オズのエリカ
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第十二幕その三
「是非ね」
「それじゃあね」
「そう、ただ明日すぐに行くかというと」
「それはないのね」
「あの娘も戻って来るかも知れないし」
それでというのです。
「だからね」
「時間を置くのね」
「そうしましょう」
「そうね、じゃあ暫くはね」
「オズの国にいましょう」
「それじゃあね」
二人でお話してです、他の皆も頷いてでした。とりあえず皆はエメラルドの都で楽しく遊んで過ごしていました。
そして数日後です、エリカは気球でオズの国に戻ってきてそうして皆に対してこんなことを言いました。
「私の予想以上のことになったわ」
「それはいいことで?悪いことで?」
「いいことでよ」
こうアンに答えました。
「それでよ」
「そうなの」
「そう、国民がもう三千匹になったのよ」
「建国してから一週間位なのにね」
「十日で三千匹って思っていたわね」
「それがね」
エリカはアンににこにことして言います。
「一週間よ」
「そう、一週間でね」
まさにというのです。
「三千匹になったのよ」
「思ったより早いわね」
「そう、早くて」
それでというのです。
「嬉しいわ、これからも国民は増えていくでしょうけれど」
「まずはなのね」
「三千匹になって」
それでというのです。
「よかったわ」
「そうなのね」
「そう、そしてね」
それでというのです。
「私気が向いたから」
「またそう言うのね」
「今から暫く都にいてね」
「ここで過ごしたいのね」
「そしてね」
そのうえでというのです。
「今はゆっくりと寝るわ」
「寝るの」
「そう、そしてね」
そのうえでというのです。
「御飯も食べるわ」
「そうするの、ただお国のことは」
「あっ、もう留守番役の総理大臣決めたから」
「その猫がなの」
「そう、シャム猫でこれはっていう子がいるから」
それでというのです。
「その子を総理大臣にしたの」
「そうなのね」
「そう、それで私はね」
まさにというのです。
「ここに安心して戻ってきたのよ」
「そうなのね」
「そう、そしてね」
「お国は安心してやっていけるの」
「そうよ、まあ気が向いたら戻るし」
ここでも気が向いたらでした。
「今はこの都にいるわ」
「何でも気が向いたらなの」
「猫だからね」
言いつつです、エリカは右の後ろ足で自分の耳の後ろを掻きつつ言いました。その目はもう眠そうです。
「そうするのよ」
「貴女本当に何でも気が向いたらよね」
「そうよ、じゃあ今はね」
「寝るのね」
「ええ。その場所は」
エリカは今自分達がいる宮殿のお部屋の中を見回しました、それでお部屋の端のテーブルを見て言いました。
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