転生とらぶる
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機動戦士ガンダム
2160話
ある意味で予想通りと言うべきか、俺達を……正確には俺以外の円や美砂、そしてルリとラピスを人質に取ろうとした連中は、ハワイを占領しているジオン公国の人間の独断だった事があっさりと判明した。
……実は、連邦軍とかの陰謀じゃないかとも思っていたんだが……どうやら、普通に違ったらしい。
とはいえ、それがジオン公国にとって大いに痛手だったのは間違いなく、結果としてジオン公国はよりルナ・ジオンに対して譲歩をする事になってしまった。
具体的には、現在MIP社で開発中の水中用MSのデータと実機の提供。
MIP社はMA専門の兵器メーカーだとばかり思っていたんだが、まさか普通にMSも開発していたとは。
千鶴と凛がMIP社とは接触していたのだが、その辺の情報を入手は出来なかった。
その辺りは、MIP社の方も職業倫理が高かったと、そういう事なのだろう。
とはいえ、MIP社に協力を持ちかけてきた名家についての情報は流すといったように、完全に大丈夫だという訳でもないのだろうが。
ともあれ、そのMSは現在MIP社で開発しており、既に最終調整も完了し、後は生産を待つだけとなっているとかなんとか。
向こうの譲歩として、MIP社の開発したMSのデータと実機を数機こちらに渡すという事は、もしかして俺達がMIP社と接触しているのがザビ家に知られているのか?
それとも、単純に偶然?
普通であれば到底偶然では片付けられない話ではあるのだが、今回の場合はMIP社というのが大きい。
現在のジオン軍で主力兵器たるMSの開発に出遅れている兵器メーカーなのだから、こちらに多少の情報を渡しても構わないと、そう判断しても納得は出来ないでもない……か?
ジオン公国の中で、明らかにMIP社は足手纏い……というのは言いすぎかもしれないが、それに近い存在と認識している者も多いのだ。
そうである以上、どうせペナルティを支払うのなら、そこを使えばと思った者がいてもおかしくはない。
もっとも、水中用MSというのはハワイを拠点する以上は必須の代物だ。
ズゴックとかいうMSが、具体的にどのくらいの性能なのかは分からないが、それでも役立つのは間違いない。
もしズゴックが期待外れの性能だった場合、SEED世界やW世界の各種水中用MSを運用する事も考えてもいい。
特にパイシーズやキャンサーは、MSではなくMAと表現してもおかしくはないし、それでいてビームとかを使ってもいないので、このUC世界でも普通に使える。
SEED世界のゾノとかも、それと同じような感じだが。
ともあれ、ジオン公国の人間の暴走は、ルナ・ジオンにとってかなり大きな利益を貰う事になった。
ただ、そのズゴックのデータをあっさりとこっちに流すという事は、もしかしてジオン軍にはそのズゴックよりも高性能な水中用MSがあったりするのか?
その辺は若干気にならないでもないが、その内明らかになるだろう。
ともあれ、そんな問題を始めとして、それ以外にも幾らか若干問題はあったものの、ハワイの譲渡は無事に終わった。
そうなれば、このハワイはルナ・ジオンの領土になった訳だが……ここで問題が1つ。
月にあるクレイドルでさえ、シャドウミラーからの援軍があってようやく治めているのに、そこにハワイが来たらどうなるか。
当然ルナ・ジオンでは手が足りず、シャドウミラーが担当する事になる。
いやまぁ、フォン・ブラウンを始めとして他の月面都市に量産型Wやメギロート、バッタ、コバッタといった無人機を送っているのだから、今更って話だったが。
ともあれ、そんな訳でハワイにいたジオン軍が撤退した後は、ここをシャドウミラーの戦力で守る事になる。
「分かっていたけど、随分とシャドウミラーに頼り切りになってしまったわね」
俺の隣に来たセイラが、そう告げる。
というか、セイラが何故ここいるのかが分からなかった。
「ここにいてもいいのか? 今は忙しいと思ったんだけど」
「そうね。けど……折角ハワイに来たんだもの。少しはゆっくりしてもいいでしょ? 一応、護衛もいるし」
そう言ってセイラが、少し離れた場所にいるシーマとルルーに視線を向ける。
