異世界転移した最強の俺、追放されたSSS級冒険者(美少女)を拾う
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ギルドに行ってみた-5
そこで二人の男が俺達の前に現れた。
身なりがあまりよくないというか、雰囲気的に粗暴なものを醸し出している。
鬱屈した何かを抱えているらしいその人物。
そして、少し離れた場所でフードをかぶって顔を隠すようにしている、明らかに雰囲気が違う人物がいる。
隠そうとしているがそのうちから見える魔力の質は、普通の“人間”のものと違う。
妙だなと俺は思うも、こちらの方をじっと見ているあたり、俺達の様子を見ているのかもしれない。
だがそんな目立つようなことを今のところ俺達はしていないはずだが、そう俺が思っているとそこで目の前の男達が、
「よう、兄ちゃん。女連れで冒険者なんていいご身分だな」
「俺達にも分けてくれよ。うひひひひ」
などと言ってくる。
これは女連れでどうこうと絡んでくる、例のギルドに生息しているらしい人物たちだろうか?
だが女連れといっても、
「二人は俺の仲間で、恋人などではないんだが」
「そんな言い訳が通用すると思っているのか? そんな戦いに適するとは思えないようなフリル付きの服を着て、か?」
などと嘲笑する彼ら。
そしてそれを聞いて顔を赤くするエリカ。
まずい、このままでは可愛い女の子が可愛い服を着て戦闘するシーンが見れなくなってしまう。
などと俺は考えて即座にこう言い返した。
「そんな恋人だなんて……むしろ、彼女の実力を見込んで俺達の方からお願いしたのです。何しろ、彼女はSSSランク冒険者ですから」
といったように話の矛先を変える。
事実、SSSランクというこの世界では非常にまれで有能な人材であることは確かなのだ。
だから俺は、エリカをそう言って紹介すると、周りからざわめきが起こる。
やはりSSSランクというと皆驚くのだろう。
そこで目の前の男たちが、
「SSSランク、ね。本当なのか? その場しのぎの嘘なんじゃないのか? だったら……本当はそっちの男の方を知りたかったが、パーティの実力を見る方が大事だよな。へへへへ」
「そうっすね。SSSランクなら、俺達なんて簡単に倒せるでしょう? 手合わせをしてもらおうか」
などと言って下卑た笑いを浮かべながら、エリカに告げる。
誘導の仕方を間違えたか? そう俺が冷汗が出てくるのを感じているとそこで男たちが、
「それにどうせ戦うなら美人の女の子と戦いたいからな。男よりも」
「……下種が」
エリカがそう吐き捨てる。
見たものを凍り付かせるような冷たい視線を送っていて、明らかにエリカは怒っているようにみえたが、そこで男たちが、
「ふううっ」
「くううっ」
などと変な声をあげた。
しかもどことなく顔を赤らめていて、嬉しそうである。
これは、まさか……そう俺が思っていると、
「気持ちが悪いから、すぐに終わらせるわ」
エリカがそう告げた瞬間、地面をける。
そして剣を抜き、一瞬にして男たちをたたき伏せた。
よく見るとさやに入ったままの剣で殴りつけたらしい。
見ていた観衆全員が沈黙した後、歓声を上げる。
さすがはSSSランクといった声が上がってエリカは恥ずかしいのか少し顔を赤らめている。
だがすぐに先ほど倒した男たちが恍惚とした表情で倒れているのを見て、眉をひそめる。
「なんでこいつら、こんな嬉しそうなの?」
「世の中にはM男という性癖があるのです。こうやって可愛い女の子に蔑んだ目で見られて罵られたいという……」
「気持ちが悪い」
「そういうのもご褒美です」
「……」
俺の説明にエリカが少し黙ってからため息をついて、考えても仕方がないと思ったのか首を振り、
「もう行きましょう。……こっちを監視している、おかしな人物もいるしね」
そうエリカが小声で付け加えて俺達に話しかけてきたのだった。
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