異世界転移した最強の俺、追放されたSSS級冒険者(美少女)を拾う
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手助けの人物
ルーシーの攻撃が効果がないのを見て対応したというのに、どうやらこれだけでは敵の優位? はなくならないらしい。
だが少し焦っているように見える声の出し方をしていたから、まぅたくの無傷、というわけではないのかもしれない。
想定外ではあったかもしれないが。
とはいえこうしてここで接触してすぐに敵の情報が得られたのは良かった。
集団で現れたおかげで、ばらばらに散らばった後に対応しないといけなくなるよりは……あ~、索敵範囲だけを増やせばいいのでそこまで大変ではないかもしれない。
だが、うまく敵の持つ防具系の魔法をすべて解除できなければ危険だから集団化していた方が確認しやすくてよかっただろう。
そして、現在のこの状況、更に何か奥の手があるらしい。
そうなれば、この集団化した時に見ておいた方が良いかもしれない。
と考えながらも、そこで俺はあることに気づいた。
「ここにいる敵の冒険者たちは一体なんで連れてこられたんだ? だって、都市の幾らかが一気に消え去るんだろう? 巻き添えになるんじゃないのか?」
そういうと、昼間に襲ってきたあの敵である人物が、
「もちろんあの年を破壊してから残りの人間を皆殺しにするのさ! そうして我々の力を! 脅威を! 見せつけるのだ! そして、ゆくゆくはこの世界そのものをあの方のものに……」
「ん? お前たちの言う、あの方とは、“魔王”の事か?」
ふと疑問に思ってそう聞くと、昼間のあの男は怒ったように、
「あ、あの方を“魔王”などという低俗な存在と一緒にするな! この……もういい、お前とはなそいていると不愉快だ。行け!」
そう昼間の男が叫ぶと同時に、現れた冒険者たちが一斉に無表情なまま俺達の方に走ってくる。
そして武器を掲げるもそこで、まずはエリカがその武器を持つ手に攻撃を仕掛けようとした。が、
「! 速い! っ、それに……」
さらに剣で応戦してし、相手の剣を軽く受け止めたエリカの顔が歪む。
「重い……身体能力が強化されているのね。でもこの強化具合、異常だわ」
「はははは、当然さ。我々の“強化傀儡(ブースト・マリオネット)”の力、思い知るがいい1」
「……この……ちょっと痛い思いをするけれど……倒れてもらうわよ!」
そこでエリカが剣に魔力を込めたようだった。
意図的に能力を弱めて戦っていたのかもしれない。
相手は操られている敵であり、元の仲間であったかもしれない人たちだから。
となると、と俺はすぐに気付く。
つまり今の状況は、俺が他の人達と戦う時の状況に近い。だから、
「さっきすでにつけた“指標”に……攻撃が気絶までしか行かないものにして……そういえば気絶させた場合こいつらは動けなくなるのか? そのまま戦い続けるのは困るが……考えていても仕方がない。一時的に、攻撃がそこまでしか通らないようにする!」
そう俺がいつもの魔法を使い、
「あとは好きなように攻撃してみてくれ。攻撃は気絶するくらいまでしか通らない」
「わかったわ、助かったわ」
そうエリカが答えて攻撃を加える。
だが、三人ほどに一気に剣戟を加えた所で異変が起こる。
一度倒れて少し動かなくなったかと思ったが、突然、一気に地面を蹴って空に飛び上がる。
他の冒険者たちの方はまだ接触しても一人も倒せていなかったがために、その現象には遭遇していなかった。
だがこの異様な展開にエリカが小さく呟く。
「……え?」
「ははははは、気絶させられた最後に、自動的に瞬時に移動して強力な攻撃を加える要されているのさ! お前たちの“甘さ”が命取りだったな!」
笑う昼間の男。
エリカはよけようとするも、その倒した男たち数人が一気に取り囲むように攻撃して逃げるのが難しい状況になつている。
だから、俺は瞬時にエリカへの攻撃を防ぐべく動く。
結界魔法と身体強化……に見せかけた転移魔法を使ってエリカに触れると同時にその場から少し横に転移する。
だが実の所、この時の危機は俺が行動しなくても助かったかもしれない。
何故なら、
「おおおおおおまあええええらああああああああ、人の妹に何をしようとしているんだぁああああああ」
そう叫んで乱入してきた男が、一瞬にして最後の強力な一撃を加えようとした冒険者全員を、槍で倒してしまう。
やはり、この世界の人間のわりに強すぎな気がすると俺が思っているとそこでその男がこちらの方を見て、
「大丈夫かエリカ! ……ん?」
「……ぎくっ」
俺は嫌な予感に苛まれて、そう小さく呟いたのだった。
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