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敵は何か

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第二章

「持ってきているからな」
「では被災者の人達を救助して」
「そうしたものも渡していくぞ」
 隊長は自ら前に出た、そしてオプノバもだった。
 今回は救助用の道具を使い被災者達を救助しその為に重機にも乗った。そうして困っている人達を助け出していった。
 数時間してインド軍が来た、インド軍はファイア=エボックが既に動いているのを知っていたがそれでもだった。
 彼等の活躍を見て驚いて言った。
「もう活動しているからな」
「流石は神出鬼没のファイア=エボックだ」
「風と共に表れて活動する」
「相変わらず立派だな」
「見事だ」
「俺達も負けていられないぞ」
「頑張って作業をしていくぞ」
 インド軍の将兵達はファイア=エボックの活躍に奮い立ちそのうえでだった。
 彼等も活動を開始した、やがて各国の軍やボランティア団体も救助活動に来たがやはり震災が起こった直後にファイア=エボックが来たことが大きかった。
 犠牲者は台風の大きさと比べて驚く程度少なくインフラの復旧も軌道に乗った。それでだった。
 オプノバもその状況を見てだ、笑顔で言った。
「よかったですね、今回は」
「そうだな、俺達が台風が過ぎた直後に来てな」
 隊長もオプノバに話した、二人は今作業を終えて撤収して最後の輸送機に乗り離陸を待つ中で話していた。
「すぐに活動したからな」
「犠牲者の数は台風の大きさに比べてとても少なく済みましたね」
「全員は無理だったけれどな」
「出来れば犠牲者はゼロにしたかったですね」
「全くだ、しかしな」
 自然の猛威の前にはとだ、隊長はオプノバに答えた。
「それはな」
「無理ですよね」
「人間はまだ自然の前には無力だ」
「そうですよね」
「だから何かあればな」
「昨日元気だった人が」
「急に死ぬなんてこともな」
 そうしたことがというのだ、日常が非日常に一瞬にして切り替わるということが。
「あるんだ」
「そうですよね」
「戦争も怖いがな」
「こっちも怖いですよね」
「俺達はどうして活動しているか」
「平和の為ですね」
 オプノバは離陸の放送がかかった中で向かい側の席に座る隊長に言った。
「そうですよね」
「そうだ、だからな」
 それ故にとだ、隊長も言った。 
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