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デジモンアドベンチャー Miracle Light

作者:setuna
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第80話:喫茶店・MITSUBACHI&BLACK DRAGON

ど う し て こ う な っ た ?

チャックモンの心情は正にこの一言に限る。

ブラックウォーグレイモンの修行に付き合ってしばらくしてブラックウォーグレイモンは溢れ出るパワーのコントロールが出来るようになり、デジタルワールドに悪影響を及ぼすことはなくなった。

そしてデジモン達も怯えずに済むようになったのだが、何故かブラックウォーグレイモンがこの店に馴染んでしまい、今では立派な従業員となっていた。

「ひぃいいいい!!お助けー!!」

1体のエテモンがボロボロになって店から叩き出された。

「消え失せろ、ガイアフォース!!」

逃げようとしたエテモンに向かって放たれたエネルギー弾が炸裂。

「あれええええええっ!!!」

放物線を描いて吹き飛んでいくエテモン。

「…………」

「よう、チャックモン。何だあれ?」

「ああ、大輔かい?僕もどうしてああなったのか分かんないよ」

途方に暮れたような表情で言うチャックモンに大輔達は哀れむように見つめた。

何でもあのエテモンは店内で暴れようとしたらしく、ブラックウォーグレイモンによって叩き出されたらしい。

「どうしてこんなことになったんだ?」

「ハニービーモンだよ。ハニービーモンがブラックウォーグレイモンに勝負挑んで勝っちゃって、修行つけてやったら何時の間にかこの店の従業員になっちゃったわけ。まあ、おかげでああいう暴力団関係のお客様は激減したけどね」