護衛役の2人も、ここがプライベートビーチだからだろう。雰囲気に合わせて水着姿ではあるのだが、どちらもプロポーションがいいので、着ている水着はワンピース型なのだが、ビキニに負けないくらいの破壊力を持っている。
セイラの方は、まだ17歳というだけあって平均よりは女らしい身体つきをしているが、それでも女として成熟したシーマやルルーにはどうしても劣ってしまう。
まぁ、まだ成長期だというのを考えれば……
「アクセル。どこを見てるのかしら?」
ビーチチェア……というのか? 椅子というよりは横になるような奴の上でセイラを――正確にはその胸を――見ていた俺に、不機嫌そうな表情でそう告げてくる。
表情には特に出していない筈なんだが、その辺りもしっかりと読み取ったと、そういう事らしい。
実際、セイラが魅力的な女なのは間違いなく、もしここが俺達しかいないプライベートビーチではなく普通の浜辺であれば、それこそ大勢が今のセイラに目を奪われて口説こうとしてくるだろう。
もっとも、ジオン軍に占拠されたかと思えば、すぐにルナ・ジオンに譲渡されるなんて事になっているこのハワイで、そんな風に自由に泳ぐような真似が出来るのかと聞かれれば、それは正直微妙なところなのだが。
「いや、何でもない。それより、ラルやアンリはこの件を知ってるのか?」
セイラのお目付役という意味では、ダグラスも入れてもいいのかもしれないが、今回の場合はお目付役ではなく……そう、一種の父親代わりに近いと言ってもいい。
そんなラルとアンリだけに、セイラが水着姿で俺と一緒にいるというのは、許すことが出来ないと言ってもおかしくはないと思う。
……そんな男2人とは裏腹に、シーマとルルーの2人はこうしてセイラを俺の前に連れてきているのだが。
ハモンが一緒にいないのは、何故かという疑問を抱きもするが……まぁ、その辺は後でいいか。
「どうかしら。プライベートビーチでゆっくりしてくるとは言ってきたけど」
そう言い、俺の隣にあるビーチチェアに横になる。
「そうか。……で? また、何だって急にそんな真似をしようなんて思ったんだ?」
「そうね。単純に、ちょっと疲れたからというのがあるかしら」
セイラの言葉は、嘘や誤魔化しの類ではなく、本当に疲れているように思えた。
まだ17歳なんだし、特に帝王学のような勉強をしてきた訳でもないのだから、そんなセイラにとっては、ハワイの譲渡やらグラナダを貸し出す為の交渉やらといったものは精神的にかなりの重圧なのは間違いないだろう。
……少なくても、俺ならとてもではないがそんな真似をしたいとは思わない。
そんな風に考え、いっそ魔法球に連れて行くか? とも考えるも、すぐに否定する。
いや、セイラは最初に俺と会った時にシャドウミラーについて理解しているのだから、魔法球に関しても知識はあるだろう。
セイラが魔法球を始めとした諸々について、ラルのように親しい者に対しても秘密を守っているのは、俺から見ても信頼に値する。
そんなセイラだけに、魔法球に招待してもいいかと言われれば、俺は頷くだろう。
だが、それはあくまでもセイラだけだ。
セイラ以外の面々には、まだ魔法球については説明していない以上、セイラを魔法球に連れていく訳にもいかない。
もしそんな真似をすれば、ルナ・ジオンの女王が少しの時間ではあっても行方不明になるという事になってしまうのだから。
今は無理でも、将来的にはその辺りを何とか出来ればいいんだが。
とはいえ、ぶっちゃけた話、セイラが一番忙しいのって間違いなく建国してすぐの今なんだよな。
その最も忙しい時に、セイラを休ませる手段があるのにそれを使わないってのは……
いやまぁ、こうして俺と一緒にセイラが海にいる時点で、一応休めてはいるんだろうが。
「取りあえず、今日は暇なのか?」
「暇……そういう言い方はちょっとどうかと思うけど、取りあえず夕方までは特に何もないわね」
「そうか。なら今のうちにしっかりとリフレッシュするのはいいだろうな。……もしここにいるのが俺とセイラだけなら、魔法球に連れて行ってもよかったんだが」
「魔法球、ね。一度は行ってみたいと思ってるわ。アクセルの記憶でどういう場所なのかは知ってるけど、実際に行った事はないし」
「だろうな。それに、魔法球の中は少し行ってないといつの間にか色々と変わってるからな。そういう意味では、俺も十分に満喫してるって訳じゃないけど」
