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空に星が輝く様に

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8部分:第一話 最初の出会いその八


第一話 最初の出会いその八

「成績は丁度いいから」
「僕も」
 こう答えた赤瀬だった。
「成績は丁度そのレベルだから」
「同じなのね」
「同じだね」
 今度は二人で同じことを確認していた。
「本当に」
「若しかしたら」
 ここで椎名はふと言うのだった。
「またクラス委員かも」
「そうかも知れないね」
 赤瀬もその可能性を否定しなかった。
「受かったらの話だけれど」
「受かろう」
 相変わらず感情は見られないがこう述べた椎名だった。
「受けるからには」
「そうだね。受けるからには」
「受からないと駄目だから」
 だからだという椎名だった。
「受かりましょう」
「うん」
「それで赤瀬は」
 椎名は彼にさらに問うてきた。
「これからも部活するの」
「する」
 静かに答える彼だった。
「柔道をする」
「そう、やっぱり」
「柔道は好きだから」
 だからするというのである。
「これからも続ける」
「いいと思うわ。ただ」
「ただ?」
「怪我には気をつけて」
 椎名はこう彼に言うのだった。
「柔道は怪我が多いから」
「それはわかってるから。椎名も」
「私も?」
「塾でも友達いたよね」
 椎名の通っている塾の友人についての話だった。
「この前話していた」
「つきぴーのこと?」
「月美ちゃんだったよね」
 赤瀬は彼女のその友人の名前を知っていた。だからこそここで出せたのだ。
「確か」
「ええ、そうよ」
 そして椎名もその問いに静かに頷いて答えた。
「西堀月美っていうの」
「どんな娘だったっけ」
「とてもいい娘よ」
 あまり具体的ではないが人について話すにあたってはオーソドックスではあった。
「綺麗だし優しいし」
「そうなんだ」
「居合いをやってるって聞いてるわ」
 そしてさらにこんなことも話すのだった。
「腕はどうか知らないけれど」
「そう。居合いを」
「八条高校には柔道部も居合部もあるから」
「剣道部だけじゃなくて」
「あの学校は色々な部活があるの」
 だからだというのだ。
「だから居合部も」
「成程」
「一緒に受かったら会えるわ」
 こう赤瀬に話した。
「つきぴーにね」
「わかったよ。それじゃあ」
「受かりましょう」
 ここではまた言った椎名だった。
「是非ね」
「うん、じゃあ」
 そんなやり取りをしながらクラスの仕事をしていたのだった。そして椎名はその塾の帰りにだ。夜道で一人の女の子と一緒だった。
 
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