仮面ライダーディロード~MASKED RIDER DELOAD~
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序章~全ての始まり、守護者の刃~
最終章 決着編
第52話『復活のダークカオス』
これまでの、仮面ライダーディロードは─
己のパラレルワールドへ迷い込んだ雅達、チームディロード。かつてディケイドによって封印された羽入の鍵を握るミヤビとノゾミに雅は交渉を持ちかけるが失敗。雅は勝負を申し込むが、二人の連携を前に窮地に陥る。その時、フェイトの力を借りてワールドホープを発動。見事勝利を収める。そして、雅と梨花は二人のドライバーを手に取る─
雅がポケットから二枚のカードを取り出すと、カオスドのカードとダークスドライバーは藤色に、ダークスのカードとカオスドライバーは黒く光っていた。
「どうやら、互いに光っている方にカードを使えばいいようだ。」
雅はダークスドライバーを持つ梨花にカオスドのカードを渡す。
「始めよう。」
「…お願い羽入、戻って来て…」
雅と梨花はカードをスキャンする。
【FINAL KAMEN RIDE-DARKS-】
【FINAL KAMEN RIDE-CHAOSD-】
それぞれが持っていたドライバーは禍禍しい光を放ち宙に舞う。そして、ドライバーが合わさると、二つのドライバーはミヤビ達の所へ戻り、空から仮面ライダーダークカオスが現れる。
「羽入!?」
梨花は喜ぶ。しかし、
「待て、梨花。様子がおかしい。」
雅は様子をうかがう。すると、
「我はオヤシロサマ。古きより鬼ヶ淵を護りし者。我が手に戻れ、鬼狩流桜。」
ダークカオスが手を上げると、ロードスラスターが吸い寄せられる。
「危ない!ロードスラスター、モードアウト!」
雅はロードスラスターを分離させ、セイクリッドグリッターを手に取る。
「我が手で、民を護る。」
ダークカオスは雅に向かって刃を向ける。
「まさか、羽入の記憶が喪失しているとは。みんな、羽入にショックを与える方法を考えてくれ。僕の方で、羽入を抑え込む。セイクリッドグリッター、セットアップ!」
雅はセイクリッドグリッターを起動させてダークカオスに向かう。
「ショックを与えるなんて言われても…」
梨花は事情が掴めずに困惑している。
「カルテットバインド!」
「無駄だ。」
雅はカルテットバインドをかけるがダークカオスはその力で引き千切り、鬼狩流桜を振り下ろす。しかし、雅はプロテクションで攻撃を防ぎ、
「凪風流、桃擊!」
拳と膝蹴りの同時攻撃を放つが、ダークカオスは軽々と防ぎ、防御の手薄となった雅の腹部を殴り飛ばし、雅は地面に叩きつけられる。
「どうする、ミヤビ?」
「決まってんだろ。あいつをぶっ倒して、あのダークカオスってベルトを手に入れる!」
ミヤビとノゾミはドライバーを拾い上げて変身し、ダークカオスに奇襲攻撃を仕掛けようとするが、
「見えているぞ、外敵よ。」
ダークカオスは振り向きながら鬼狩流桜で横一閃に払い、ダークスを十文字に切り裂き、カオスドの腹部を蹴り飛ばし、二人の変身を解除させる。
「ミヤビさん!ノゾミさん!仕方がない。」
雅はディロードに変身する。
【ATTACK RIDE-BLAST-】
ディロードはブラストのアタックライドを使って攻撃を仕掛けるが、ダークカオスはその拳を受け止め、ディロードの腕をひねる。そして、
「終わりだ。」
ダークカオスはディロードの顔面を何度も殴り、ディロードのマスクは破壊される。
「雅さん、どうしてスターライトフォームに変身しないんだ?」
圭一が疑問に思っていると、
「ロードスラスターがないから、なのはの力が使えないの。」
フェイトが説明する。
「梨花、羽入さんの苦手なものは分かりますか?それがあればきっと羽入さんを正気にできますわ。」
「羽入の苦手なもの……わかった!取ってくるわ!」
沙都子に言われ、梨花は何かを思い出し宝物庫へ向かう。
「まだだ!まだ立ち上がれる!」
【CHANGE RIDE-RED CORE-】
「変身!」
