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相手がドワーフでも

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第一章

               相手がドワーフでも
 エルフとドワーフは仲が悪いとされている、それはエルフが森に棲んでいてドワーフが地下に棲んでいるからだと言われている。つまり属性が全く違う者同士なのだ。
 しかも外見も全く違う、エルフは美麗と言っていいがドワーフは厳めしい。
 しかしニアはそのドワーフ達についてよく森に来る仲良しの人間のバードに対して笑顔でこう話した。
「絶対にですよ」
「エルフとどらーふでもかい?」
「仲良くなれますよ、だって同じ人ですよね」
「人は人でもね」 
 それでもとだ、バードはニアにどうかという顔で話した。二人は今は森の大樹の傍で森の幸である果物達を食べつつ話をしている。
「属性が違い過ぎるじゃないか」
「だからですか」
「僕は無理だと思うよ」
 バードはその美麗な顔でニアに話した。
「流石にね」
「そうですか」
「とかくだよ」
「エルフとドワーフはですか」
「属性が違い過ぎるんだ」
 それ故にというのだ。
「だからね」
「仲良く出来ないですか」
「お互いに無視し合う」
 喧嘩にならないまでもだ。
「僕は冒険者のパーティーでも見てきたんだ」
「そうしたお付き合いをですか」
「エルフとドワーフが一緒のパーティーにいたら」
 その場合はというと。
「もう本当にね」
「仲が悪いんですか」
「お互い会話をしないよ」
「喧嘩はしなくても」
「そうした風になるから」
「じゃあバードさんもですか」
「思ってるよ、君達エルフとドワーフはね」
 どうしてもというのだ。
「仲良くなれないんだ」
「そうですか」
「幾ら君でも無理だと思うよ」
 誰とでも仲良くなれることで知られているニアでもというのだ。
「流石にね」
「そうでしょうか。だったら」
 ニアはバードに疑問に思っている顔で答えた。
「一度です」
「ドワーフと会ってかい?」
「じっくりとお話をして」
「それで仲良くなれなかったらかい?」
「私も信じるかも知れないけれど」
 バードも言うエルフとドワーフが仲良くなれないということをだ。
「それでもです」
「実際に話をしていないからかい」
「今はどうとも言えないです」
「そうか、そこまで言うんだったら」
 それならとだ、バードも話に乗った。それでだった。
 彼はニアにそのドワーフ彼の友人である者をニアのところに連れて来ると答えた、ニアもそれでと答えた。
 暫くしてバードは一人のドワーフを連れて来た、人間やエルフと比べて小柄だががっしりとした体格で濃い髭を生やした如何にもドワーフという者だ。
 そのドワーフは森に入ってきてニアを見てすぐにバードに言った。
「さっきも言ったがね」
「エルフとはだね」
「やっぱり仲良くなれないよ」
 こう言うのだった。
「流石にな」
「まあそう言ってもな」
「それでもか」
「実際に会って」 
 そうしてというのだ。
「判断してくれ」
「そういうことか」
「ああ、そうしてくれるか」
「あんたにはいつもいい歌を聴かせてもらってる」
 その誼でとだ¥、ドワーフはバードに答えた。 
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