転生とらぶる
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機動戦士ガンダム
2199話
「これは……まぁ、うん。随分と……」
目の前に広がっている光景に、俺の口から出たのはそんな声だった。
実際、バクゥとザウート、トラゴスといったMSが並んでいる光景は、何と言えばいいのか迷ってしまう。
いやまぁ、悪くはない。悪くはないんだが……それでも、色々と微妙な思いを抱いてしまうのは当然だった。
「アクセル、こちらの要望に応えてくれて感謝している。……特にバクゥだったか。この機体は地球で使えばかなりの戦力となるだろう。それこそ、陸専用のJ型よりも」
ラルが俺を見ながら、そんな風に言ってくる。
バクゥを始めとするMSを得られたことが余程嬉しかったのか、ラルにしては珍しい、満面の笑みだ。
「そう言って貰えると、こっちとしてもそっちの依頼を引き受けた甲斐があるよ。それで? このMSはすぐに地球に?」
「いや。このMSのパイロットに選ばれた者達には、まずクレイドルで操縦訓練をして十分機体に慣れて貰う必要がある。……ああ、安心してくれ。あくまでも慣れるというのは機体を動かす事であって、砲弾の発射とかはしない」
俺が何かを言うよりも雨に、ラルがそう告げてくる。
北海道以上の大きさを持つこのクレイドルだけに、MSの操縦訓練の場所としては文句なしだろう。
ましてや、重力制御装置によって1Gに保たれている以上、本当の意味で地球と同じ環境で訓練する事が出来る。
勿論地球全土と比べれば圧倒的に環境不足とでも言うべき場所ではあるが、少なくても最低限の訓練を行う事は可能なのだ。
だからこそ、ラルの言葉にも納得出来るものはあった。
「で? 結局このMSのパイロット達はザクとかのMS適正で落ちた奴から?」
「うむ。ザウートやトラゴスといったMSは、基本的には移動砲台としての役割だから、そこまで激しい動きをしたりはしない。バクゥの方は……色々な意味で通常のMSとは違う適正が要求される、ザクよりも厳しくなると思ったが……意外な事に、バクゥの適正を持つ者は多かった」
へぇ。それはちょっと驚いたな。
もっとも、ラルの言いたい事も分からないではない。
バクゥは四足歩行という点で、とてもではないがザクのような通常のMSとは操縦感覚が違うのだろうから。
「ともあれ、これでMSの引き渡しは完了した。次からは、俺を通さなくてもシャドウミラーの政治班に頼めば融通してくれる事になる」
もっとも、あの切れ者揃いの政治班だ。MSを渡すにも、当然のように相応の利益を要求してくるだろうが。
とはいえ、それは決して悪い事ではない。
ルナ・ジオン軍が何の代価も出さず一方的にシャドウミラーから戦力やら何やらを恵んで貰うというのは、それこそ一国家として成立している意味がない。
多少なりとも自分達だけでどうにかしようと思わず、一方的にシャドウミラーに依存している状況が続けば、恐らく他の面々から、これ以上ルナ・ジオンに肩入れするのを止めるべきだという意見が出る可能性が高い。
そうなれば、俺としてもあまり無理は言えなくなる。
保護国という名目ではあれど、いつまでも保護国でいたいと、そう思っているような者がルナ・ジオンにいれば、そうなる可能性は決して低くはない。
そういう意味では、やはり今回の一件でしっかりと代価を貰うという風になるのが、最善の結果なのは間違いない。
ラルもその辺りについては理解しているのだろう。俺の言葉に対して、特に嫌そうな表情を浮かべるような事もなく、頷いてくる。
「うむ。具体的にどのような代価を支払うのかは、それこそ担当の者達で話して貰う必要があるだろう。……食料の類を金に換えるのは、まだ先になるであろうしな」
「まぁ、そうだろうな」
農作物の中には、すぐに……それこそ1ヶ月程度で収穫出来る作物もあるが、それはほんの少しの限られた品種のみだ。
当然そのような少ない代物はクレイドル内で消費してしまうし、場合によっては農家の方だけでそれを消費する事もある。
