転生とらぶる
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機動戦士ガンダム
2219話
研究所の前で睨み合いが続く中、やがて研究所の中から人の集団が姿を現す。
その集団の中から、数人がこっちを見つけたのだろう。真っ直ぐこっちに向かって走ってくる。
「クスコお姉ちゃーん! マリオンお姉ちゃーん!」
そう、こっちに向かって走って来た子供達は、俺が見つけてシーマが寄越した海兵隊に預けた被検者達だった。
影のゲートで転移した俺の方が、子供達よりも早く外に出られたのだろう。
……何気に、子供達の何人かが海兵隊達にしがみついているのを見て、少しだけ意外に思う。
最初に見た時は、その強面ぶりから怖がられていた筈が……こうして外に出ると子供達に懐かれているというのは、正直なところ研究所の中を移動中に何があったのか、非常に気になる。
まぁ、ニュータイプの素質ありと判断された子供達に懐かれているという事は、外見とは違って中身は良い奴って事なんだろう。
ともあれ、俺の近くで気絶したマリオンを守るように抱きつつ、周囲の様子を窺っていたクスコは、自分の方に向かって駆け寄ってくる子供達の姿を見て驚き、やがて嬉しそうに笑みを浮かべて口を開く。
「貴方達、無事だったのね!」
嬉しそうに叫ぶその様子は、俺に見せていた気の強さは何だったのかと言いたくなる程だ。
いやまぁ、初めて会った……それも魔法使いの俺に対して、いきなり気を許せという方が難しい話なんだろうけど。
「ん……うん……」
クスコの嬉しそうな声が影響しているのか、それともニュータイプの力でクスコの嬉しさを感じたのかは分からないが、クスコに抱かれていたマリオンが小さな呻き声を上げながら目を開ける。
最初自分がどこにいるのか分からない様子ではあったが、自分を抱いているのかクスコであると知り、ここが研究所の外であると知ると、怖々と周囲を見回す。
……もっとも、ルナ・ジオン軍のMSとサイド6の軍隊が睨み合っているのを見ると、再び顔色が悪くなるが。
そんなマリオンの下にも、何人もの子供達が駆け寄っていく。
数分程再会を喜ぶやり取りを眺める。
何だか、ここだけが微妙に緊張感のない空間になっているような気がするが、その辺は特に気にする必要もないか。
「さて、お前達が助けたがっていた2人はこれでいいな?」
少し落ち着いた様子を見計らってそう尋ねると、被検者の子供達は揃って頷く。
「そうか。じゃあ、もうちょっと待っててくれ。もう少ししたら研究所の制圧も終わって、研究データとか研究者とか、そういう連中をクレイドル……月にある俺達の本拠地に連れて行けるからな」
その言葉に、子供達は嬉しそうに笑う。
だが、ある程度の年齢の者達や、クスコ、マリオンといった面々は不安だったり、疑いだったりといった視線をこっちに向けていた。
まぁ、向こうにしてみればルナ・ジオンについての情報は何も知らなかったのだから、その対応も当然だろうが。
ここで俺が何を言っても、殆ど信じる事は出来ないだろう。
そうである以上、こっちとしては実際にクレイドルに連れて行って信じさせるしかない。
「……でも、この状況でどうするの? 見るからに、穏便にここを出るのは難しそうだけど」
多少はこっちを信じるつもりになったのか、クスコがそう尋ねてくる。
もっとも、ここで俺達がやられるような事にでもなれば、今までよりも酷い……より強固な監視態勢になるのは間違いないと思われる、というのが大きいのだろうが。
「安心しろ。向こうにはMSの類もない。そうである以上、こっちが負ける事はない」
シーマやラルといった腕利きがいて、その部下もいる。
黒い三連星とか、そういう連中にしてみれば、戦闘が前提になっているということで実は羨ましい状況なのかもしれないが。
「本当に?」
「ああ。もっとも、実際にこっちが行動に出るには、もう少し掛かるけどな。捕らえた研究者や、コンピュータから抜き出した研究データ、研究用の書類等々、持ち出す物は大量にあるし」
それに、多分……本当に多分だが、この研究所にいた研究者の一部は既に逃げ出しているような気がする。
このような違法な研究をしている以上、いざという時の為に備えているのはおかしな話ではない。
