百杯
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第三章
「しかし何でや」
「何で自分食う前に風呂入ってん」
「部活で身体動かして昼飯食わんかったのはわかるけど」
「何で風呂入ってん」
「そこがわからんけどな」
「準備体操第二段階っていうけど」
「あれが実は核やってん」
関は友人達と共に東北の名品を見回りつつ話をした、もうわんこそばで金を使っている。高校生の小遣いではわんこそばを食べて終わりだった。
「お風呂で気分的にすっきりするとな」
「ああ、その分な」
「食欲出るな」
「確かにな」
「気分がすっきりすると」
「それもあるしさらにや」
関は友人達にさらに話した、仙台名産の塩タンだけでなくホヤも見ながら。
「汗かくやろ、お風呂に入っても」
「特にサウナやな」
「サウナに入るとな」
「汗めっちゃかくな」
「湯舟でもな」
「そこでもカロリー使う、お腹空くからや」
それでというのだ。
「だからお風呂もや」
「あえて入ったんか」
「気分すっきりさせてカロリーも消費して」
「お腹を余計に空かせる為に」
「そうしたか」
「そうや、そしてそのお陰でな」
運動をして風呂も入ってというのだ。
「僕は百杯食べられたんや」
「それどころか二百杯もやな」
「わんこそば食えたんやな」
「そやねんな」
「若しお風呂入らんかったらここまで食べられんかったし」
二百杯、そこまでというのだ。
「運動もせんかったら」
「余計にやな」
「食えるかどうかわからんかった」
「それは僕等にもわかるわ」
「百杯も難しかったかもな、食べようと思ったら」
それこそと言う関だった。
「それなりのことを前にせなあかんわ」
「さもないと食べたいだけ食べられん」
「そういうことやな」
「事前の仕込みが必要やってことやな」
「そや、食べることについてもな」
まさにと言う関だった、そうして彼は友人達と共に百貨店を出た。百杯という目標を超えて二百杯まで食べた満足感と共に。これも全て事前の仕込み運動と風呂の二つの彼が言う準備体操のお陰であった。
百杯 完
2018・3・12
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