オズのエリカ
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第八幕その九
「そうしてね」
「その時になの」
「ええ、そうしてくれるかしら」
「本当に寝る時は寝るわね」
「私の生きがいだからよ」
寝ること、それ自体がというのです。
「だからよ」
「たっぷりと寝るのね」
「そうしてね」
そのうえでというのです。
「また起きてね」
「そうしてなのね」
「かかしさん達が来たら」
「いよいよ建国ね」
「そうするわよ、ただもう私の頭の中にね」
「貴女の?」
「国は出来上がっているわ」
こうアンに言うのでした。
「既にね」
「もうなの」
「そう、もうよ」
今の時点でというのです。
「出来上がっているわ」
「早いわね」
「どういった国の形にして何を何処に置くか」
「全部なの」
「もう決まってるの」
「何時の間に決めたのよ」
「決まってるじゃない、寝ている時に決まったのよ」
その時にというのです。
「寝ていてね」
「寝ている時に決まるって」
「夢を見たのよ」
「夢っていうと」
「そう、私夢の中で女王になっていたの」
猫の国の、です。言うまでもなく。
「そうしてもう何処に何があるかそしてどんな国の形にするか」
「決まっていたのね」
「後はね」
まさにというのです。
「その国を造り上げるだけよ」
「ううん、何か貴女だけでどんどん進んでいくわね」
アンはエリカの言葉に腕を組みどういったものかというお顔で述べました、もう皆食べ終わっていてアンもテーブル掛けは畳んで皆と一緒に憩いの一時を過ごしています。
「決まっていって」
「だって私が女王になる国だから」
「それでなの」
「そう、頭の中でね」
「決まっていっているのね」
「何もかもがね」
アンに毛づくろいを終えて右の前足を差し出しつつ言いました。
「そうなっていっているのよ」
「その決断の速さで」
「あと思考も速いでしょ」
「そちらも速いわね」
「もう一瞬でね」
それこそ瞬きする間にです、エリカは考えてしまいます。人間も速いですが猫も速くエリカも然りなのです。
「考えてね」
「決めるのね」
「人間も猫も考えるのは一瞬だけれど」
「貴女もってことね」
「そして私は決めるのも一瞬でしょ」
「迷ったことはないわよね」
「そうなった覚えはないわね」
胸を張って言うエリカでした。
「本当にね」
「そうよね」
「しかも決めたら動くから」
その次の瞬間にはです。
「余計に早いのよ」
「だから今にしても」
「そう、どんどん進んでいくのよ」
「そうなっていっているのね」
「じゃあかかしさんと樵さんが来たらね」
またこう言うエリカでした。
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