オズのエリカ
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第四幕その四
「白人だけじゃなくて」
「アジア系の子ともアフリカ系の子ともなのね」
「そうです、けれど昔は違ったそうです」
「白人は白人だけだったのね」
「そうみたいですし白人の人ばかり表に出て」
「そうした社会だったから」
「オズの国もですね」
ジョージはチェスの盤の道を歩きつつ家々も見ます、見ればそれぞれの盤の模様がどの家の壁や屋根を彩っています。そして道も日本の将棋のものや中国の将棋のものもあって実に色々な状況になっています。
「白人だけだったんですね」
「ええ、それにジャズもね」
「あの音楽もですか」
「なかったし」
「あっ、ジャズもアフリカ系の人からでしたからね」
アメリカのその人達がはじめた音楽だというのです。
「だからですね」
「私ジャズ大好きなのに」
それでもというのです。
「最初はなかったのよ」
「ジャズいいのに」
このことを残念そうに言うのはエリカでした。
「私毎日聴いても飽きないわ」
「エリカジャズ好きだったんだ」
「そうよ、ジャズを聴いてるとついついね」
笑って言うエリカでした。
「立ち上がって踊って歌う位なのよ」
「そこまで好きなんだ」
「そうよ、恰好いいでしょ」
ジャズという音楽はというのです。
「アフリカ系の人がタキシードやスーツ着て歌って楽器演奏して」
「それが好きなんだ」
「だからね」
それでというのです。
「私いつも聴くのよ」
「エリカがジャズ好きって」
「そんなに意外だったのね」
「うん、もっと賑やかな音楽が好きだと思っていたよ」
「ロックとかラップとか」
「そんなイメージだけれど」
それが、なのです。
「ジャズ好きなんだね」
「あの恰好よさが好きだから」
それでというのです。
「だからね」
「ジャズなら毎日でもなんだ」
「聴くわよ、ただ音楽も増えたわね」
オズの国でというのです。
「私が最初に来た時と比べたら」
「うん、ラップはここ二十年少し位の音楽だしね」
「ロックも結構後よ」
この音楽もというのです。
「ポップスとかもね」
「うん、僕ポップス好きだけれどね」
「そうした音楽はね」
「新しいよね」
「むしろジャズは古い方よ」
エリカは自分が大好きなその音楽のことをさらに言いました。
「今オズの国にある音楽の中ではね」
「昔はクラシックとか位だったね」
「オズの国でもそうよ」
「それが随分変わったんだね」
「最初ジャズを聴いて凄いって思ってね」
「今でも大好きなんだ」
「そうよ、とはいっても旅の間はそうした音楽は聴かないけれどね」
それでもというのです。
「帰ったり機会があったらね」
「聴くわ」
そうするとです、エリカはジョージに答えました。
「この国ではそうした音楽はないでしょうけれど」
「グラスバンドの曲が聴こえてきたわ」
アンは国の何処かから聴こえてきたその音楽を聴いて皆にお話しました。
「それがね」
「あっ、アメリカでも盛んですね」
ジョージはグラスバンドと聴いて言いました。
「大抵の学校でやってますし」
「そうよね、そういえばグラスバンドってね」
それはといいますと。
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