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オズのエリカ

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第五幕その十

「私は今度はアメリカンクラブサンドかしら」
「そのお弁当ね」
「ハンバーガーの後はね」
「そうするのね」
「私ハンバーガー好きだし」
「アメリカンクラブサンドもよね」
「好きだから」
 それでというのです。
「次はね」
「それにするのね」
「そのつもりよ」
 エリカに笑顔でお話しました。
「そう考えているわ」
「それで飲物はね」
「セットになっていたけれどね」
 ハンバーガーとです。
「コーラよ」
「それよね」
「やっぱりハンバーガーにはこれじゃないかしら」
「コーラね」
「私はそう思うわ」
「私はコーラは」
 エリカは微妙な声で言いました。
「ちょっとね」
「いらないの」
「あまりね」
 どうにもというのです。
「飲みたくないわ」
「そういえば貴女炭酸飲料はね」
「飲みにくいのよ」
 猫としてはというのです。
「どうもね」
「あのシュワシュワしたのが」
「ほら、人間はごくごく飲めるわね」
「けれど猫はね」
「舐めて飲むでしょ」
「だからなのね」
「飲みにくいのよ」
 炭酸飲料はというのです。
「だからね」
「あまり、なのね」
「ええ、ハンバーガーを食べるならね」
 その時はといいますと。
「コーラじゃなくてね」
「他のものよね」
「ミルクがいいわね」
 コーラの時はというのです。
「やっぱりね」
「そうなるのね」
「ええ、コーラにはミルクよ」
 キャットフードを食べつつアンにお話します。
「私としてはね」
「成程ね、それもいいわね」
「コーラにはミルクもいいでしょ」
「ええ、あとドーナツも好きだけれど」
「ドーナツにコーラはどうかしら」
「あまりね」
 アンとしてはというのです。
「好きじゃないわ」
「その組み合わせは」
「ええ」
 そうだというのです。
「私はね」
「そこはそれぞれね」
「そうでしょ、猫にはね」
「ライオンもだよ」
「虎もだよ」
 二匹の獣達もエリカと同じでした。
「ちょっとね」
「炭酸飲料はね」
「飲みにくいよ」
「舌ではね」
「じゃあ犬も同じね」
 アンはここでトトを思い出しました、いつもドロシーと一緒にいる彼のことを。 
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