オーストラリアの思い出
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第三章
「明日羊食おうな」
「オーストラリア料理を」
「それをな」
今も小寅を撫でながら言う、小寅は彼に前足を出して噛んだりしつつそのうえでじゃれて遊んでいる。
「楽しもうな」
「それじゃあ」
「ああ、明日な」
涼は早速母に言った、そしてだった。
次の日の夕食は実際にオーストラリアの羊料理だった。ラムで元々匂いがしないうえにしっかりと匂いを消す調理だったので。
妹もすっかり気に入った、それで言うのだった。
「こうしたお料理食べられるなら」
「ああ、御前もか」
「オーストラリア行きたくなったわ」
「じゃあ夏休みにでも二人で行くか?」
「お兄ちゃんと?」
「そうするか?」
自分も羊料理を食べつつ笑顔で言った。
「行くなら」
「それじゃあ」
「ああ、そうしてな」
「オーストラリア楽しもうっていうのね」
「そうしような」
笑顔で話してだ、そしてだった。
今は羊の肉を楽しんだ、それからだった。
涼は小寅に御飯をあげた、そうしてから妹と二人でオーストラリアのことを話した。これが二人がオーストラリアに旅行に行くはじまりだった。彼が再び行くそれの。
そしてオーストラリアに行ってだ、涼は妹に言った。
「今は日本夏だけれどな」
「何か夏じゃない感じね」
妹もそれはわかった。
「妙に涼しいし」
「こっちじゃ冬なんだよ」
「あれっ、そうなの」
「言い忘れていたけれどな」
このことは申し訳なさそうに言った兄だった。
「日本とは季節が逆なんだよ」
「日本で夏だとなの」
「こっちじゃ冬なんだよ、だからサンタさんもな」
クリスマス、冬に出て来る彼等もというのだ。
「夏に出てそうしてな」
「それでなの」
「サーフィンをしながらな」
まさに夏のスポーツを楽しんでというのだ。
「出て来るからな」
「そこ全然違うわね」
「ああ、だから今はな」
夏休みを利用して来たがというのだ、涼も有休をまとめて取って。
「こっちは冬だから」
「じゃあすぐにあったかくして」
「色々と楽しもうな」
「それじゃあね、そのうえでお肉食べてよね」
「海にも行って」
そしてだった。
「コアラやカンガルーも見ような」
「毒蛇以外は見たいね」
「そっちは駄目か」
「カモノハシお願いするわ」
毒蛇の代わりにというのだ、こう話してだった。
二人で冬のオーストラリアでの旅行をはじめた、日本では夏だがこの国では富有だった。だが二人の旅は楽しいものになって涼は日本に帰った時に小寅と遊びながら妹にまた行こうと言って妹も笑顔で頷いた。
オーストラリアの思い出 完
2018・10・20
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