特にスパイやら破壊工作員やら、何らかの罪を犯した者やら……そういう連中にしてみれば、マブラヴ世界の合成食を食べるよりは、例え野菜であっても自分で育てたものを食べさせた方がいいだろうし、それが美味ければ農作業により一層熱が入るのも間違いない。
そう考えれば、多少の飴も必要となる。
「まぁ、無難なところでは小惑星……とまでは言わないけど、スペースデブリだったり、これまでの戦争で破壊されて宇宙を漂っているMSや軍艦の残骸だったり、場合によっては月面に転がっている巨大な岩とかでもいいと思う」
「……そのような物でいいのか?」
「ああ。色々と使い道があるしな」
キブツがある以上、資源に変換出来る代物は多ければ多い方がいい。
そういう意味では、小惑星とかはシャドウミラーにとっては望むところだと言ってもよかった。
実際、ジオンの独立戦争が終わった後での話ではあるが、スペースデブリや巨大な月の岩塊といった物を持ってくれば、シャドウミラーの方で買い取る……という計画も考えている。
とはいえ、月の岩塊についてはまだちょっと決まっていない。
何しろ、岩塊……言ってみれば、それこそ岩というのは、月には幾らでも存在する。
そうなると、それこそ持ってこようと思えば月の岩は幾らでも持って来る事が出来るのだ。
そのような事を解禁すれば、クレイドル周辺にある岩はすぐになくなるだろう。
まぁ、それが全く悪いという訳でもないのだが……ただ、将来的に何かあった時、岩が必要になる可能性もある。
それこそ、例えば連邦軍がクレイドルに向けて攻めてくるとか。
……もっとも、連邦軍にしろジオン軍にしろ、あるいはそれ以外の勢力であっても、クレイドルに攻めてくるのであれば、リーブラを始めとした機動要塞群をどうにか突破する必要があるのだが。
そう簡単に可能な事だとは思えないが、いざという時にそれを行われた場合……もしかしたら、本当にもしかしたらだが、クレイドルの周辺にある月の岩というのは大きな意味を持つ事になる可能性が高い。
そうである以上、こちらとしてはクレイドル周辺にある岩塊の類を適当になくするという訳にもいかなかった。
それに、ルナ・チタニウムの件を考えると、もしかしたらUC世界の月には何らかの未知の資源が眠っている可能性もあり、岩塊がそれに関係しているという可能性も十分にある。
「結局俺がここで何を言っても意味はない。実際に政治班と話して、それで決めて貰う必要がある……という事だな」
「うむ」
俺の言葉に、ラルは短く頷く。
何をするにしても、結局は政治班を通して頼む必要があるのだと、そう理解しているのだろう。
本当に急ぎでどうしようもない時であれば、俺がシャドウミラーの代表として独断で決めるといった真似が出来ない訳でもないが、生憎と今のところはそのような状況にはなっていない。
いや、そのような状況になっていないのは、それこそ喜ぶべき事ではあるのだろうが。
ともあれ、その後もラルと色々と話をした後で、早速バクゥ、ザウート、トラゴスの訓練をするというラルは人のいない場所に向かう。
とはいえ、クレイドルには既にかなりの生き物が放されているので、出来ればその辺に影響がないような場所で活動して欲しいところだ。
……研究者辺りから、妙な苦情とかが来る可能性もあるし。
そう言えば、今更……本当に今更の話だが、バクゥの上位機種たるラゴゥはいらなかったのか?
いや、2人乗りだったりして、ちょっと使いにくそうではあるが。
その辺は技術班に言えばどうにか改修してくれそうな気もするから、問題にはならないか?
ああ、でもラゴゥはビーム兵器が標準で装備されているから、ビーム兵器を禁止している今の状況では、使うにも使えないのか。
勿論バクゥが使っているレールガンとか、そういうのに装備を換装すれば、ラゴゥも普通に使えるだろうけど。
ビーム兵器を抜きにしても、ラゴゥは元々バクゥの上位機種として開発されただけあって、全体的にバクゥよりも性能が高くなっている。
その辺りの事情を考えると、やはりラゴゥは使える機体ではあるんだよな。
そんな風に考えていると、不意に通信機が鳴る。
何だ? もしかして、ラル達が何かやらかしたとか……そんな事ではないよな?