「そ、そうなんだ。確かにブラックウォーグレイモンは究極体だからそういうのに頼りになりそうだよね」

「まあ、力仕事とかそう言うのは本当に助かってるよ。」

「そうかそうか、おーいブラックウォーグレイモン。」

「む?お前は…」

「久しぶりだな、この店で働いてるんだって?」

「ああ、この店で働きつつ、修行をしている。今修行の成果を見せてやっても良いが、今は仕事中だ。食事をするなら早く座れ」

「おう!!お?新メニュー。珈琲パンケーキ?これにする!!」

「良いだろう」

ブラックウォーグレイモンがフライパンを持って厨房に立った。

「え?あいつが焼くの!?」

「おう!!意外と筋が良いぞ?何時か俺が引退したらあいつにこの店を託そうと思ってる」

「ちゃっかりブラックウォーグレイモンを自分の後継者にしようとしてるんだ…」

京がパンケーキを焼き始めたブラックウォーグレイモンに目を見開くが、師匠のハニービーモンが威張りながら言う。

タケルはハニービーモンのちゃっかりさに呆れた。

しばらくして珈琲パンケーキを焼き上がり、ブイモン達に差し出す。

「食べろ」

「では、早速…おお!?珈琲牛乳みたいで美味い!!」

「それブラックウォーグレイモンが考案したんだぜ」

「へえ、凄いじゃないかブラックウォーグレイモン」

「本当に美味しい!!また此処に来る楽しみが出来たわ」

ハニービーモンの言葉に大輔やヒカリも満足そうにパンケーキを食べる。

「ぷは~食べた食べた。それじゃあなブラックウォーグレイモン。達者で…」

「待て」

「ん?」

満足そうに去ろうとしたブイモンを呼び止めるブラックウォーグレイモン。

振り返るとブイモンも真面目な表情を浮かべた。

「もう一度俺と勝負しろ。俺がどれほど腕を上げたか見せてやる」

「へえ?面白そうだ。やってやろうじゃないか」

ブイモンも不敵な笑みを浮かべてブラックウォーグレイモンの挑戦を承諾した。

場所を移動して誰もいない荒野に移動した。

「いいかてめえら!!勝負は1対1の殺しは抜きだ!!どちらかが降参するか戦闘不能になったら負けだ!!」

ハニービーモンが勝負のルールを説明する。

ブイモンは既にデュナスモンに進化しており、ブラックウォーグレイモンの攻撃に備えていた。

「今度はどっちが勝つのかしら?」

「分かりませんね、今のブラックウォーグレイモンは相当強くなってますよ多分。あの時とはまるで別人だ」

京の疑問に賢が答える。

正直究極体同士の真剣勝負は滅多に見れるものではないので静かに見守る。

周りを見渡せばギャラリーも何体かいるようだ。

「…………来い!!」

「…………うおおおおお!!」

デュナスモンに向かって一直線に突撃するブラックウォーグレイモン。

まず繰り出すのはドラモンキラーの連撃。

「ふっ!はあっ!!」

デュナスモンはそれを捌きながら後退する。

こんな短期間でここまで実力を上げたブラックウォーグレイモンに感心しながら。

「ドラモンキラー!!」

「ふん!!」

右腕をオーラでコーティングしてドラモンキラーの爪を受け止める。

ブラックウォーグレイモンは力を緩めて跳躍し、急激な力の変動に前のめりになったデュナスモンにドラモンキラーを突き立てようとしたが、デュナスモンは飛翔してかわす。

即座にブラックウォーグレイモンもデュナスモンを追いかける。

「「はああああああ!!」」

デュナスモンとブラックウォーグレイモンは乱打戦に突入し、拳と蹴りを繰り出し合い、時折フェイントを混ぜて攻撃を叩き込んでいく両者。

「ぐおっ!?」

ブラックウォーグレイモンのドラモンキラーを防いだ瞬間、デュナスモンのがら空きになった腹部に蹴りが入る。

追撃が繰り出されるが、デュナスモンは距離を取ってかわし、エネルギー弾を作り出す。

ブラックウォーグレイモンもエネルギー弾を作り出す。

「ドラゴンズロア!!」

「ガイアフォース!!」

両者のエネルギー弾が激突し、大爆発が起こるが、両者は構わずにぶつかり合う。

「凄い、これが究極体同士の本気の戦いなんだ…」

伊織がデュナスモンとブラックウォーグレイモンの戦いに伊織は釘付けとなる。

「おりゃああああ!!」

「ぐあっ!!…まだだあ!!」

両者の戦いは終わりに近付いていた。

デュナスモンが殴ればブラックウォーグレイモンも殴り返す。

しかしデュナスモンに有効打を打てるドラモンキラーを失ったブラックウォーグレイモンには体力の消耗もあり、勝ち目が薄くなっていた。

「ブラックウォーグレイモン、お前は強かったぞ。俺が…」

「デュナスモン、X進化だ!!」

大輔のD-3からX抗体プログラムがデュナスモンに向かって放たれ、デュナスモンが姿を大きく変えた。

X進化により飛竜の能力が引き出され、強靭なパワーを得た禍々しい姿に変貌した。

「全ての力を使って叩き潰したいと思うくらいなあ!!掛かってこいブラックウォーグレイモン!!」

「…ガイア…フォース!!」

「ドラゴンズロア!!」

ブラックウォーグレイモンの放ったエネルギー弾とデュナスモンXのエネルギー弾がぶつかり、大爆発を起こす。

爆風で吹き飛ばされそうになるが、何とか堪えたブラックウォーグレイモンだが、爆煙を突き破ったデュナスモンXがブラックウォーグレイモンに突進した。

「うおおおおお!?」

「ドラゴンズガスト!!」

ブラックウォーグレイモンに角を突き立てて突進し、そのまま地面に向けて突撃する。

ブラックウォーグレイモンが地面に激突し、ここら一帯が大きく揺れた。

土煙が舞うが、それが晴れた時、立っていたのはデュナスモンXのみ。

ブラックウォーグレイモンは気絶しており、どちらが勝ったかなど一目瞭然であった。

「ここまでか…勝者デュナスモンX!!」

ハニービーモンの宣告に辺りから歓声が上がった。

大輔はデュナスモンXに歩み寄る。

「お疲れ、それにしてもやっぱり姿が滅茶苦茶変わるなデュナスモンのX進化は」

「まあ、そうだな。でもパワーは更に強化された。これで奇跡のデジメンタルがあればいいんだけどな…」

無い物ねだりしても仕方ないのだが、それでもそう思ってしまうのは許して欲しいものだ。

「…また負けてしまったか」

「ああ、でも見事な戦いぶりだったぜ。お前は全ての力を出し切った。何も恥じることはねえさ」

「ああ…まだまだ俺も未熟と言うことか」

「誰だって未熟者さ。いや、完璧な存在なんていねえ。だからこそデジモンや人間は努力して成長すんのさ。自分を完璧だと思い込んで何もしない奴はずっとそこで停滞しちまう。」

そこで満足したら全く進歩なんてしなくなる。

だからこそ前に進まなくてはならないのだ。

「さっさと怪我治せよ。お前にはまだまだ学んでもらいたいことが沢山あるんだからな」

「ああ」

「あいつは大丈夫そうだな。ハニービーモン達がいるから大丈夫そうだ、俺達は全てのダークタワーをぶっ壊すぞ!!」

【おー!!】

ブラックウォーグレイモンとハニービーモンの会話を聞きながら、大輔達はダークタワー破壊に更に力を注ぐのであった。 
 

 
後書き
デュナスモンが究極体の理由はX抗体があったりしたからだったりする。 
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