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オズのエリカ

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第一幕その四

「果たして」
「あら、貴女もそう言うの」
「だってね」
 エリカを見つつ言うのでした。
「貴女はね」
「性格がなの」
「とても猫の性格が出ているから」
「オズマもそう言うのね」
「言うわ。本当にね」
 オズマもドロシーと同じ表情をして言うのでした。
「貴女とのお付き合いも長いし」
「それだけによく知っているのね」
「ええ。その貴女がなのね」
「そうよ。カドリングの方にね」
「猫の国を作るのね」
「そう考えているのよ」
「建国のことはいいとして」
 それでもと言うオズマでした。
「その後のことよ、問題は」
「私が女王でいいのかっていうのね」
「ええ。どうなのかしら」
「言うわね。私位女王に向いている猫はいないよ」
「そう言える根拠は?」
「私が言っているのよ」
 それならというのです。
「それの何処に疑う余地があるのよ」
「わからない理屈ね」
「私は嘘は言わないでしょ」
「それがそう言える根拠なのね」
「そうよ。だったらいいわね」
 エリカはオズマにも全く謙遜することなく言うのでした、この辺りの物怖じしないところもエリカでしょうか。
「私は猫の国の女王になるわ」
「まあ建国のことはいいわ」
 オズマはこのことはいいとしました。
「じゃあ今からね」
「カドリングに行ってよね」
「そう、グリンダに会ってね」
 そのうえでというのです。
「あの人にも許可を得てね」
「そうして来るわね」
「道中貴女だけだと心配だから」
 エリカだけだと、というのです。
「一緒に連れて行く人を選びましょう」
「そうね。私のお供にね」
「お供なの」
「だって女王になるのよ」
 それならというのです。
「お供になるでしょ」
「何かそう言うのも猫らしいわね」
 オズマはあらためてエリカがとても猫らしい猫だと思いました、性格にその猫らしさがとても強く出ているとです。
「けれどそれでもね」
「お供はなのね」
「ええ、一緒に行かないとね」
「じゃあ僕達が行こうか」
「そうしようか」
 ここで名乗りを挙げたのは臆病ライオンと腹ペコタイガーでした。
「王宮にはオズマとドロシーがいてね」
「しっかりと守って」
「それなら僕達が行ってね」
「エリカを助けるよ」
「そうしてくれるかしら。じゃあ貴方達と」
 それにと言うオズマでした。
「後は誰かしら」
「あの五人の子達をお供にしたいわ」
 エリカはふと思ってオズマに言いました。
「そうするわ」
「思い付いて言ったのね」
「そうよ。思い浮かんだのよ」
 やっぱり猫らしくそうなったというのです。
「だからね」
「あの子達もなのね」
「呼ぶわ」
「今あの子達は外の世界にいるけれど」
「だったら呼べばいいのよ」 
 オズの国にというのです。 
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