雅はディロードライバーをレッドコアに変え、仮面ライダーZOに変身し、ダークカオスに向かってZOパンチを放つが、ダークカオスは避けて鬼狩流桜でZOを切り裂く。
「これならどうだ!」
【CHANGE RIDE-ANCK POINT-】
「変身!」
雅は更にアンクポイントを使ってアナザーアギトに変身する。
「凪風流、蒼角!」
アナザーアギトは飛び蹴りでダークカオスを攻撃する。
「ッグ!」
ダークカオスは怯み、体制を立て直す。すると、
「ングッ!」
ダークカオスは口を抑える。
「からい!からいのです!からいのです~!」
ダークカオスは地面に転がり回る。
「……そりゃあ辛いでしょうよ。私だって辛いもの。」
そこに顔を歪めた梨花が現れる。梨花の手にはあるビンが握られていた。そのビンには髑髏のマーク。所謂デスソースである。いくら辛党の梨花といえど、デスソースをそのまま飲むように口に含めば激痛が走る。梨花は自身がオヤシロサマの生まれ変わりで、神経がつながりあっていることを利用し、超甘党で刺激物が大の苦手である羽入の味覚神経にダメージを負わせることでダークカオスの正気を取り戻した。
「あぅ~……とても痛いのです………」
「羽入、少し大人しくしていなさい。雅、今のうちにダークカオスを。」
「ああ!」
アナザーアギトはポーズを取り、足に力を蓄えてジャンプする。
「アサルトキック!」
アナザーアギトの必殺のキックがダークカオスに見事命中し、羽入の変身は解除される。
「……雅、申し訳ありませんでした…梨花、とても痛いのです…」
「分かったわよ、後であんたの好物のシュークリーム食べてあげるわ。」
「本当ですか!ありがとうなのです~!」
羽入はすっかりいつもの調子を取り戻していた。
「よかった。これで一件落着だ。」
雅がぐったりとしながらも安堵する中、
「何が一件落着だ!?」
「私達をコケにしておいて!」
ミヤビ達は怒りを露わにしていた。
「それはただの言い掛かりです!」
怒るミヤビに雅は言う。しかし、
「ふざけるな!こうなれば力づくでその力を手に入れてやる!行くぞ、ノゾミ!」
「オッケー。ちょうど新しいカードも手に入ったし!」
ミヤビ達はカードを取り換え、ドライバーにスキャンする。
「「変身!」」
【FINAL KAMEN RIDE-DARKS-】
【FINAL KAMEN RIDE-CHAOSD-】
ミヤビは仮面ライダーダークス パーフェクトフォームに、ノゾミは仮面ライダーカオスド アルテマフォームに変身する。
「この力があれば、負ける気がしない!」
ダークスは羽入に飛び掛かる。
「させない!」
【ATTACK RIDE-BARRIER-】
それを雅はバリアで防ぎ、
「圭一、梨花、沙都子、羽入。今度はみんなの世界の希望を僕に託してほしい!」
雅は白紙のカードを渡す。
「オッケー。みんな、今度は俺達で、雅さんを助けようぜ!」
圭一は軽く言うが、
「でも、それってやっぱり雅に負担がかかるわ。」
梨花が反論する。なぜなら、雅の手にはレナや魅音達の他に鷹野や小此木、更には赤坂や入江の分まで握られていた。
「梨花、僕は大丈夫だ!今度こそ、みんなの世界を救いたいんだ!」
「……分かったわ。」
梨花は納得し、願いを込め、
「集え、世界の願い!」
【WORLD HOPE-HIGURASHI NO NAKU KORONi KAI-】
雅はワールドワープを完成させてスキャンする。すると、辺り一面が闇に包まれる。
「うわっ!なんだ!?」
場面は園崎家の一室。狂気する詩音を前に梨花はあろうことか、自身の頭部に包丁を何度も突き刺していた。
「これは!何なんだ!」
ダークス達が手を伸ばすと場面は変わり、前原家の圭一の部屋。正気を失った圭一が魅音とレナの頭部を金属バットで粉砕していた。
「止めろ!止めるんだ!」
ダークス達が再び手を伸ばすと場面は再び変わり、レナが父を欺した美人局を鉈で分解していた。
「止めろ!やめてくれ!」
ダークス達が後退ると、場面は再度変わり、鷹野が圭一達を撃ち殺していた。
「何なんだ。一体何なんだよ…」
ダークス達はいつの間にか変身を解除して、脅えていた。
