アッシュ・レイニーの非日常
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第14話 アッシュと阿笠の交渉
『こんにちは。いつもの届けに参りました』
「おぉ、この備品がほしかったんじゃよ」
ルンルン気分で奥に行く阿笠をじと目で見ていると視線に気づき顔を前に戻した。
『君はこの前あった・・・』
「江戸川コナンだよお兄さん!!」
『この前は自己紹介をしてなかったから、改めておれはアッシュ・レイニー。気軽にアッシュとでも呼んでくれ』
「アッシュさんってフィオーレでも強いんでしょ!!」
『よく知ってるな。小さいのに』
アッシュの目がわずかに細められた。観察されているかのように
「(やべっすきがねぇ)」
「アッシュ君にお願いがあるんじゃが、コナン君は訳あって子供の体に縮んでしまったんじゃ。」
「ちょっと、阿笠博士!?」
いきなり自分の正体をばらされたコナンはぎょっとする
「どうせばれるんだからいいじゃろ?」
「いいって言ったって・・・・」
コナンはがっくり肩を落とす。今更もう遅い。すでに言い切ってしまった。そして、相手は一言を見逃してくれるほどやさしい人間ではないことも承知済みだ。
『・・・・・・とりあえず座りましょうか。話は長くなりそうですし』
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『なるほど・・・・確かに厄介な事件に巻き込まれたな。で、俺に何かしてほしいことでも?』
「コナンを見守っていてほしいんじゃ。そして、手助けをしてほしい」
『・・・・・・それは依頼ですか?』
「(っ!?空気が変わった!)」
今まで、世間話の様な雰囲気が一瞬でがらりと変わり緊張感が漂う。
「いや、依頼ではないな。個人的な頼みに近い。この頼みは先が見えない。決着が着くのは一か月後か半年後か、一年後か・・・・・依頼として出すとお前さんを縛ってしまう。それにそれだけかかればクエストの階級だって上がるし、報酬もその分跳ね上がる。残念だがわしにはそんなにだせん」
『どっちかって言うとそっちが本音ですよね』
アッシュは苦笑いで突っ込む。
『確かに、すでに話だけ聞けばクエスト事態S級、否SS級レベルだな。』
「あぁ、もちろん頭の隅に置いといてくれるだけで構わない。アッシュ君は世界的に有名な魔導士じゃ。もちろん指名でクエストが入ることもあるんじゃろ?」
『そうだな、まぁ忙しいことに変わりないがわかった。気に掛けることしかできないが』
「すまない。頼んだよ」
とんとん拍子で話が進んだことにコナンは唖然とする。
『ということでこれからよろしく』
「お願いします。俺の本当の名は・・・・」
『それは聞かないでおく。変な先入観を持たない方がうまくいくからな』
「了解。わかったよ」
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