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『Mutiny』

作者:零那
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『伝えたい』



行き先どころか出所さえ解らない不様な僕を拾った貴方。
未だに答えが解らなくて不思議でならない貴方。

もしあのとき貴方に拾われてなければ僕はどうなってただろう。

五色台辺りの山に埋められてたかな?
瀬戸内の底で魚の餌になってたかな?
それとももっと残虐なことされながら死んでたかな?

貴方に拾われてなければ命は無かっただろう。
だから改めて貴方に心の底からありがとうと言いたくて...

だって命が無かったら今此処にこうして守りたいものが無かっただろうから...

だって命が無かったら大事にしたい誰かなんて存在しなかっただろうから...

だから、だからどうしても貴方に感謝したいのに...
どうして貴方が居ないの?
どうして貴方が存在しないの?

ねぇ、どうしても逢って感謝したいのに...どうして存在しないの?


 
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