オズのエリカ
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第九幕その七
朝御飯の中華粥を食べつつです、こう言ったのでした。
「さて、今日よね」
「うん、グリンダが来てね」
「そうしてだよ」
「国を建ててくれるのね」
かかしと樵に応えます。
「そうしてくれるのね」
「そうだよ、君の考えた国をね」
「実際に生み出してくれるよ」
「楽しみね、じゃあその国にね」
まさにというのでした。
「私が最初に入るわ」
「そしてだね」
「その国の女王となるんだね」
「猫の国のね」
まさにその国のというのです。
「なるわ、その時が楽しみよ」
「何かお話がとんとん拍子に進んでいるね」
「そうだよね」
臆病ライオンと腹ペコタイガーはお粥を食べつつ顔を見合わせました、かかしと樵以外は皆楽しく食べています。
「物凄い勢いでね」
「そうなってるね」
「それは私の思考と決断が速いからよ」
エリカは二匹のオズの国を代表する獣達にも胸を張って答えました。
「だからよ」
「エリカは迷わないから」
「だからだっていうんだね」
「そうよ、私だからこそね」
まさにというのです。
「こうしてさくさくと進んでいくのよ」
「それでグリンダさんが来たら」
「その時は」
「そうよ、建国よ」
実際にそれになるというのです。
「楽しみだわ」
「何かね」
ここでカルロスが言いました。
「ここまで順調だと怖いね」
「そうよね、好事魔多しっていうし」
恵梨香はカルロスのその言葉に頷きました。
「何もなくここまで進むって」
「怖いわね」
ナターシャはこう考えました。
「どうにも」
「これから何か凄いことが起こるとか」
オズの国の冒険でもよくあることです、それで神宝も思うのでした。
「そんな気もするね」
「今回はグリンダさんの宮殿に行くまで結構色々見てきたけれど」
ジョージも言いました。
「建国してからもあるんじゃないかな」
「あってもね」
それでもと言ったエリカでした、五人の子供達にも。
「私がいたらね」
「難を逃れられるんだ」
「そもそも私がすぐに考えて決めているからここまで順調じゃない」
「じゃあエリカじゃなかったら」
「そうよ、それはね」
本当にというのです。
「順調にはいかなかったわ」
「そうなんだね」
「そうよ、今回は私じゃなかったら」
「こんな順調にはいかないんだ」
「もっと何かあるわよ」
「そうなのかな」
「私が言ってることだから問題ないわよ」
根拠なく言うのでした。
「安心しなさい」
「そう言うけれど今回の冒険は」
アンは中華スプーンでお粥を食べつつエリカに言いました、お粥の中には細かく刻んだザーサイがあります。
「貴女が言いだしてからはじまったし」
「それがどうしたの?」
「どうしたも何もね」
「私が言って素敵な冒険がはじまったからいいでしょ」
「何でそう自分に好意的に考えられるのよ」
「それが猫であり私でしょ」
エリカはそのアンに平然と返します。
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