……もっとも、出来れば中に突入した面々が研究者全員を捕らえる事が出来るというのが、最善の結果なのは間違いないのだが。
「分かったわ。正直なところを言わせて貰えば、まだ完全に信じるといった真似は出来ないけど、それでもこうして私達の為に動いてくれている以上、信じるわ」
「そうしろ。それに、お前達をどうするか決めるのは、俺じゃない。ルナ・ジオンという国の女王たるセイラ……いや、アルテイシアだからな」
「……貴方は違うの? 随分と、その、偉そうだけど」
少し戸惑った様子のクスコ。
いや、そんなに偉そうか? そう思って自分の言動を振り返ってみれば、偉そうだと言われてもおかしくはないことを理解してしまう。
「そうだな。俺はルナ・ジオンに協力している国の代表だ」
「それで、連邦でもジオンでもないの?」
「そうなる。まぁ、その辺の詳しい事はクレイドルに行けば分かるだろ。それに、ルナ・ジオンの女王は高いニュータイプ能力を持つ女だから、お前達をどうこうする気はない筈だ」
セイラの性格を考えると、クスコやマリオン、それに他の被検者達をどうにかするといった事は考えられない。
悪影響を与えない程度の検査の類であれば、もしかしたらやるかもしれないが……それは、あくまでも本人が納得すればの話だ。
もっとも、今のルナ・ジオンにニュータイプ能力の研究者がいない以上、もし検査をするのならシャドウミラーの技術班の仕事になるだろうが。
ギニアス辺りなら、そういう検査が出来そうな気がしないでもないんだが……アプサラス計画の方で急がしくて、こっちに手を出すような余裕はないだろうしな。
「……そう。なら、何とかここを脱出する必要があるわね。その辺は、えっと、アクセルだっけ? アクセルに任せてもいいのよね?」
「ああ。それは問題ない。さっきも言ったと思うし、こうして見てれば分かると思うが、サイド6の戦力で俺達をどうにかする事は出来ない」
「その割には、今はお互いに見合っているようだけど?」
「それは意図的なものだよ。まだ研究所の中にはこっちの手の者が入ってるからな。それが出てくれば、さっさと撤退するさ」
サイド6の戦力では、ルナ・ジオン軍のMSをどうにか出来る訳でもない以上、当然のようにカトンボをどうにかする事も出来ない筈だ。
普通に入港したのであれば、その艦を動かないように固定するといった装置とかを使えたりもするんだろうが……今回の俺達は強行突入である以上、その辺の心配はいらない。
それにカトンボの方にもメギロートやバッタといった護衛の戦力は残してきているので、向こうがどうしようと思っても迂闊に手は出せないだろう。
……もっとも、迂闊に手が出せない分だけ、中立というのを最大限前に押し出して、ルナ・ジオンを責めるといった真似をしてくる可能性もあるだろうけど。
とはいえ、その場合はルナ・ジオン側としても、この研究所がどのような実験をしていたのか、それをサイド6の上層部で認めていたのかといった事をセイラが例によって例の如く、ルリやラピスのハッキングで反撃するだけだが。
そうなれば、若く美人な女が非人道的な実験で苦しめられている被検者達を助けたいというのと、暑苦しい男が非人道的な実験を肯定するのと……さて、どちらが世間の理解を得られるだろうな。
普通に考えれば、間違いなくセイラだろう。
ニュータイプにして、ジオン・ズム・ダイクンの娘、そしてルナ・ジオンの女王。
あらゆる意味で、今のセイラはカリスマ性に満ちているのだから。
サイド6にとって最大のミスは、やはりジオン公国に研究所を作る許可を出したという事か。
もっとも、サイド6が断れば毒ガスやらMSの投入やらといった風に攻撃されていた可能性も高く、それを考えると結局受け入れるという手段しかなかったのだろうが。
つまり、ジオン公国に目を付けられた時点でどうしようもなかったといったところか。
もっとも、それはジオンが独立戦争を起こしている現在の状況で、中立という立場にいるという事を考えれば、当然なのだろう。
にしても、ジオン公国も何を考えてサイド6に研究所を作ったのやら。
非合法な研究所なら、わざわざサイド6という場所じゃなくても、ジオン公国の支配している地域でやればいいものを。
それこそ、小惑星――ア・バオア・クーやソロモン程大きくなくても――を研究所用に用意すれば……あれ? もしかしてこれって俺のせいだったりするのか?
