おぢばにおかえり
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第四十六話 受験が終わってその二十七
「本当に」
「その小柄なのがいいんじゃないですか?」
二年の娘は結構真剣に言ってきました。
「可愛いって」
「そうなの?」
「声優さんとか小さい人多いですし」
それでというのです。
「小柄なのがかえって」
「いいって言われるの」
「はい、そうですよ」
「最近声優さんも話題だけれど」
「先輩としてはですか」
「やっぱり背は高い方がいいんじゃないかしら」
子供の頃からこう考えています。
「一五七位は」
「普通もう十センチ位言いません?」
「先輩ってその辺り無欲ですよね」
「けれど小柄なら小柄で、ですよ」
「いいって人いますから」
「あの、阿波野君ですけれど」
一年の娘が彼の名前を出してきました。
「先輩と同じ大教会でいつも一緒にいる」
「好きで一緒にいないわよ」
このことはちゃんと言っておきました。
「何故かあの子といつも一緒にいるっていうか来るだけで」
「特にですか」
「何もないしね」
「噂になってますけれどね」
「噂は噂よ、それであの子がどうしたの?」
「小柄な娘はいいねとか言ってるの聞きました」
同じ一年生なのでそうした機会もあったみたいです。
「廊下で男の子と話してましたよ」
「そうなの?私のこといつも小さい小さいって笑ってからかってくるけれど」
「いえいえ、それがです」
違うというのです。
「小柄な人は小柄な人で人気ありますよ」
「声優さんでもなの」
「声優さんって声が高い人が多いせいか」
そのせいでというのです。
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