につけるにも」
「金必要やな」
「ああ、今度選挙があるな」
「自分選挙に出るな」
「それまでにな」
「選挙に勝てるまでのやな」
「金を出していかないといけないからな」
それだけにというのだ。
「本当に幾らあっても足りないぜ、じゃあな」
「うちが儲けた金をやな」
「有意義に使わせてもらうぜ」
「そうするんやで」
美奈代は篤い口調で語る久志に笑顔で話した、そして久志は彼が思うローマの掌握の仕方を仲間達に話すのだった。
第八十四話 完
2018・10・1
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