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龍天使の羽撃き

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08

フォンブラウン市 アナハイム社 MSハンガー

「よぉ、ハーレム先生。久しいな」

「そっちこそ。変わってないなロリマスター」

「「お"ぉ"んっ!?」」

「やめんかアホ蛙!」

「やめなさいキリト君!」

メンチを切り会うバカ二人を止めたのはそれぞれの保護者だ。

「はは、二人はやっぱり仲がいいね。羨ましいよ(ヴォジャノーイ後でコロス)」

「お止めなさいユージオ。顔が隠せてないわ」

「おっと…」

「でも気持ちはわかるわ……協力しましょう」

「ああ、そうしようかアリス」

((ヴォジャノーイコロス…!))

とそんな二人を後ろから見る女が一人…

「何このフォースコワイ」

青髪の、キリッとした美人だった。

「諦めてくださいシノンさん。お兄ちゃん争奪戦に参加した時点でこうなるってわかってましたよね?」

その美人の肩をポンと叩く金髪ポニテの巨乳。

「リーファ…アンタまで…」

そこでヴォジャノーイがシノンに気付いた。

「おや? そちらの青髪のお嬢さんは新人?」

「ええ、シノンよ。よろしく」

「ああ宜しく。俺はヴォジャノーイ。
一応そこのゴキブリの知り合いだ」

「おいくそ蛙!」

「あの黒光りするのを潰したくなったら呼んでくれ。手伝うからさ」

「そうね。その時は頼むわ蛙男さん」

シノンは握手をしようと手を差し出したが、ヴォジャノーイは答えなかった。

「?」

「いやぁ、握手したいのは山々なんだけどここで握手しちゃうと背中から撃たれるからやめとくよ」

シノンがヴォジャノーイの後ろを見ると…

「……トップビルダーってモテるのかしら」

「やーい! ロリマスター!」

「オウコラぶっ飛ばすぞゴキブリ野郎!」

そこへ一人の男が割り込んだ。

「待ちたまえ! ここはGBN! バトルで決着をつけたまえ!」

「げぇ!? MS少女おじさん!?」

「何してるんですかノブ兄さん!?」

突然現れた男に対して声をあげたのは灯俊とアスナだった。

「そう!私の名は須郷伸之! またの名をMS少女おじさん!」

「帰れ! お前仕事はどうした!?」

「比嘉君に押し付けてきた!」

「仕事しろぉっ!」

灯俊の咆哮をものともしないこの男。

GBN運営部不正ツール外部追跡班の最高責任者である。

つまり、灯俊の上司だ。

「おお! なんとも麗しいご婦人が揃ってるじゃないか!」

「ヤベェ! このおっさんなんか企んでやがるっ!?」

「私からのプレゼントだ!」

須郷がコンソールを弄ると、全員が光に包まれた。

光が晴れると……

「おお! スバラスィ!」

全員が自分の乗機の装甲を纏っていた。

「おいテメェ! こんなくだらねぇ仕掛けにどんだけ時間かけやがった!」

「ふふ……3日だ!」

ヴォジャノーイの質問にドヤ顔で答える須郷。

「ブ!レ!イ!ク!デ!カー!ル!追えよ!」

「私は責任を取る為に居るのだよヴォジャノーイ君。
いわば私は首切り要因の飾りなのだ」

「その内菊岡に席取られるぞ…」

「その時は1ダイバーとして楽しむだけだよ!」

「もうやだコイツー! アスナさんこのバカどうにかしてよ! 一応婚約者でしょ!?」

「その話はとっくの昔に破談してるわ…」

「すまない、私は現実のアスナ君には一欠片も欲情できないんだ…」

「俺のアスナに魅力が無いって言うのか!?」

「キリトー。突っ込み所はそこじゃないぞ」

「あん? 別にGBNは全年齢対象だから大丈夫なんじゃねぇの?」

「カトラス、実は倫理コードって物があってだな…」

「失礼だなヴォジャノーイ君! 私がMS少女に自分の欲望をぶつけるような変態に見えるかね?」

「「「「「「「「見える」」」」」」」」

全員が頷いた。

「…………………………話を戻そう」

コホン、と咳払いするMS少女おじさん。

「現在地球ではビルドダイバーズと第七士官学校のフォースバトルが行われている」

「おう。だからオレ達はわざわざ月面くんだりまで来てんだろうが」

「うむうむ。シビルジャッジメンターを擁する君達は公式なフォースバトルには参加できない。故に!私が場を用意しよう」

「………それはありがたいが、何が目的なんだ班長」

「うん? 暇潰しだが?」

ヴォジャノーイは直ぐ様GMコールを行った。
 
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