おぢばにおかえり
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第四十六話 受験が終わってその三
「そうさせてもらいますね」
「いいわよ、私のことだから」
私は図書館に阿波野君と一緒に入りながら彼に言いました。
「実力で、って思ってるし」
「いえいえ、神様の力も必要ですから」
「それでなの」
「お願いしてきますね」
「だからいいのに」
「僕が好きでしますから」
あくまでこう言う阿波野君でした、広くて座る場所も本もそれを入れる本棚もかなり多い図書室に入って。
「そういうことで」
「そうなの」
「はい、そういうことで」
「わかったわ。じゃあお願いするわね」
私が折れる形でしょうかこれは。
「それでね」
「今日帰る時に」
「その時にまた回廊拭かせてもらうの?」
「そのつもりです」
神殿の回廊を一周して拭く回廊ひのきしんもさせてつもりだそうです。
「今日も」
「勇んでるわね」
「いや、こっちは最初からです」
「させてもらうつもりだったの」
「そうだったんですよ」
「それで私のこともなの」
「はい、お願いさせてもらいます」
「何かお話聞いてたら」
本気で思いました、このことは。
「もう完全におみちの人になってるわね」
「そうなんですね、僕は」
「ええ、お調子者にしても」
「いや、それはいいですね」
「それでそのまま信心していくのね」
「はい、これからも」
「いいことよ、そのことはね」
このこと自体はです。
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