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レーヴァティン

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第七十話 セビーリアに向かいその二

「釣りするか」
「そこでそうするんだ」
「ああ、ひょっとしたら何か釣れるかもな」
「それでお魚が釣れたら」
「食おうな」
 その釣った魚をというのだ。
「そうしような」
「マイペースだね」
「俺っちは魚釣りが趣味だからな」
「こうした時はだね」
「ああ、釣ってな」
 そしてというのだ。
「そうしてな」
「時間も潰して」
「暇だろ、船旅って」
「うん、歩いての旅よりもね」
「船は進むのが速くてもな」
 それでもというのだ。
「これがな」
「歩いているとそれだけで暇じゃないけれど」
「船の上だとな」
「鍛錬は出来てもね」
 それでもとだ、剛も言った。
「やっぱりね」
「後寝るか飲むだけだろ」
「本当に暇だね」
「本を読んでもいいけれどな」
「君本は」
「ああ、ライトノベル派だよ」
 芳直は剛に答えた。
「読む本はな」
「小説の中でもね」
「明るい楽しい本が好きなんだよ」
「この船本も積んでるけれど」
 書斎があってそこに置かれているのだ。
「あるのはね」
「哲学書ばかりだろ」
「うん、見事にね」
「俺っち哲学書は読まないんだよ」
 顔を顰めさせてだ、芳直は剛に答えた。
「特にマルクスはな」
「あれは経済だよ」
「いや、哲学にも影響与えてるからな」
「だからなんだ」
「マルクスの影響がある哲学はな」
「特になんだ」
「読まないんだよ」
 そうだというのだ。
「俺っちはな」
「この世界はマルクスないけれどね」
「それだけで随分救われてるな」
「何かマルクス主義が悪いみたいだね」
「嫌いだからこう言うんだよ」
「マルクス嫌いなんだ」
「ああ、だからこっちの世界にないならな」
 それでというのだ。
「それだけでな」
「随分いいっていうんだ」
「俺っち的にはな」
「僕も好きじゃないけれどそこまではね」
「嫌いじゃないか」
「多分君位はね」
 こう芳直に言うのだった。
「そうだと思うよ」
「だろうな、しかし他の哲学もな」
「読まないんだ」
「こっちの世界だと神様の教えからはじまるけれどな」
 元々哲学は宗教学キリスト教で言う神学からはじまる、宗教は人間と世界を考えるものであり底から人間や世界を考える哲学が生まれるのは当然のkとだ。
「神様仏様は嫌いじゃないけれどな」
「それでもなんだ」
「ああ、そうしたな」
「哲学の本はなんだ」
「読まないんだよ」
 だからだというのだ。 
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