MS Operative Theory
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技術解説
ミノフスキー粒子とMS③
——旧世紀的推進・防御機構を覆したMAWS転用システム
「MAWS(Minovsky-theory Applied Weapon System=ミノフスキー理論応用兵器体系)」とはミノフスキー物理学を応用することで成立する兵器体系を指す。その中でも、メガ粒子砲やミノフスキー・イヨネスコ型核融合炉などのMSの標準的な装備や機構は、急性期から研究が続いていた粒子ビームや核反応炉を、ミノフスキー物理学で補完または再構築したものである。こうした旧来の技術のバージョンアップだけでなく、ミノフスキー物理学は完全に新規のシステムを生み出している。その代表的な技術として、Iフィールド(ミノフスキー粒子立方格子)を採用した飛行・推進システムであるミノフスキー・クラフトやミノフスキー・ドライブ、Iフィールドを対ビーム・バリアとして用いるIフィールド・ジェネレーター、ビーム兵器だけでなく実体弾式兵器をも防御可能なビーム・シールドなどが知られている。U.C.0150年代においてはミノフスキー・クラフト系の技術やビーム・シールドは、MSの一般的な装備として定着している。
ミノフスキー粒子とメガ粒子の関係は、極端に言えば水と氷のそれである。このふたつは元々、同じ物質(粒子)だが、状態(「相」=物体の状態)が異なるのである。単体では攻撃力を発揮しないミノフスキー粒子=水を融合させ「砲弾」として利用できるようにしたものがメガ粒子=氷である。だが、水も海や湖ほどに大量に存在すれば、交通を遮断し、密度差から氷を浮かべるように、ミノフスキー粒子も使い方によっては氷以上に有効な「兵器」となる。これはミノフスキー粒子特有の特殊電磁波効果による電磁遮断・攪乱のほかにも、水上を飛行するミノフスキー・クラフトや、密度差によって氷が水が浮くようにメガ粒子を弾くIフィールド・ジェネレーターといった形で実現しており、戦略・戦術以上に重要な装備となっている。
Iフィールド・ジェネレーターは稼動に莫大な電力を必要とするため、現在でも巨大MAや一部のハイエンドMSにしか採用されていない。これに対し、従来の核融合ロケット/ジェット・エンジンに因らない飛行能力を付与するミノフスキー・クラフトは、ミノフスキー・フライトやビーム・ローターなど小型かつ効率的で、比較的安価な飛行システムへと発展しており、重力下におけるMSの機動性を飛躍的に向上させた。また、リガ・ミリティアのMS、LM314V21(V2ガンダム)で実用化された、理論上では亜光速までの加速が可能な新型推進システム、ミノフスキー・ドライブなど、威力の向上以外に目立った発展のないメガ粒子砲と異なり、機動系のMAWSは新たなステージを迎えたのである。
補足事項
——飛行・移動系MAWSを採用したメカ——
ミノフスキー・フライトなどの飛行・機動系MAWSの発展と小型化は、MS以外の兵器にも多大な影響を与えた。この結果、ザンスカール戦争時には、多数の飛行系MAWSを搭載したSFSが出現し、これまでの機体を上回る機動性を発揮した。
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