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Fate/magic girl-錬鉄の弓兵と魔法少女-

作者:セリカ
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無印編
  第二話 散策

 屋上からビルの中へと続く扉の鍵を解析し、十秒にも満たない速さで針金一本でピッキングを成功させ侵入。
 ビルの中の防犯センサーは天井や壁を蹴り、一切反応させず駆け抜ける。
 正面玄関の扉の鍵も再び解析し、ピッキング。
 外に出た後はちゃんと扉を閉めて、針金一本で鍵を閉める。
 ちなみにこの針金、投影品であるので使用後は消してしまえば証拠も残らない。

「完璧だな」

 侵入から脱出まで予定通りだ。
 遠坂に解析能力を伸ばす修行の一環として魔術的、科学的、あらゆる鍵やセキュリティシステムの解析を行ってきたかいがある。
 この程度のセキュリティなら朝飯前だ。
 そういえば、遠坂がどこからか銀行の見取り図らしきものを見ていた事があったな。
 まさかこの技能で銀行強盗でもして、宝石の資金を………

「……まさかな」

 嫌な感じがするのでこれ以上考えるのはやめておこう。
 とりあえずは街を散策してみるとするか。

 で散策を始めてすぐ少し後悔した。
 なぜなら

「さすがにこの格好はまずかったか?」

 周りの視線が痛い。
 靴もシャツもズボンもブカブカなので、ズボンは裾を捲りあげている。
 シャツとズボンは黒だから遠目には目立たないが乾いた血糊が付着しているのである。

 さらに死徒になった際に髪から色が抜け落ち白くなり、瞳は深紅になったのだが、それは幼児化した今も引き継がれている。
 この容姿に関してはイリヤが本当の兄妹(姉弟)のように見えると大層喜んでいた。
 そして、当然のことといえば当然なのだが
 そんな目立つ容姿をした子供がそんな恰好をして夜遅くに1人で歩いていれば注目を浴びる。
 
 まあ、その辺は諦めるとしよう。
 それに後悔と同時に驚いたことがある。
 街を見渡せば、見覚えのある字で書かれたコンビニや店の数々。
 単純に考えれば

「ここは日本か?」

 そんなことを思いつつ、街の中心部と思しき場所まで何とかたどり着いた。
 そこに近郊の案内図があったので見てみる。
 情報としてはこの街が『海鳴市』ということ。
 あとは近くに図書館があるので、そこでこの世界の情報を見る必要がある。
 それに海の方には海鳴臨海公園なる公園があるらしい。
 それも結構広い。
 とりあえず海鳴臨海公園と図書館の位置を覚え、海鳴臨海公園に向かう。
 しばらく歩いて海鳴臨海公園に到着した。

「予想通りだな」

 公園の周りには自然が残ってるし、大きい木もある。
 それに水道もある。
 とりあえずは大きい木に登る。
 そして自身の体重を支えきれる十分の太さを持つ枝に腰をおろし、背は幹に預ける。

「とりあえずこれで雨が降っても何とかなるか」

 一応周りを見渡し、警戒は最低限で瞳を閉じる。
 俺の並行世界での初めての夜は木の上での野宿となった。 
 

 
後書き
 続いて三話です。

 ではでは 
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