転生とらぶる
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機動戦士ガンダム
2260話
「きゃ……きゃああああああああああああああああっ!」
空に響く、メリルの悲鳴。
いや、コロニーの中なんだし、空という表現は相応しくないのか?
メリルを抱きながら虚空瞬動で移動しつつ、そんな事を考える。
ちなみに、メリルを抱いているとはいえ、パイロットスーツ……そして下にはワンピースを着ている為に、その身体の柔らかさや温かさを堪能するような真似は全く出来ていない。
別に無理にそうする必要があるとは思えないんだけど。
ともあれ、虚空瞬動を使いながら空を移動していると、やがて目的のトレーラー……10台近いトレーラーが移動しているのが見えてきた。
よし、という思いと共に後ろを向くと……最悪な事に先程倉庫を破壊したザクがこちらに、正確にはトレーラーの方を見ている事に気が付く。
そして、ザクマシンガンの銃口がトレーラーに向けられ……
「ちっ!」
咄嗟に白炎を生み出し、ザクマシンガンと俺のいる場所を隔てる。
次の瞬間、ザクマシンガンの銃口からは何発もの弾丸が放たれるが、白炎に触れた瞬間には消滅……否、焼滅していく。
それを見て、ザクは戸惑ったように動きを止めた。
白い炎を見て動きを止めたというのもあるが、やはりザクマシンガンの弾丸が白炎によって防がれたというのが大きかったのだろう。
ザクマシンガンの弾丸というのは、言ってみれば戦車砲の砲弾と等しい威力を持つ。
……それどころか、場合によっては戦車の砲弾よりも優秀だったりする。
特に連射性はその最たるものだ。
それだけに、まさか今のような状況でいきなり弾丸が消えるとは思っていなかったのだろう。
今ので諦めてくれれば、こちらとしても楽だったのだが……生憎と敵はそのような物わかりの良さはなかったらしく、再びザクマシンガンを連射してくる。
だが、迎える結末は当然のように同じだ。
未だに空に存在する白炎により、触れた端から燃やされていく。
ザクバズーカの類ではなかった事を、喜ぶべきか。
ともあれ、それから3分程……ザクマシンガンは次々に俺に向かって放たれては、消滅していくといった事を繰り返す。
いい加減諦めてくれると、こちらとしても助かるんだが。
そんな俺の願いが通じたのか、やがてザクはザクマシンガンの連射を止め、その場から立ち去る。
「諦めた、か」
「……え?」
俺の呟きに、ただ呆然としていたメリルが呟く。
ちなみに現在のメリルは横抱き……一般的にはお姫様抱っこと呼ばれる状態で、俺の腕の中にいた。
「だから、ザクがだよ。……にしてもトレーラーの方もとっくに消えてるか」
空を飛びなら、先程までトレーラーのいた場所に視線を向けるが、そこには当然の事ながら、トレーラーの姿は影も形も存在していなかった。
「あ」
俺の腕の中で、メリルが何台ものトレーラーがあった方を見ながら、小さく呟く。
まぁ、白炎の存在に目を奪われており、トレーラーの方に意識を向ける事が出来なかったのだから、それもしょうがないが。
ともあれ、MSを運んでいると思しきトレーラーは、既に全てが消えていた。
向こうにしてみれば、俺がザクの攻撃を防いでくれていたのだから、その隙にここから逃げ出すというのは当然の事だったのだろう。
ああ、もしかしてザクがこの場から消えたのは、白炎に脅威を感じたというのもあるが、それよりもトレーラーが姿を消したから……というのが大きかったのかもしれないな。
ともあれ、俺がこの連邦軍基地に来た一番の目的は、あくまでも連邦軍の開発していたMSだ。
可能性としては、正直そこまで高くはなかったのだが……まさに、ビンゴといったところか。
そんな風に考えつつ、これからどうするべきかを考える。
いやまぁ、考えるも何も、俺がやるべき事はもう決まっているのだが。
「メリル、あのトレーラーを追うぞ」
「分かりましたけど、もしかしてこのままですか?」
俺の言葉に、そう尋ねてくるメリル。
やはりお姫様抱っこをされている状況というのは、色々と恥ずかしいものがあるのだろう。
ましてや、今のメリルはパイロットスーツのヘルメットを被って顔を隠すような真似はしていない。
