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おぢばにおかえり

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第四十七話 合格発表その十三

「お祝いです」
「えっ、花束って」
「実は用意していたんですよ」
「ここまで持って来たの?」
「先輩が合格した時にって思っていまして」
 それでというのです。
「商店街で買っていたんですよ」
「それで持って来てくれたの」
「そうです、受け取ってくれまう?」
「有り難う」
 私は阿波野君に微笑んで応えてでした。
 その花束を受け取りました、そのうえで阿波野君にまた言いました。
「あの、若し落ちてたらどうしてたの?」
「その時はその時で」
「私にこの花束くれたの」
「元気出して下さい、ですかね」
 私が落ちた時はというのです。
「そうなるでしょうか」
「それでも渡してくれたの」
「そのことは変らなかったです」
「そうなのね」
「次頑張って下さいってなってましたね」
 私が落ちていた場合はというのです。
「けれど合格されたんで」
「合格祝いになるのね」
「本当におめでとうございます」
 私ににこりと笑って言ってくれました。
「大学でも頑張って下さいね」
「本当に有難う。ただね」
「ただ?」
「お正月のおせちひのきしんもあるし」
 天理高校だけでなくおぢばの学校全体で参加させてもらいます、一月五日から三日間の間のことです。
「その前におさづけのお話もね」
「十回のそれですね」
「聞かせて頂いて」
「そうしてですね」
「おせちひのきしんの最後の日にね」
 つまり三日目にです。 
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