麗しのヴァンパイア
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第九十話
第九十話 読んでみたく思っても
華奈子は美奈子が先生から教えてもらったああ無情の本来の文章のことを聞いて美奈子にどういったものかという顔で言った。
「あたし今どうかって言ったけれど」
「読みたくないわよね」
「ええ、言った通りにね」
「じゃあ文章次第で」
「読みたいと思うかも知れないけれど」
それでもというのだ。
「漫画の絵も文章もね」
「どちらもよね」
「明るい感じが好きで」
「もう暗いと」
「それだけであまりってなるけれどお話自体は」
「そうなの、ピンチを助っ人や機転でここぞっていう時に乗り越えて恋愛も対決もあってね」
そうした展開が続く、デュマもそうであるがユゴーもピンチとそれを乗り越える展開が多いのだ。
「明るいのよ」
「美奈子が読んだ本だと」
「そうなの」
実際にというのだ。
「最後主人公死ぬけれど」
「それでもなのね」
「義理の娘さんだったヒロインと立派な青年を結ばせてだから」
「いい終わり方ね」
「それを見届けて死ぬから。あと主人公の宿敵の警部さんも」
この人物もというのだ。
「実は正義感があって勇敢な人なのよ」
「漫画にしたら面白そうね」
「お話自体は面白いわ。華奈子この前三銃士読んだでしょ」
「面白かったわ」
華奈子は美奈子に三銃士の感想を笑顔で答えた。
「痛快でね、三銃士格好良くてね」
「主人公のダルタニャンもよね」
「よかったわよ」
「その三銃士みたいにね」
「痛快な感じなの」
「色々とピンチがあっても乗り越える」
「今の小説みたいなのね、じゃあ文章が明るかったら」
華奈子は心から思って言った。
「あたしも読みたいわね」
「そうよね、私も子供向けの方は読んだしお勧め出来るけれど」
それでもというのだ。
「原作はね」
「そんな風だと」
「ちょっと読みたくないわね」
「美奈子も明るいの好き?」
「そうみたいね」
華奈子と同じくとだ、美奈子はくすりと笑って答えた。
「明るい作品でないと」
「読みたくないのね」
「そうみたい」
美奈子はここで自分の好みが何となくだがわかった、華奈子と同じく明るい感じが好きなのだとだ。この辺りは双子というところだろうか。
第九十話 完
2018・9・19
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