その上で、数ヶ月の間サイド7で暮らしていたメリルとしては、どこに知り合いがいて、いつその知り合いに今の光景を見られるか分からない……といったところか。
もっとも、この後はクレイドルに戻るんだから、多少知り合いに今の状況を見られたとしても、そこまで気にするような事はないと思うんだが。
「そうだな。悪いがこのままだ。メリルは虚空瞬動とか、空を飛ぶとか出来ないだろ?」
「当然じゃないですか!」
うん、まぁ、そういう返事が来るのは分かったいた。
寧ろ、今の状況で実は虚空瞬動が使えるんですなんて言われたら、俺が混乱していただろう。
「なら、このままだな。……行くぞ」
そう言い、俺は混沌精霊としての力で空を飛び、トレーラーを追う……のはいいんだが、一体どっちに向かえばいいんだろうな。
ここが土の上ならタイヤの跡を追えばいいんだが、生憎とここは立派な道路だ。
普通に道路を走っているのなら、上空まで飛べば見つける事も出来るんだろうが……ザクから隠れる為にどこかの建物に避難しているという可能性も捨てきれない。
ああ、でも10台近いMSを運搬が可能なトレーラーともなれば、その全てを隠すような建物なんて、そうある筈もない。
ましてや、ここはコロニーなのだから、連邦軍の基地であるここならともかく、一般の場所では……ないとは言い切れないが、そう簡単に見つかるといった事もないだろう。
そう判断して、メリルを抱きながら高度を上げる。
すると……かなり離れた場所ではあるが、そこにトレーラーがいるのを発見する。
「あれは……避難民のせいで身動きが取れなくなってるのか」
「恐らくそうかと。このコロニーの住民にしても、自分達が死んでもいいから連邦軍に協力をするといった風には、思えないでしょうし」
「まぁ、そうだろうな」
数少ない例外はあれど、人間はやはり自分の命が一番大事なのだ。
そうである以上、トレーラーを進ませる為に自分達が道を空けるといった真似をするとは、思えない。
とはいえ、最悪の結果としてはトレーラーがMSを運ぶ事を優先して強引に通る……といった可能性もある。
当然そうなれば、通行人にも被害が出る。
運が良ければ道の端に避難して無事だろうが、死者とかも出かねない。
「取りあえず、今のところはザクに見つかってないようだけど、この先も見つからないかどうかってのは分からないし、向こうの方を……あ」
俺がそう言った瞬間、先程俺達の前にいたザク……いや、動きが微妙に違うな。恐らく別のザクだろうが、建物の陰から姿を現す。
シートで覆われているが、それがMSであるというのはそのシートに浮かんでいるラインから明らかだろう。
そして、同時にシートで覆われているという事は、まだパイロットが乗っていないという事でもある。
そんな状況で、ザクのパイロットが何をするのか……
もし人道的な性格をしているパイロットなら、トレーラーの周囲に人がいる為に攻撃を控えるかもしれない。
だが、軍人にそのような性格をしている者がそこまで多いとは思えないし、何よりも連邦軍がMSを開発していたというのが、MSの力で連邦軍に勝ってきたジオン軍にとって脅威でしかない。
ましてや、ルナ・ジオン軍がMSを所有しており、その性能を最大限に発揮して大きな戦果を上げているのは、当然のようにジオン軍も理解しており……だからこそ、ここで連邦軍が開発したと思われるMSを見逃すという選択肢は存在しない。
「ちっ、メリル、悪いがちょっときつくなるぞ!」
叫び、俺はメリルの返事を聞くよりも前に、虚空瞬動を使って一気にトレーラーのある方に向かう。
そんな俺の動きに合わせるように、予想通りザクは手に持ったザクマシンガンを使い、トレーラーに向けて次々に射撃を加えていく。
あるいは、ザクマシンガンがザクライフル……単発の銃であれば、そこまで問題はなかったかもしれない。
もしくは、マシンガンで連射しつつも標的だけに命中させるだけの腕を持っているのとか。……少なくても、シャドウミラーの実働班ならそれくらいは全員が出来るし、精霊の卵に所属している者も同様の事が出来る者は多い。
だが、それはあくまでもシャドウミラーという精鋭が揃っている軍だからこそ出来る事であって、ジオン軍のパイロットにその技量を期待するのは間違っていたのだろう。
