駅にて
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第二章
「特に女の子に」
「だが浪漫は語ったな」
「鉄道に飛行機に兵器ですね」
「そういったものだ、何ならこのどれかの撮影に付き合ってみるか」
「変なことしたら即刻警察に通報しますよ」
まだ先輩の浪漫について注意した。
「いいですね」
「女性に無理強いしないし暴力は絶対に振るわない」
「紳士ではあるんですね」
「私の理想は変態紳士だ」
「変態は抜いて下さいね」
部室でこんなやり取りをしたうえでだった。郁美はその先輩と一緒に部活動として撮影に行くことになった、その行った場所はというと。
日本有数の都市の駅だった、郁美はその駅に来てか先輩に尋ねた。二人共制服ではなく動きやすいラフな服装で撮影用の道具をそれぞれ持っている。
「あの、ここは」
「自衛隊の基地に行くと思ったか」
「この前のお話のやり取りだと」
「そうも考えたが」
しかしと言うのだった。
「今日はこちらの浪漫にすることにした」
「鉄道の方ですか」
「ここは複数の私鉄の駅だけでなくJRの駅もある」
「まさに日本有数の都市の駅ですね」
「それだけに多くの種類の鉄道を撮ることが出来て」
そしてとだ、部長は郁美に冷静だが確かな情熱を以て語った。
「駅の姿や行き来する人達も撮影出来る」
「その見ていいと思ったことをですね」
「君は全て撮影すればいい」
「わかりました、それじゃあ」
「撮っていくぞ」
先輩から言ってだった、そのうえで。
先輩は実際に自分から動いて撮影を次から次にしていった、それは郁美も同じで私鉄やJRのそれぞれの駅の内外、駅の店や階段、通路、行き来する人々も含めて撮影していった。その撮影の後でだった。
郁美は帰りの電車の中で隣の席に座っている先輩に言った。
「今日はいい写真が一杯撮れたみたいです」
「私もだ」
「そうですね」
「今日はいい日だったな」
「駅全体を見てですね」
「鉄道は撮影していくといい」
「鉄道もかなり撮りましたけれど」
それでもとだ、郁美は多くの写真を撮ることが出来て満足しきっている顔と声で述べた。
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