オズのエリカ
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第十幕その十一
アンは少し考えてからエリカに答えました。
「そうしてね」
「そのうえでなの」
「ええ、この国を見て回るわ」
そうするというのです。
「これからね」
「じゃあそうしてね」
「じっくりと見て回って」
そうしてというのです。
「そのうえでね」
「楽しむのね」
「猫の国がどういった国か見させてもらうわ」
「まだ出来たばかりだけれどね」
「それでも見させてもらうわ」
アンはエリカに答えました。
「これからね」
「そうなのね、じゃあね」
「ええ、今から皆で見て回るわ」
「それで何処で寝るのかしら」
エリカはアンにこのことも尋ねました。
「王宮でかしら」
「ううん、全部猫のサイズでしょ」
「猫の宮殿だからね」
「だったらね」
それならというのです。
「人間には合わないから」
「止めるのね」
「国の外でテントを出して」
そしてとです、アンはエリカに言いました。
「休むわ」
「そうするのね」
「だってここのベッドもね」
「ええ、私が出したのはね」
王宮の中にあるそれはといいますと。
「やっぱりね」
「猫用よね」
「その大きさよ」
「だったらね」
「いや、ちょっと待って」
アンがまた言おうとしたところでエリカが逆に言いました。
「私が出すわ」
「出すの」
「ええ、人間用の客室と寝室もね」
「そうしてくれるの」
「ここには人が来ることも多いわね」
アンとのお話でこのことに気付いたからです。
「だったらね」
「人用の客室や寝室もなのね」
「用意するわ、こうしてね」
ステッキを一振りしました、そのうえでまたアンに言いました。
「三十人分位用意したわ」
「それじゃあね」
「ええ、皆そこで休んで。完全に人用のフロアを用意したから」
それでというのです。
「そうしたから」
「人間用の?」
「そう、宮殿の地下にね」
「そうしてくれたの」
「地下でもいいかしら」
「ええ、私としてはね」
特にと答えたアンでした。
「宮殿なら」
「ちゃんと内装も考えてあるから安心してね」
「それで人は地下になのね」
「宮殿に来た時はいてもらうわね」
こう言ってでした、アン達をその宮殿の地下にも案内するのでした。
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