実際、それは可能性としては十分に有り得る事だ。
シミュレータとかは当然やっているんだろうが、それでも結局シミュレータと実機での操縦というのは大きく違う。
そうである以上、もしかしたらバクゥが移動中に何らかの操縦ミスでどこぞの畑に突っ込んだ……何て話を聞いても、俺は特に驚いたりする事はない。
もっとも、その突っ込んだ奴には当然のように破壊した分の畑をどうにかして貰う必要はあるが。
そんな思いで通信通置を起動させると、そこに映し出されたのはシェリルの姿。
……何でシェリル? いやまぁ、別にそれが悪いって訳じゃないんだけど。
「どうしたんだ?」
『うん、ちょっと相談があるんだけど……実は、ハワイでライブをやってみたいんだけど、どう?』
「ライブ? ハワイってのは、どこの世界のハワイだ?」
『UC世界よ』
「……何でまた、急に? もしかして、ルナ・ジオン側から何か要望でもあったか?」
他の面々はともかく、セイラは俺の記憶からシェリルがマクロス世界を含めて他の世界でどれだけ受け入れられているか知っている。
いや、単純に俺の記憶だけじゃないか。
セイラはシェリルから演説の時の演技指導を受けており、そういう縁もある。
その辺りの事情を考えると、俺の記憶以外からもシェリルに話を持ち掛ける理由になったのではないか。
だが、そんな俺の言葉に対し、映像モニタの向こうにいるシェリルは首を横に振る。
『違うわ。ただ、そっちの世界のハワイの映像を見ていたら、私がそこで歌いたくなっただけよ』
そう告げるシェリルの様子は、それこそ言葉通り心の底からハワイでライブをやりたいと言っているようにしか見えなかった。
いやまぁ、俺の恋人達の中でも屈指の気の強さを持つシェリルだ。
人からそこで歌えと命令されるような事があっても、頷くような真似はしないだろう。
とはいえ、セイラが頼むのなら脅すとかそういう手段は絶対に執らないで、普通に頼むだろうが。
シェリルも何だかんだと自分の弟子的な扱いのセイラを可愛がっているので、頼まれればスケジュール的に無理かがないのなら、引き受けると思うし。
ともあれ、シェリルが自分でそうしたいというのであれば、俺としてもそれを否定するような真似はしない。
それに、ハワイは連邦からジオン、ジオンからルナ・ジオンと短い間に支配者が変わった。
そうである以上、その事に不満や不安を抱いている者も多いだろうから、そういう意味でもシェリルがライブをやってルナ・ジオンやシャドウミラーに対する敵対心を取り除く事が出来ればありがたいのも、事実なのだ。
そうである以上、シェリルがそれを望んでいるのに、俺がそれを拒否するという事はまず有り得なかった。
「分かった。シェリルがそう希望するのなら、ルナ・ジオンの方に話を通しておく。ルナ・ジオン側でも、シェリルがライブを開くと聞けば、助かると思う事はあっても、それを拒否するといった真似はしないと思うし」
実際、現在ハワイに存在するだろう潜在的な反ルナ・ジオンの勢力も、シェリルの歌を聴けば、全員がルナ・ジオンやシャドウミラーに対する敵意を捨てる……とは思わないが、それでも相応の人数が敵対行為を止めてくれるとは思う。
シェリルの歌には、それだけの力があるのだから。
でなければ、それこそ様々な世界で顔も出さずにCDとかを売りに出してるのに、数十億枚のヒットとかにはならないだろう。
勿論、顔を出して売ってる世界とかもあるのだが。
『じゃあ、話は進めてもいいのね?』
「ああ。ただし、何か騒動があった時の為に、俺も護衛として一緒に行動する」
『あら、心配性ね。……嬉しいけど』
最後の言葉は小声で言ったつもりだったのかもしれないが、俺の耳にはしっかりと聞こえていた。
「喜んで貰えて何よりだよ」
『っ!? 全くもう。……いい? アクセルだから、護衛の失敗とかそういうのはないと思うけど、くれぐれも気をつけてね。私のステージが失敗するなんて事は、絶対に許さないんだから』
「はいはい、分かってるよ。……ステージの演出に関しては、フィリオに任せたいと思うんだけど、構わないか?」
『フィリオに? まぁ、いいけど……あの人、どうにも私のセンスと若干ずれてたりするのよね』
「ああ……」
シェリルの言葉に、思わず納得する。
実際、フィリオが向いているのは、恐らくセクシーさを売りにしているシェリルではなく、愛らしさを売りにしているランカのようなタイプの歌手の演出だろう。
フィリオの趣味から考えると、恐らく間違いはないが……ただ、それでもフィリオの持つその手の技術力が高いのは、間違いないんだよな。
そんな風に思いつつ、俺はシェリルのライブを楽しみにするのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:235
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1435
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