ダンジョン飯で、IF 長編版
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短編集編
IFのIF もふもふさせてください
前書き
※『IFのIF やはり、魔物は魔物だ』の派生の派生。
※ファリン×ライオス。カブルー→ライオス前提。
※『IFのIF わたし(or僕)を食べて』のその後みたいな、ほのぼの?
羽毛布団。開発した人は本当に天才だと思う。
だってこんなに気持ちが良いんだもの。
「ふぁ…、お腹いっぱい。」
「よかったな。ファリン。」
四つ足を畳んで、座っているライオス・ドラゴンキメラの右側の羽にファリンがもたれかかって座っていた。
ライオス・ドラゴンキメラを巡ってカブルーと争うようなってから、恒例となっている光景である。
もっふりとライオス・ドラゴンキメラの羽毛を堪能するファリン。
ほとんどは硬いが柔らかい部分もある。そこを堪能していた。
ライオス・ドラゴンキメラは、そんなファリンを見て微笑む。
ところで…、実は、反対側、つまり左側の羽の方にも重みがあった。
「妹さんばかり構わないで、僕にも構ってくださいよ。」
カブルーがもたれかかっていた。
「いや…、俺に構われても君が困るだろ?」
「やっとこっち見てくれましたね。そんなことないですよ。」
「……殺そうか?」
「気に入らないからってすぐそれですよね。もっと語力鍛えた方がいいですよ? 迷宮の主さん。」
「あああ、二人ともやめろって!」
ライオス・ドラゴンキメラを挟んで戦いが勃発しそうな状況に、ライオス・ドラゴンキメラが止めに入った。
「食後で暴れたら吐くぞ?」
「…仕方ありませんね。ライオスさんに免じてやめます。」
「兄さんが止めなかったら、あなたなんてすぐに殺せるからね。忘れないで。」
お互いニコニコしているが、見えない火花と黒いオーラをまとっていた。
ファリンの元仲間と、カブルーの仲間達はハラハラである。
***
ある日、四階で、ライオス・ドラゴンキメラは、釣りをしていた。
「……君は、この迷宮を攻略する気あるのかい?」
「迷宮の深部にいけば、必然的にあなたと戦うことになるじゃないですか。それがいやだなぁ。」
カブルーがその横に座って羽に背をもたれさせていた。
「そのうち君の仲間が、君を見放すかもしれないぞ?」
「それならそれでかまいませんよ。」
「君の目的は、迷宮の封印じゃなかったのかい?」
「そうですよ?」
「だったら…、どうしてファリンを殺そうとしない?」
「そしたらあなたが泣くじゃないですか。」
「……倒せないとは言わないんだな。」
「僕が弱いって言いたいんですか?」
「そんなことは…。」
「そういう正直なところも好きですよ。」
カブルーは、立ち上がり、ライオス・ドラゴンキメラの頬にキスをした。
その瞬間、チュンッ!と何か見えないモノが飛んできて、カブルーの髪の毛が一部切れた。
「な~にしてるのかなぁ?」
ファリンがドライアドの実を抱えたまま杖を構えていた。
「なにって見たら分かるでしょう?」
「ころ…。」
「あっ! 来た来た来た!」
ちょうどその時、ライオス・ドラゴンキメラの竿に当たりが来た。
一生懸命竿を立てて、かかった獲物を釣り上げようとする。
そして、次の瞬間、ドバーッと、クラーケンが飛び出してきた。
「クラーケンか!」
「クラーケンは、美味しくないから、逃がしたら?」
「いや、寄生虫が美味いんだ。釣ろう!」
暴れ回るクラーケン。
次に飛び出した瞬間、ライオス・ドラゴンキメラは、ケン助を取り出して、投擲した。クラーケンの眉間に。
するとクラーケンは、死に、水に浮いた。
クラーケンのような…というか、イカやタコの急所、しめ方は、センシから教わったことだ。
クラーケンを仕留め、ライオス・ドラゴンキメラは、ガッツポーズをとった。
そんなライオス・ドラゴンキメラに、ファリンとカブルーは笑顔で拍手をした。
そして、死んだクラーケンから寄生虫を取ったのだが、それを食べると聞いて、カブルーの仲間達はここ一番の嫌がり方をしたのだった。
そこへセンシが来て。
「なんじゃ? この状況は?」
っと呟いたのだった。
***
二階に移動して、センシがドライアドの実でポタージュスープと、クラーケンの寄生虫で蒲焼きを作ることになった。
「しかし、意外ですよね~。」
「…なにが?」
「まさかあなたがコレ(寄生虫)を生で食べて食中毒を起こすとは…。」
「なんでも試してみないと分からないでしょう?」
「だからって……。プッ。」
「なに笑ってるの?」
「いやぁ、危機感なさ過ぎだなって思って…。プププ。」
「…ここに生があるから食べる?」
「遠慮します。」
「遠慮せずに。」
「やめてくださいよ。強要するのは。嫌なことは人にするなって教わらなかったんですか?」
「人の失敗を笑うなって言われなかったかしら?」
「おい、焼くから寄越せ。」
ファリンが持ってる切り開かれた寄生虫の身を寄越せとセンシが空気読まずに言った。
そしてできあがった寄生虫の蒲焼きを、カブルーの仲間達が嫌そうに見ていたが、ライオス・ドラゴンキメラがパクパク食べているのを見ながら左右でライオス・ドラゴンキメラを挟んで座って食べているファリンとカブルーを見て、仕方なしに食べて、予想以上に美味かったことに驚愕していた。
そして食後は、必ずファリンとカブルーがライオス・ドラゴンキメラの羽に、左右でもたれてまったりするのである。それがすっかり日常となっていた。
後書き
平和的な戦い?そんな話。
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