「梨花達の世界、『ひぐらしのなく頃に』は互いに助けあい、手を取り合い、奪い合うこともなく、惨劇を回避し、敗者のいない世界を目指し、梨花が奔走した世界。幾多にも及ぶ誤解が悲劇を生み、いくつもの嘆きが惨劇を生んだ。だが、最後に異なる考え方を持つ者達が助け合い、手を取り合って、梨花達の故郷の崩壊を防ぎ、幸せと平穏を勝ち取った。」
場面は変わり、鷹野は逮捕され、圭一達は泥まみれになりながらも笑顔でハイタッチをしていた。
「……俺達が間違っていた。本当なら、雅達のお願いに協力するべきだったんだ。だけど、突然もう一人の俺だって言われて、訳解らなくて、信用出来なくて、雅の勝負を受けて、負けたのが悔しくて、でも逆恨みで攻撃していい理由にはならない!ごめんなさい!」
「いいんだ。」
ミヤビ達は謝罪し、雅が許したことで、ワールドホープの効果は終わる。
「みんな、ミヤビ達にも解ってもらえた。戦いは終わったから帰ろう。」
雅達チームディロードは宝物庫へ帰る。
「圭一達とフェイトの世界、二つの世界はワールドワープを発動したことで分離して、安定した。みんなの世界は救われ、安全に暮らしていける。だから、お別れだ。僕がワールドワープで、みんなを安全に元の世界に戻す。」
雅は現状を説明する。
「そんな、もうお別れなんですか!?」
「今更水くさいですわよ。」
「まだ、雅にきちんとお礼も言えていません。」
「…そう、雅とはもう会えないのね。」
圭一達は思い思いの言葉を口に出す。そんな中、
「雅は、本当にそれでいいの!?」
フェイトは雅に質問する。
「ああ。それが装填の守護者の役目だ。」
フェイトの質問に雅は答える。
「雅、寂しくないの?」
「大丈夫。僕が回る世界はあと一つ。これ以上みんなを巻き込みたくない。友達と別れるのは残念だけど…」
雅が話していると、
〝パチンッ!〟
フェイトが雅の頬を引っぱたいた。
「嘘ッ!そんなつらくて、寂しい目をして、苦しそうに言って、誰が信用出来るの!?つらかったら泣いてもいい、縋ってもいい。寂しかったら仲間を頼ってもいいんだよ!」
フェイトは雅を説得する。すると、
「……っぅう、ぅうわ~!フェイト、本当は、僕だって泣きたい!せっかく出来た友達と、離れ離れになりたくない!でも、装填の守護者で仮面ライダーだから、自分が救わないと、護らないといけない人たちに、泣きついて、縋って、頼るのはいけないから!ずっと我慢していた!だって、泣いたらきっと、僕は弱くなる。みんなに甘えてしまう!」
雅は泣きながら言う。
「いいんだよ泣いても、縋っても、頼っても。仮面ライダーだって、人間なんだから。」
「いいの?まだみんなと一緒にいて、大ショッカーを倒すまで、友達でいても?」
「いいんだよ、雅。解るんだ、きっと、大ショッカーを倒さないと、私達の世界は完全に元に戻らない。だから、みんなで一緒に大ショッカーと戦おう?」
「ぅぅ、フェイトぉ~!」
雅は立て膝をついてフェイトに抱きつき、フェイトは雅の背中を摩って苦しくないようにしていた。
to be continued.
次回、仮面ライダーディロード
雅達が向かう最後の世界。その世界の正体は─
次回、『衝撃!?もう一人の魔法少女と謎の少年なの』希望を紡いで、全てを救え
後書き
新カード紹介
仮面ライダーダークス パーフェクトフォーム:ダークカオスの復活に必要なカード。ダークスドライバーに使うとダークスをパーフェクトフォームに変身させる。
仮面ライダーカオスド アルテマフォーム:ダークカオスの復活に必要なカード。カオスドライバーに使うと、カオスドをアルテマフォームに変身させる。
レッドコア:ディロードライバーをレッドコアに変え、仮面ライダーZOに変身させる。
アンクポイント:ディロードライバーをアンクポイントに変え、アナザーアギトに変身させる。
ひぐらしのなく頃に 解(ワールドホープ):梨花達の世界のワールドホープ。惨劇の中で人を説得させる力を持つ
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