放たれたザクマシンガンの弾丸は、次々とトレーラーに命中し……そして、周囲にいる避難民に対しても命中していく。
老人がザクマシンガンの弾丸の直撃を受けて肉片と化し、もしくは弾丸が着弾した衝撃でアスファルトの破片が周囲にまき散らされ、それによって怪我をした者も多い。
そんな訳で、トレーラーはまだしも避難民にも多くの被害が出てしまう。
俺とメリルがトレーラーの近くに到着したのは、丁度そんな時だった。
「メリル、取りあえず俺は近くで様子を見るから、お前は少し離れた場所で様子を見てろ。いいな? 多分大丈夫だと思うが、もし何かあっても炎獣が守ってくれる筈だ」
「わ、分かりました」
素早く返事をすると、メリルは俺の側から離れる。
それを見ると、俺は一番近くにあるトレーラーの様子を見るが……トレーラーの運転席にザクマシンガンの弾丸が命中したらしく、運転手は既に死んでいる。
ちっ、厄介な。
しょうがないので、トレーラーの運転席と荷台を繋いでる連結の部分を白炎の力で半ば強引に焼き切る。
トレーラーの荷台を見る限り、やはりここに乗っているのはMSだろう。
横になってシートを被っているので、具体的にどのようなMSなのかは分からない。
だが、このままだとジオン軍に破壊されるか……最悪の場合は奪われかねないだろう。
そんな訳で、俺はトレーラーの荷台をそのまま空間倉庫に収納する。
幸い、既にトレーラーの周りには避難民の姿はないし、トレーラーの近くにいれば狙われるだけだというのを知っている為か、生き残っている避難民は脇目も降らずに走っている。
勿論、全く誰も俺の方を見ていないとは限らない以上、色々と怪しまれてもおかしくはないが……不幸中の幸いと言うべきか、現在は戦闘中で皆が酷く興奮しており、後で何かを見ても興奮で見間違えたといった風に言い訳が出来る。
……実際にトレーラーが消えているのを考えると、それを隠すのは色々と難しいという一面があるのも事実なのだが。
ともあれ、あのザクのパイロットが新兵……もしくは単純にパイロットとして2流なのか、周囲にあるトレーラーの全てを破壊するといった真似はしそうにない。
寧ろ連邦軍の開発したMSが目の前にあるという事に興奮して、その興奮に流されるままに……って、おい!
ザクを……正確にはザクマシンガンの銃口が向けられた先にいるのがトレーラーでも軍人でも、もしくは戦車や装甲車の類でもなく、純然たる避難民の群れであると気が付いた瞬間、俺は半ば反射的に地面を蹴っていた。
白炎でも効果はあったかもしれない。
だが、銃身が溶けつつもザクマシンガンが発射される可能性を考えると、こちらとしても確実に銃口を逸らせるような行動が必要となり……
「はぁっ!」
気合いの声と共に放たれた蹴りは、ザクが握っていたザクマシンガンをあらぬ方に吹き飛ばす。
だが、既にトリガーを引くという命令は伝わっていたのか、ザクマシンガンは空中を吹き飛びながらも四方八方に弾丸を放ち……幸いにして、その弾丸は周囲の建物やトレーラー、道路といった場所には命中したものの、避難民に命中するという事はなかった。
ザクの方は何が起きたのか分からない様子で、その特徴的な頭で周囲を見回している。
……まぁ、まさか蹴りでザクマシンガンを吹き飛ばすような真似をしたとは、普通は思わないよな。
それよりは、戦車か何かによる砲弾でザクマシンガンを撃たれたと、そう考えてもおかしくはない。
映像データとかには俺の姿が残っている可能性もあるが、まさか歩兵が素手でMSに対抗するとは、完全に予想外だろう。
連邦軍にいる対MS用の歩兵も、別に素手で戦っている訳ではなく、専用の武器を使って戦っているのだから。
そんな訳で、周囲を見回して戦車なり装甲車なりを探しているザクだったが、俺はそれに構わず、周囲に視線を向け……そんな中で、1人の少女と抱き合っているアムロを見つけるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:235
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1435
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