魔法が使える世界の刑務所で脱獄とか、防げる訳ないじゃん。
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第一部
第14話 小話詰め
前書き
レンside or 琴葉side
◆ オセロしよう ◆
904「オセロやろー!」
89「でも、オセロなんてなくない?」
904「だいじょーぶ! ちょっと待ってねー」
……何だ? "オセロ"とは。
琴葉「……おい、持ってきてやったんだ大人しくしろよ」
904「ありがとー!」
琴葉「…………翁が居なければ、全力で殴って終わりに出来たのに」
…………おい、報告するぞ。
4「でも、いきなりオセロなんて、如何為たんだ?」
904「実は、要ちゃんが『琴葉にゲームで勝ったことが無い』って言ってたから、俺もゲームがしたくなったんだよね。で、思い付いたのがオセロだったと」
89「琴葉ちゃん、すっごくゲーム強いんだね」
琴葉「……一時期はギャンブルで稼いでたからなぁ」
………………今なんて?
89「ん? 琴葉ちゃん、何か言った?」
琴葉「いや、何でも無い……」
4「"一時期はギャンブルで稼いでた"って言ったな。如何言うことだ」
よく言った。
琴葉「……………………いや、チョットお金が足りなかったんだ」
904「思いっ切り依存してたのに、何言ってんだろーなー」
看守がそれでいいのだろうか。
てか、今なんでグレースは依存してたって……
琴葉「うぐっ……まぁ、それは私の私物だから、壊さない限り好きに使っていいよ」
「「「「はーい」」」」
……まぁ、いいか。
トーナメント戦の様なものをした結果、一位はグレース、二位はシン、三位はハクだった。俺はルールが分からないので、参加していない。
◆ 狂ったメイドと狂った看守 ◆
琴葉「さぁて、御前等賭け事するぞー」
響・仁「「は?」」
琴葉「ナニ? ゴ主人様ノ命令モ聞ケナイノ?」
響・仁「「……仕方ない」」
ふふふ、流石。私の教育を思い出したっぽいな。
断ったり失敗したり手を抜いたりしたら、それ相当の罰を与える私は、当時、組織で一番恐れられていた。まだ可愛い少女なのに、何でかな?
琴葉「昔はよく、任務でも、プライベートでも、裏カジノに出入りして、大儲けしまくったからなぁ! お前ら、まだ私に勝ったことないよね」
響「……イカサマ師が」
琴葉「その場で見破れないんだから仕方ない! それに、今時イカサマしないヤツの方が少ないさ」
魔法が使えるこの世界では、カードの柄を変えることなど、寝るより簡単だ。なので、私がそれにハマってた頃は、それを見破る魔法を見付ける魔法を研究していたくらいだ。
それを一番最初に見付けた私は、それを使ってイカサマを見破り、自分がした時の対処法を考え、それを相手にされた時の対処法を……と考えていった。結局、私の全ての策を出すことはなく、まだ数百程対処法が余っている状態である。それをどうにか消化しようと思って、こうしてメイド兄弟とまた賭け事をしようと思ったのだ。
仁「黒華さん。看守がこう言うことしても良いの?」
琴葉「昔のように、"命を賭ける"とかじゃないから大丈夫だろ。お前ら無一文だから、金を賭ける事とかもしない。腕を掛けたりとかもしてやんないから、安心しろ」
響「じゃあ、何を賭けるんだよ」
意味分かんね、とでも言いたげな顔をする響と、不思議そうな顔をする仁に、私は強く宣言した。
琴葉「私が負けたら、お前らを解放してやろう!」
響・仁「「は……?」」
こう言う事を勝手に決めても良いのかって? 勝てるから良いんだよ。
琴葉「私が勝ったら、探し物の情報を教えて貰うから」
仁「……探し物? 何それ」
"解放"という言葉に反応して、気分がハイになってきた二人が食いついてくる。これは、確実にイケる。
琴葉「私が勝ってからのお楽しみだよ。ホラ、やるぞ」
―――結果。
琴葉「ほら、負けを認めろ」
響「クソッ……いつイカサマしやがった」
琴葉「イカサマなんてしてませんー」
仁「はぁ……」
今日も勝ち。
仁「で、探し物って?」
響「答えられねぇモノだったら答えねぇからな」
諦めきれず、不機嫌そうな響だが、仁はしっかりと区切りをつけたようで、落ち着いていた。
まぁ、この兄弟だったら今後も殺し屋を続けるんだろうな。
そして、私は言った。
―――私は、死んだ友達の死体を探しているんだ。何処にあるか、知ってる?
後書き
看守がこれで良いのか。
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