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オズのエリカ

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第十幕その四

「空の旅で気楽にね」
「行き来したいのね」
「ええ、そうしたいから」
 だからだというのです。
「それでお願いするわ」
「わかったわ、じゃあ気球の行き先はビリーナが鶏の国とこの都に行き来に限定しているみたいに」
「この都と私の国の行き来だけになの」
「限定しておくわね」
「ええ、他の空の旅は他の気球や飛行船で行くし」
 それでというのです。
「それでいいわ」
「気球で他の場所に行ったりもするから」
「今は空の結界も張っていてオズの国はお空からも出入り出来ないけれど」
 それでもというのです。
「他の場所に行ったら迷うし」
「それじゃあね」
「ええ、ルートは決めておくわね」
「そちらもお願いね」
「さて、後はね」
 さらに言うオズマでした。
「十日位なの」
「そうよ、放送してくれたら」
「それでいいのね」
「これで充分な宣伝よ」 
 エリカはオズマに言い切りました。
「もうどんどん国民が来てくれるわ、それにね」
「それに?」
「後は国の評判が立てば」
 それでというのです。
「それも宣伝になって」
「猫が集まるのね」
「そうなるから」
 それでというのです。
「もう何の心配もいらないわ」
「随分ラフな宣伝ね」
「そう?私はかなり効果的で周到なね」
「宣伝だと思ってるの」
「そうよ、十日宣伝してね」
「後は国の評判が立つと」
「それが最高の宣伝になるわよ」
 まさにそれこそがとです、オズマに言うエリカでした。
「これが私の考えている宣伝なの」
「そうだったの」
「ええ、絶対に素敵な国になるからね」
「そう言うのはあれよね」
 ここでまたドロシーがエリカに言いました。
「貴女が言っているからよね」
「そうよ、私が言っているから」
 それ故にというのです。
「間違いないわよ」
「ううん、私は貴女程楽観的じゃないから」
「貴女自分で楽観的って言ってたじゃない」
「それでも貴女よりはよ」
 まだというのです。
「楽観的じゃないわ」
「そうなの」
「そうよ、貴女は本当に楽観的過ぎるっていうか」
「何があっても何とでもなるわよ」
「そう考えているから」
「オズの国一番の冒険家のあんたに言われるなんてね」
 エリカとしてはでした、ドロシーはその冒険の中で数多くのピンチを乗り越えてきています。それで何があっても大丈夫だとは思っています。
 ですがそのドロシーでもです、エリカよりはというのです。
「心外と言えば心外ね」
「だから貴女のその楽韓はね」
「あんた以上だっていうのね」
「幾ら何でも凄過ぎるわ」
 こうも言うのでした。
「本当に大丈夫かしらって思うわ」
「だからそれがね」
「心配性なの」
「私は何時でも平気で進んでいるじゃない」
「私と一緒に冒険に出ている時も」
「そうよ、そもそもあんたが思うピンチもね」
 ドロシーが思うそれもというのです。 
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