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おぢばにおかえり

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第四十七話 合格発表その十八

「それは」
「ないですか」
「そうよ、ないわよ」
 また阿波野君に言いました。
「全く、折角合格してお花も貰ったのに」
「そのお花今から詰所に持っていきましょう」
「ええ、それはね」
 このことは私も異論はありませんでした、それで同じ寮の娘達に言いました。
「ちょっと詰所行って来るから」
「また寮でね」
「待ってるわね」
「じゃあ先輩、今からですね」
 寮生の娘達が孵った後ですぐに声をかけてきた阿波野君でした。
「詰所にですね」
「ええ、行きましょう」
「お花のことをお願いしに」
「合格の報告もね」
 このことも忘れていませんでした。
「しないといけないから」
「そうですよね、じゃあ」
「行きましょう、ただね」
 このことは言わずにいられませんでした。
「ここでも阿波野君が一緒なのね」
「駄目ですか?」
「何でいるのって感じだし」
 三年生の校舎だというのにです。
「それでまた一緒だし」
「駆け付けてきてよかったです」
「よくないわよ、けれどね」
「はい、今からですね」
「詰所にね」 
 二人で詰所に向かいました、阿波野君と二人で行きますが花束は私の手の中にあるままでした。


第四十七話   完


                  2017・11・19 
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