本当の意味で魔法球の中を満喫するなら、それこそ技術班に入るのが最善の選択だろう。
もっとも、シャドウミラーの技術班はその多くが世間では間違いなく天才と呼ばれるに相応しいだけの実力を持つ。
……ギアス世界では天才という呼び声の高いロイドが、技術班に入ってきた当初はその能力は下位だったというのを考えれば、シャドウミラーの技術班がどれくらいの天才の集まりかを示しているだろう。
マードック辺りは才能という点ではロイドよりも下だったが、技術班に所属してそこで磨かれた事により、かなりの才能を発揮しているし。
もっとも、最下位だったのはあくまでも当時の話であって、技術班の中での経験や好き放題に研究出来るというその環境から、ロイドは技術班の中でも中の上くらいの位置にまでなっているのだが。
「アクセルの場合は、魔法球云々だけじゃなくて他の世界に行ったりしてるからというのも大きいでしょ?」
「それは否定しない」
実際、俺がホワイトスターにいないという事は結構な頻度であるのだから、その状況で技術班の巣と化している魔法球を存分に楽しめという方が無理がある。
「もっとも、アクセルがそうやって積極的に他の世界に行ったりしたおかげで、この世界に来る事にもなって、それでキャスバル兄さんの愚行を止める事が出来るんだから、私にとってはそっちの方が良かったのだけれど」
小さく笑みを浮かべつつ、セイラはそう告げる。
まぁ、セイラの立場になってみれば、もし俺がこの世界に来ない場合、シャアは将来的に間違いなく地球に小惑星を落とそうとした筈だ。
それを考えると、セイラにとって俺がこの世界にやって来たのは、間違いなく救いだろう。
この世界以外でも、例えば俺がW世界に行ってなければ、凛や綾子と合流するのがいつになったのかは分からないし、ニーズヘッグの尻尾に関しても、考えられたりはしなかっただろう。
そういう意味では、やはり様々な世界に行って技術を集めるというシャドウミラーの国是は間違っていないのだろう。
この先も、色々な世界に行く事によって様々な技術を手に入れ、その結果としてシャドウミラーの持つ戦力は強化されていく。
……いや、今の状況でも圧倒的なまでの戦力を持っているってのは、それこそ月を制圧した時の事を考えれば明らかなんだが。
マクロス世界でも、バジュラを相手に十分以上に戦えたし。
「そうだな。セイラはその為にルナ・ジオンを作ったんだ。……けど、どうせならグラナダの交渉の時とか、このハワイでの交渉の時に、シャアを呼んでも良かったんじゃないか?」
何だかんだで、今まで俺達はシャアと遭遇していない。
これは、若干不自然さすら感じるが……シャアはジオン軍の中でも目玉的な存在だ。
そうである以上、当然のように色々と仕事は多い。
それこそ、その名声に相応しいだけの仕事をするように求められる筈で、そう考えれば俺達と接触出来ないのは分からないでもない。
だが、ジオン公国にとってルナ・ジオンという存在は出来れば機嫌をとりたい相手なのは間違いない。
そうである以上、セイラがシャアを用意して欲しいと言えば用意してくれるとは思う。
そして、セイラは兄に会いたいと思っているのは確実なのだから……
「駄目よ。今はまだ駄目。少なくても、しっかりとルナ・ジオンが国としてやっていけるようになるまでは」
「……セイラはそれでいいのか?」
「ええ。出来れば会いたいとは思うけど……ここで下手にキャスバル兄さんを引っ張ってくれば、間違いなく面倒な事になると思うわ」
そう言い切るセイラの瞳には、悲しみがある。
その悲しみが、死んだと思っていた兄に会えないからというものなのか、それとも今のシャアをルナ・ジオンに連れてくれば色々と面倒が起きると理解しているからか……
ともあれ、俺は悲しそうにしているセイラの横で、2人揃ってハワイの太陽を浴び続けるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:235
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1435
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