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オズのエリカ

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第二幕その三

「ウィンキーの皇帝陛下からのプレゼントよ、この服は」
「樵さんね」
「そうよ、それで軍服を着てるとね」
「リュックを背負うのね」
「それだと両手がフリーになるし動きやすいからよ」
 背負っていると、というのです。
「だからね」
「あんたはいつもリュックなのね」
「そうよ、それじゃあね」
「ええ、今もね」
「リュックをを背負って」
 そしてというのです。
「そこに旅道具は全部入れたから」
「それで行くのね」
「そうするわ」
 まさにというのです。
「食べ終わって歯を磨いたらね」
「それからなのね」
「そうよ、私もお風呂に入ったしね」
 見ればアンもすっきりした感じです、お風呂上りのいい香りもします。
「気持ちよくね」
「出発しましょうね」
「そうしましょう」
 アンはエリカににこりと笑って答えました、そしてです。
 皆は朝御飯を食べてそうしてからでした、歯を磨いてからオズマやドロシー達の見送りを受けて出発しました。
 エメラルドの都を出て黄色い煉瓦の道を歩いていくとです、先頭を歩いているエリカが皆に言いました。
「皆遅れたりはぐれないでね」
「うん、わかってるよ」
「後ろにちゃんといるからね」
 臆病ライオンと腹ペコタイガーが応えます。
「皆後ろについているから」
「安心してね」
「そうしてね。カドリングの王宮までの道は頭に入っているから」
 既にというのだ。
「道案内は任せなさい」
「うん、じゃあね」
「後はエリカが寄り道しないだけだね」
「絶対に寄り道すると思うけれど」
「途中何度もね」
「そんなの当然でしょ」
 寄り道はというのです。
「それなくして何が冒険よ」
「寄り道は当然なの」
「興味を持ったところに行かないと」
 それこそとアンにも言います。
「駄目でしょ」
「そこも猫らしいわね、自分だけ先に先に行くし」
「ついてこれない子は置いていくわよ」
「そう言って実際にそうすることもね」
 それもというのです。
「猫らしいわね」
「何でも猫らしいのね。とにかくね」
「寄り道はなのね」
「していくわ。ほら見て」
 言って早速でした、エリカは道の右手にマーガレットを見付けました。そうしてそこに行ってでした。
 マーガレット達を見ながらです、お花に近寄るハナアブやカナブン達に手をやります。そうしてちょっかいをかけつつ言うのでした。
「奇麗なお花よ」
「いや、お花はいいけれど」
「自然に前足出してるね」
「もう普通にね」
「それが当然みたいに」
「そうしてるけれど」
「これはもう習性よ」
 エリカは前足を出し続けつつジョージ達五人に答えました。
「こうして動くものに手を出すことはね」
「それはだね」
「もう猫の絶対の習性で」
「お花の奇麗さも楽しむけれど」
「普通に虫が動いていると手を出して」
「ちょっかいをかけるのね」
「そうよ。そうしないとね」
 それこそというのです。 
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