デジモンアドベンチャー Miracle Light
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第54話:最強のセーブデータが唐突にデリートした時の脱力感は異常
前書き
最新型のデジヴァイスを手に入れる大輔達だが、それには重大なデメリットが存在していた。
突如、ゲンナイに呼ばれてゲンナイ邸で寛いでいる大輔達。
「なあ、俺達をデジタルワールドに呼んだ理由は何だろうな?」
「さあ…?私はゲンナイさんについてはのほほんとしたお爺さん位にしか見えませんでしたし…寧ろゲンナイさんのことは太一さん達の方が知ってるんじゃ…」
確かに太一達よりも付き合いが短い自分よりも太一達の方がゲンナイと言う人物のことを知っているだろう。
「うーん…何か妙な予感がするぜ」
「妙…な?嫌なじゃなくて…?」
「ああ、俺に降り懸かりそうな物じゃねえ感じはするけどな…正直あの爺さんのことだからあんまり良いことは起きねえ気がする。」
「はあ…?」
太一の言葉に芽心は首を傾げて疑問符を浮かべるしかなかった。
「待たせたのう。」
【ゲンナイさん】
「今回は何のために呼んだんだよ爺さん」
太一が単刀直入に尋ねるとゲンナイがある装置を取り出した。
「うむ、大輔、賢、ヒカリ、タケルの4人に新しいデジヴァイスを授けようと思ってな」
【デジヴァイス!?】
全員が新しいデジヴァイスが与えられることに驚愕してゲンナイを見つめる。
しかし何故大輔達のみに?
「これから比較的自由に動けるようになるのは大輔達じゃからのう。お主達は中学生になり、今までのように自由に動けなくなるじゃろう?」
それを言われて太一達は顔を顰めた。
ゲンナイの言葉は紛れもなく事実である。
中学に進学した太一達や、お台場小学校の卒業を控えた光子郎は今までのように自由な時間がかなり減っている。
「じゃから大輔達に新しいデジヴァイスを渡しておこうと思ってな。このデジヴァイスは今までのデジヴァイスとは違い、自由にデジタルワールドを行き来出来るようになるため、今まで以上の迅速な行動が可能になる。」
今まではデジタルワールドのゲートが開いている時にしかデジタルワールドに行くことは出来なかったが、そのデジヴァイスさえあれば自由に行き来出来るようになる。
「では大輔達のデジヴァイスを」
「はい」
大輔達がデジヴァイスを差し出すと、ゲンナイは装置を弄ると装置が光を放つ。
光がデジヴァイスに吸い込まれるとデジヴァイスは最新型デジヴァイス・D-3へと姿を変えた。
「これで何時でも現実世界とデジタルワールドの行き来が出来るようになったんだね」
「あ、すまん。言い忘れとった。デジヴァイスのプログラム新たに書き換えたことでデジヴァイスに保存されとったお主らのデータも初期化されたからお主らの身体能力データも初期化されたからのう」
「え?何だって?」
「「「は?」」」
ヒカリがピンクと白を基調にした最新型デジヴァイス・D-3を見つめて呟いた時、爆弾がゲンナイから投下された。
ブイモン、パタモン、テイルモン、ワームモンも一瞬ゲンナイの言葉が理解出来なかったのだろう。
疑問符を浮かべている。
「じゃから、デジヴァイスの最新化に伴い、お主らの身体能力データが初期化された」
「…ゲンナイの爺さん。返品していいかこれ?」
「駄目じゃ」
それを聞いた大輔達がD-3を即座に返却しようとするが、ゲンナイに却下された。
「おいこら待て爺さん?紋章に関してはまあ、分かる。何だかんだでデジタルワールドのために必要なことだしな。でもブイモン達の身体能力データまで初期化する馬鹿がどこにいる!?ふざけんな!!ナンバリングを越えるごとにステータスが初期になるゲームじゃないんだぞ!?」
「そんなこと言われてもわしにはどうすることも出来んし…」
「おい!?」
ゲンナイの発言にキレかける大輔だが、ヒカリに服の裾を引っ張られる。
「大輔君大輔君」
「ん!?何だヒカリちゃん?」
「ブイモン達が真っ白になってる」
「え?…あああああ!?」
ヒカリが指差す方を見遣ると体全体の色素が抜け落ち、真っ白となっているブイモン達の姿があった。
「「「「真っ白に…燃え尽きた…」」」」
「あーっはっはっはっは!!これでもうお前達にデカい態度が取れなくなっ…へぶう!?」
ゴマモンが大爆笑しているが起き上がったブイモンとテイルモンのダブルキックで吹き飛ぶ。
「何勘違いしてんのかしらゴマアザラシ?」
「身体能力初期化されても俺はお前くらい軽くぶちのめせるわ!!」
八つ当たりの意味も込めてゴマモンをボコボコするブイモンとテイルモンでした。
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