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デジモンアドベンチャー Miracle Light

作者:setuna
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第57話:新しい仲間

デジタルワールドから現実世界に帰ってきた大輔達を見て伊織と光子郎が歩み寄ると、そちらに振り返る大輔達。

足元の京が呻くが構わず。

「皆さん、無事で何よりです。デジタルワールドはどうでしたか?」

「俺達が知らないうちにとんでもない奴が現れていたよ」

「まさかデジタルワールドにまた新たな敵が?」

伊織の問いに大輔が答えると光子郎が渋い表情を浮かべる。

「ああ、デジモンカイザーって奴だ。人間がデジモン狩りだなんて思い上がりもいいとこだぜ」

太一が吐き捨てるように言うと伊織は自分のD-3を見つめると、意を決したように口を開いた。

「あの、僕も次にデジタルワールドに行く時、連れて行ってもらえませんか?」

【え?】

「僕のデジヴァイスが大輔さん達と同じタイプなのはきっと理由があるはずなんです。僕はそれが知りたい。それに僕もデジタルワールドに行ってみたいんです。」

「…伊織」

「伊織君…」

「迷惑は絶対にかけません。だから僕も連れて行って下さい!!」

決意を秘めた目を大輔達は眩しそうに見つめる。

「決意は固そうだな。よし、連れて行ってやるよ。」

「ありがとうございます!!」

「ただし、俺達と離れるなよ?」

「はい!!」

「あ…んた…達…早く退いて…」

【あ、ごめん】

虫の息の京の声を聞いてすぐに退く大輔達。

そしてすぐに立ち上がり、自分のD-3を翳す京。

「私もデジタルワールドに行きたい!!伊織がOKなんだし私も当然OKよね!?」

【……………】

京の問いに答えるどころか顔を逸らす一同。

「……何よ?何で返事してくれないのよ?」

「なあ、京。デジタルワールドは興味本位で行くような場所じゃねえぞ」

「京さん、今のデジタルワールドは危険な場所なんですよ」

「あー、京ちゃんだったよな?正直あんまりお勧め出来ねえぞ?今のデジタルワールドに行くの」

大輔、ヒカリ、太一が京にデジタルワールドに行くのを止めようとするが。

「何で伊織はOKで私は駄目なんですか、伊織だけずるい!!私もデジタルワールドに行きたい!!」

「伊織君はちゃんとデジモンの知識があるから連れて行っても問題ないんだけど…」

伊織はデジモンが身近にいるような環境にいたからデジモンに対しての知識はそれなりにあるからパートナーデジモンが見つかるまで自分達から離れないという条件付きで連れて行くことにしたのだが、京はそうではない。

「お願い、迷惑は絶対にかけないから私もデジタルワールドに連れて行って!!」

「全く…仕方ねえなもう…」

「大丈夫だよ、デジタルワールドでもみんなでフォローすればきっと大丈夫さ」

「お前、京に甘くないか賢?」

「え?そんなことないと思うけど…」

「賢君はあんたと違って紳士…げぼおっ!?」

「だ・ま・れ!!」

減らず口を叩く京の額にチョップを叩き込む大輔。

取り敢えず翌日に京と伊織をデジタルワールドに連れて行くことに。

そして解散し、大輔達はミミを除いた面子を集めた。

「デジモンカイザー…ね」

「その子私達と同い年なんでしょ?中学生なのに世界征服ごっこなんかして何が楽しいのかしら?」

ヤマトと空は微妙な表情を浮かべていた。

それはそうだろう、自分と同い年くらいの子供がデジタルワールドを征服しようとしているのだから。

「正直、小学生ならまだ理解出来るけど中学生だよねデジモンカイザー?今?」

「あれでしょう?えーっと中二病でしたっけ?」

「大輔君、タケル君?中二病って何?」

丈と光子郎の会話を聞いて中二病のことを知らないヒカリが尋ねる。

「んー、そうだねえ…急に悪ぶったり、背伸びしたりとかする奴?」

「自分には特別な力があると勘違いする奴」

「ピッタリ!!ねえ、賢君…賢君?」

パソコンで調べていた賢に振り返ると、賢は微妙な表情を浮かべていた。

「どうしたんですか?」

「気分が悪くなったのか?」

「…デジモンカイザーの正体…分かっちゃったかもしれません…」

芽心と太一が微妙な表情を浮かべている賢の心配をするが、構わず口を開いた。

「え!?マジか!?その中二病野郎の正体は?」

「僕の兄さんです」

【…………え?何だって?】

「悪い、賢。デジモンカイザーの正体は何だって?」

「だから僕の兄さんです」

一瞬聞き間違いかと思って太一は聞き直したが、やっぱり答えは変わらない。

「…確かかそれ?」

「はい、2年前に行方不明、そして2年経過で太一さん達と同い年になる人は兄さんしかいませんでした。」

「探し忘れじゃないか?」

「残念ですが、探し忘れ無し。ほぼ高確率で僕の兄さんがデジモンカイザーです」

「……ええ?」

「その、元気出せ賢。兄貴の方がアレでも弟のお前はしっかりした常識人なんだってくらい、俺達も分かっているから」

タケルが微妙な表情を浮かべ、ヤマトは同情して賢の肩を優しく叩いた。

「ありがとうございます。やれやれ、しばらく行方不明になっていたかと思えば世界征服ごっことは。どうやら兄さんは病院に送り込まないといけないようだ」

「病院で治るのかよ中二病が?」

「少なくても兄さんは精神カウンセリングくらいはしないといけないでしょうね」

「そうか、きっとお前の兄貴は頭の病気になっちまったんだ。気にすんなよ賢、生きてりゃ色々あるさ、なあみんな?」

【うん】

「ありがとうございます」

太一達の優しさに頭を下げながら胸中ではあの馬鹿どうしてくれようかとお仕置きメニューを頭で組み立てていた。 
 

 
後書き
小学生と中学生の違い、因みに治カイザーの服装はtriのカイザー服装です。  
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