オズのエリカ
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第九幕その一
第九幕 建国したけれど
エリカはティ―タイムの後で早速アンに今自分達がいる辺りの地図を出してもらいました、そしてです。
そこに自分の右の前足でさっと街の場所を区割りを描いてしまいました。城塞都市の中にお家やお店、王宮の場所や大きさまで書かれています。
その細かい、道の大きさまで書いてあるそれにアンは驚きました。
「もうそこまでなの」
「考えていたの」
「これはあれだね」
かかしは国の区割りを見て言いました。
「エメラルドの都だね」
「あの都を参考にしているわ」
エリカもかかしに答えます。
「実際にね、ただね」
「うん、猫の国だからね」
「大きさは猫に合わせているの」
そこもしっかりしているエリカでした。
「思い付いてからずっと考えていてね」
「それで決めたんだね」
「そうよ、やっぱり全部すぐだったけれどね」
区割りやお家の大きさもというのです。
「考えて決めたのよ」
「そうなんだね」
「それでなの」
エリカはさらに言います。
「こうしたものにしたけれど」
「いいね、近くに湖や森もあるし」
「お水や建物に困らない様にしたの」
「そして食べものにもだね」
「そうよ、湖のお魚も獲れるし」
このことにも言うのでした。
「キャットフード畑も作られるし」
「湖のお水でね」
「これで万全よ、暮らせるわ」
こうかかしに言うのでした。
「無事にね」
「うん、よく出来ているよ」
ウィンキーの皇帝として政治にあたっているブリキの樵もエリカが描いた国の区割りを見て言うのでした。
「この国ならね」
「皆楽しく暮らせるでしょ」
「猫の皆もね、それで王宮にだね」
「私が暮らすのよ、私が住んで」
そしてというのです。
「エメラルドの都にも住むし」
「この王宮にもだね」
「住むの。二つの国を行き来するわ」
「ビリーナみたいに暮らすんだね」
「そうよ、ちなみにビリーナのお国も参考にしているわ」
国の区割りについてはというのです。
「それで考えたのよ」
「成程ね」
「じゃあこれで建国して問題ないわね」
「いいと思うよ」
まずは樵が答えました。
「僕はこれでね」
「うん、これなら問題はないよ」
かかしも太鼓判を押します。
「これはいい国になるよ」
「まさかここまでのものを考えているなんて」
アンはかえって驚いています。
「エリカもやるわね」
「その言葉賛成って思っていいわね」
「賛成よ、これでいいと思うわ」
「僕も反論はないよ」
「僕もだよ」
臆病ライオンも腹ペコタイガーもでした。
「これだけの国ならね」
「出来てすぐにやっていけるよ」
「それであんた達は?」
エリカは五人にも尋ねました。
「どうなの?」
「僕達はまあね」
「国のことはわからないから」
「それも全然ね」
「どうとも言えないわ」
「そうよね」
五人はお顔を見合わせてこう言うだけでした。
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