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おぢばにおかえり

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第四十六話 受験が終わってその二十三

「それだけよ」
「ああ、成程そういうことね」
「それでなのね」
「ちっちにこにこしてるのね」
「そういうことね」
 一人どころか何人かで笑って私に言ってきました。
「そういえば後輩の子とまた会ってたし」
「そういうことね」
「ちっちも隅に置けないわね」
「今日もそうだったなんて」
「だから何で皆そこで笑うのよ」 
 本当にいつもなんで訳がわかりません、阿波野君とはいつもたまたま会ってお話をするだけなんですが。
「別におかしなことをしていないのに」
「まあね、別におかしくないけれど」
「特にね」
「それでもね」
「ちっちもって思ったのよ」
「私もって。とにかく午後からまた授業だから」
 もう少ししたらはじまります、だからその用意のことも考えました。
「お話はそれ位にしてね」
「そうそう、またね」
「またこのことはってことで」
「またね、ただ今のちっち見たら」
 最初に言ってきた娘がまた私に言ってきました。
「随分ほぐれたわね」
「ほぐれた?」
「ええ、随分明るいわよ」
 そうした感じだというのです。
「よかったじゃない」
「そういえば今日の午前中のちっち随分緊張してたわ」
「明日のことのせいか」
「もう死にそうなお顔でね」
「戦場に行くみたいな」
 そうした感じだったというのです。
「お昼まではね」
「明日のことを考えてね」
「受験のことで頭一杯だったでしょ」
「言葉も少なかったし」
「そう言われると」 
 私自身否定出来ませんでした、それで皆にも言いました。 
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