【鬼灯の冷徹】雷の神獣は地獄で仕事してるらしい
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第1話 ざっくりな日常だよ、雷獣さん
その2
前書き
1の2です。
ちなみに雷獣さんは根っからの甘党。
辛いものも食べれるけれど苦いものは無理らしい。
『甘味』という言葉につられて仕事の処理スピードが先ほどの倍になった雷獣。あっという間に書類の山は片付き鬼灯に『早く行こう。』と急かした。
「早く行こう、鬼灯殿」
「勿論行きますが、この書類を閻魔大王に出してからですよ」
「あー……そうだった……」
どうやら忘れていたようで書類を手に取り閻魔大王がいる法廷に向かった。雷獣は、『閻魔大王ならきっと真面目に仕事に勤しんでいる筈』と考えながら書類片手に閻魔大王の机に近づく。
しかし、当の閻魔大王は雷獣の考えとは180度違うこと…自分の書類そっちのけでスナック菓子を食べていた。これにはとうとう雷獣の堪忍袋も限界だったようで手に持っていた万年筆を閻魔大王にぶん投げた。
電流を纏った万年筆は閻魔大王の頰を掠って壁に突き刺さった。突然の雷獣による攻撃に数秒の間思考が停止していた閻魔大王は我にかえると青ざめた。
「ちょっ、雷獣君?!いくらイラついたからって上司に万年筆投げる?!」
「すみません閻魔大王、手が滑りました。」
清々しいくらいの笑みを浮かべながら棒読みで謝罪をしている雷獣に閻魔大王は『このドS神獣怖いよ!!』と心の中でシャウトした。鬼灯に至っては何故か『素晴らしい。』と言いたげに拍手をしていた。
「ですが元はと言えば閻魔大王が書類そっちのけでスナック菓子貪り食べてたのが原因ですよね。私は万年筆へし折りそうになるのを耐えながら書類仕事してたというのに。」
冷ややかに言葉を並べ、その言葉を閻魔大王にぶつけ始める。閻魔大王はなんだか説教されている感じがして身動きせずに『はい…』と返事をしながら話を聞いていた。
「まったく……次やったら髭毟るぞ」
「もはやそれ脅迫だよね?!」
時折顔を出す脅迫じみた言葉にツッコミを入れながら。
その後、5分ほどこの会話は続いたという。
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