オズのエリカ
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第七幕その十一
そのうえで一口食べてにこりとなりました。
「美味しいわ」
「カドリングの林檎もなのね」
「とてもね」
「ううん、本当に林檎好きね」
「これがあるとね」
その林檎がというのです。
「全く違うわ」
「そんなになの」
「デザートにあるのとないのとで」
「それは林檎のお菓子でも同じね」
「ジュースでもね、私は毎食林檎の何かがないと」
本当にというのです。
「駄目よ」
「そこまで林檎が好きなのね」
「人にはそうしたものがあるでしょ、それぞれ」
「私にとっては寝ることかしら」
エリカの場合はというのです。
「もう食べたり歩いたりお風呂に入る時以外は寝ているけれど」
「貴女はそうよね」
「猫は寝ることが好きなのよ」
何といってもというのです。
「食べることと同じ位ね」
「だからこれまでもそうだったのね」
「そう、今回の冒険でもね」
「ずっと寝ているのね」
「そうよ、寝てね」
そのうえでというのです。
「楽しんでいるのよ」
「そういえば猫は日本語では寝る子だったわ」
グリンダがこう言ってきました。
「そうだったわ」
「寝る子が縮まってなのね」
「そう、猫になったみたいなの」
「つまり私も寝る子ってことね」
「ええ、ただ貴女は他の猫程寝ないかしら」
「普段は一日の三分の二は寝ているわ」
これがエリカの返答でした。
「冒険の時は半分位ね」
「そうした感じなのね」
「ええ、冒険の間は歩くことやあちこちを見ることが多くて」
それでというのです。
「寝るよりもね」
「そちらの方が多くてなのね」
「寝る時間は少ないわ」
そうなっているというのです。
「どうにもね。けれど辛くないわね」
「それはオズの国にいるからよ。オズの国は極端な寝不足でもないと辛くならないから」
それでとお話したオズマでした。
「それでなのよ」
「辛くならないのね、あまり寝なくても」
「そうよ、じゃあこれからは」
「いよいよ建国にかかるわ」
エリカは笑って言いました、そうしてまずは朝御飯を美味しく食べるのでした。
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