もしかして、原作通りならどこぞの小惑星とかに研究所を作っていたのが、俺がグラナダを攻略した影響がここにも出ているとか?
そんな風に考えていると、やがて研究所の中から突入した部隊が姿を現す。
こうして見ている限りでは、怪我をしている者は数人いるらしいが、それもかすり傷だったり打撲だったりといった程度の傷だ。
元々シーマやラルの部下として鍛えられており、その上にバッタやコバッタといった戦力を有しているのだから、この結果は当然だろう。
そして、手錠を嵌められて強引に引っ張られているのは……警備兵や研究者といった面々か。
コバッタが引っ張っているコンテナ――かなり小さめだが――の中には、何らかの書類やら何やらが大量に詰め込まれているのも見える。
考えるまでもなく、それはニュータイプ研究の資料なのだろう。
他にもコンピュータに入ってるデータを引き出すのが面倒だったのか、コンピュータその物が入っていたりもする。
そういうのに詳しい人材がいない訳ではないが、今回はより短時間でデータを持ってくる事を優先したのだろう。
「さて、見ての通り研究所の制圧は完了して、研究者や警備兵といった連中も捕らえられた。これで、お前達がもうこれ以上実験材料にされる事はないと言ってもいいだろう」
もっとも、研究データは当然のようにジオン公国に送られたりしていた以上、完全に安心という訳でもないが。
そこから情報を得て、いらない事を考えるような相手もいないとは言えない。
いや、ニュータイプとしての希少性を考えれば、そういう奴は確実にいるだろう。
「……ありがとう」
まだ疑惑の色は若干残っているが、それでもクスコの俺を見る視線は柔らかくなっていた。
向こうにしてみれば、こうして自分達を助けた上で、研究者達を拘束しているのを見れば、こちらを疑う色は少なくなっていったのだろう。
また、これから向かう場所……クレイドルを支配する女王がニュータイプであるというのも、大きいのか。
「シーマ、ラル。見ての通り研究所からは大体の資料やらデータやら人員やらを引き上げてきた。後は、ここから脱出するだけだが……どうする? こっちは研究所から出てきた連中含めて、影のゲートで転移した方がいいか?」
『そうだな。そちらの方が安全だろう。正直なところを言わせて貰えば、全てをルナ・ジオン軍の手で片付けたかったところだが……姫様は人の命を優先する方だ。ここで馬鹿な真似をしようとは思わない。それでいいかな?』
『あいよ。あたしもラル大尉の意見に賛成だよ。あの連中の武器でMSは破壊出来ないけど、人は殺せるからね』
クスコとマリオンはニュータイプ能力に覚醒しているらしいので、もしかしたら銃弾とかを回避出来るかもしれないが……だからといって、それを試す訳にもいかない。
ましてや、ここには子供の被検者達も揃ってるのを考えると、そんな危険な真似をする訳にもいかないだろう。
「クスコ、マリオン。それとついでにMSに乗ってない奴は全員俺の側に集まれ」
その言葉に、通信機で影のゲート云々という話を聞いていた時から嫌そうな表情を浮かべていたクスコは、より一層嫌そうな表情を浮かべる。
マリオンの方は、先程影のゲートを使った時には気絶していた為か、何が起きるのか理解した様子はない。
シーマやラルの部下は、俺が影のゲートを使っているのを見た事があるし、直接体験した事がある者もいるので、特に何か派手な反応がある訳ではない。
そんな連中に連れてこられた研究者や警備兵の面々は、一体何が起きるのかと半ば怯えている様子を見せる。
それでも捕まっている以上は特に何か反抗出来る筈なく、引っ張られて連れてこられる。
子供の被検者達は、何が起きるのかと興味津々の者がいれば、怖いと思っている者もいたが……結局全員纏めて影のゲートを使って、港に直接転移するのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:235
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1435
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