おぢばにおかえり
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第四十八話 合格してその十七
「うらみはらだちっていうでしょ」
「僕の癖性分としてです」
「そんなことされたらなの」
「一生覚えてますね」
「それで恨むの」
「そうせずにいられないです」
「そんな癖性分はなおさないと駄目よ」
こうも注意しました。
「さもないと自分自身によくないから」
「恨みを忘れない性格はですか」
「そうよ、阿波野君ってそんなところあったの」
「ありますよ、かなり卑劣で残忍で陰湿で執念深いですよ」
「とてもそうは見えないけれど」
「そうなんですよ、これが」
「そう、恨みも買うし後で自分の残酷な性格に嫌になるからね」
先輩は阿波野君の言葉を受けてかこれまで以上に悲しいお顔になって私にお話してくれました。
「そうしたことを思うだけでもね」
「よくないですか」
「そうして、さもないとね」
「後悔するんですね」
「そうよ、自分の嫌な一面にね」
そうなるからだというのです。
「ずっと忘れられないから」
「そうなるからですか」
「間違っても私みたいなことはしないでね」
残酷なことはというのです。
「その時のりっぷくでね」
「というか最初からですよね」
また言った阿波野君でした、何かこの子今は凄く言います。
「りっぷくする時点で駄目ですよね」
「だから言わないの」
私がりっぷくしそうでした、それで阿波野君に強い口調で言いました。
「そんなことは」
「いいのよ、本当にちっちもね」
「りっぷくにはですか」
「気をつけて、はらだちからこうまんとかにくいも出てね」
八つのほこりのそうしたところもというのです。
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