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ドリトル先生と奇麗な薔薇園

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第十二幕その五

「喜んで受け入れるよ」
「先生はそう言うのね」
「何でもいいって」
「受け入れるって」
「そうだよ、本当にね」
 こう言ってです、本当にこのことについては何も言わない先生でした。そのうえで皆にこう提案したのです。
「さて、これからね」
「これから?」
「これからっていうと」
「もう一周しようか」
 薔薇園をというのです。
「そしてまた薔薇園を観ようね」
「そうしようっていうんだ」
「また薔薇園を観て」
「それで楽しもうっていうのね」
「そうだよ、さっきもよく観たけれど」
 今回もというのです。
「じっくりとね」
「またよく観て回る」
「そうしようっていうんだ」
「どうかな、他の場所に行ってもいいし」
 こちらもお話に出す先生でした。
「薔薇園でそうしてもいいしね」
「ううん、じゃあこっちでいい?」
「薔薇園を観て回っても」
「そうする?」
「そうだね」
 皆は先生のお言葉に応えました、そうしてです。
 皆で先生と一緒にまた薔薇園を一周しました、そのうえで研究室に帰りましたが皆は帰ってから今度はこんなことを言うのでした。
「ずっと薔薇園にいるとね」
「ここまで薔薇の香りがするね」
「僕達に付いた薔薇の香りがね」
「はっきりするよ」
「僕にはわからないけれどね」
 先生の人間のお鼻ではです。
「皆はそうだね」
「うん、やっぱりね」
「僕達のお鼻はいいからね」
「だからなの」
「香りをはっきりと感じるよ」
 研究室に戻ってもというのです。
「かなりね」
「何か二週してよかったかも」
「香りの面からも」
「そうしてもね」
「そうなんだね、それだったらね」
 先生は皆に笑顔でお話しました。
「僕ももう一周しようって言ってよかったよ」
「先生自身は香りを感じなくても」
「僕達が香りを楽しめればいい」
「そう言うんだね」
「そうだよ、皆が楽しんでくれるならね」
 それならというのです。
「僕も嬉しいよ」
「そうそう、そこでそう言うのがね」
「本当に先生らしいよ」
「僕達や他の人達が喜んでくれるのならいい」
「自分がそうでなくてもね」
「それで満足っていうのがね」
 そうしたお考えを持っていることがというのです。
「本当に立派だよ」
「薔薇に相応しいよ」
「先生のお心はあのお花にね」
「相応しいわ」
「そうだといいね、じゃあ僕は講義があるからね」
 午後のそれがというのです。
「行って来るよ」
「頑張ってね」
「講義の方もね」
「そうしてね」
「そうさせてもらうよ」
 こう言って席を立ってです、先生は講義に行きました。そうして次の日曜日ですがこの日はです。 
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